

■ 京都髙島屋の「
ばらの木」で、
スチュワード麻子さん のセミナーが開かれました。前回5月から、およそ半年ぶりの開催です。麻子さんによるオリジナルブレンドティー、「インフューズティー」を扱うのはここだけですから、ここで麻子さんのお話を聴くことに価値があるのです。ブルーグレイのパッケージの色合いも、品がいいと思うのです。

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前回は友の会の、セミナールームといった感じのお部屋でしたが、やはり優美な空間がふさわしいと思います。今回は、英国での冬の紅茶の楽しみ方というテーマでした。特にクリスマスにまつわるお話満載でした。20名の募集だったのに、やっぱり今回もすぐに20名を超えてしまったようです。97歳の女性の方もいらして、麻子さんの幅広い層に愛される人気が改めてわかりました。前回と同様、まずは
ピーチ・ライチ・ブロッサムのアイスティーがウエルカムティーとしてふるまわれました。紅茶に、緑茶もブレンドされたオリジナルのお茶です。



●セミナー開始後、30分ほどでお茶とお菓子が供されました。お菓子はマロンのマカロン、洋梨のタルト、パウンドケーキ。そして、「
インフューズティー」の、これは今年のクリスマスティーなのです。シナモンやクローヴなどスパイシーなものが多い中、あえてスパイスではなくナッツで香りをつけたということです。星形は砂糖で作られていて、お湯に溶けてしまうものですが、ちょっとしたかわいらしいヴィジュアルのアクセントですね。
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■ セミナーで伺ったことは、ランダムにですが、だいたいこんなことでした。
●英国での冬の紅茶の楽しみ方。どうしてもティーバッグが圧倒的に多い。英国の紅茶消費量のなんと96%がティーバッグ。
●今ではここまでのディーバッグ普及率だけど、本来英国人は新しいものに飛びつかないので、一般化するまでは時間がかかった。1970年代からどっと増えた。
●ティーバッグの紅茶はマグでどーんと飲むもの。砂糖とミルクは入れるのが(ほぼ)当然。80%の人がミルクを入れる。
●砂糖は、男性の方がよほど多く入れる。ティースプーンに6杯入れるなどザラ。
●日本で人気のアイスティーはほとんど飲まれない。他の紅茶愛好国であるインドやロシアでも同様、飲まれない。冷凍庫付冷蔵庫が日本ほど普及していないのも原因のひとつ?
●紅茶のブレンドは季節によって好まれるものが違う。冬の間はヴァニラやナッツ(ヘーゼルナッツ、アーモンド)など、濃厚な香り付のものが好まれる。他にスパイス系も。
●イギリス人の散歩好きなこと。日本人の散歩とは別物。雨でもみぞれでも雷でも、食後は「fresh air」を求めて外に出る。小さな子供がいても、ぐるぐる巻きの防寒装備にして連れ出す。食後の満腹状態でゆったりしていたいような時でも、真冬でも、とにかく外に出るのが習慣。
●散歩は、「ウォークに行く」といって、1時間でも2時間でも外を歩く。
●そして帰宅するとまず主婦が言う言葉:Shall I put a kettle on! ケトルをONにしましょう! (電気ポットだから。)そして紅茶を淹れる。
●有名紅茶ブランドは毎年クリスマスティーを発売する。フォートナム&メイソンも、ハロッズも、ウィタードも。それは濃いめのスパイシーなものが多いが、オレンジピール入りも多い。
●英国のクリスマスは日本の元日のような感じ。家族でターキーのローストを。けれどターキーはアメリカから入ってきたもので、それ以前はグースを。エリザベス朝時代には白鳥のローストを食べていた記録もあり・・・((-_-;)) 家庭によってビーフを食べるところも。
●とにかく家族が揃って食べる。20人くらいになったりする。主婦大変だけど時間を逆算してローストする。温野菜付け合せに。必ず芽キャベツは使う。
●肉のためのソースは必ず3種類作る。グレーヴィーソース、クランベリーソース、白いパン粉から作るブレッドソース。
●クリスマスプディングも欠かせないもの。直前、蒸すかレンジで熱するかして、熱々でいただくもの。切り分けず、大スプーンでくずしつつボウルに盛り分け、ブランデー入りのバター、生クリームをかけて、ぐずぐずに混ぜて食べる。不思議な食べもの。肉料理とこれで、だいたい1食で3000キロカロリーほどになる。(圧倒的カロリー過多。)
●11月のStir up Sundayに作る習慣で、家族全員が願いごとをしながら1度ずつ東から西に混ぜるのがいいとされている。13の材料(キリストと12使徒)だったが13は縁起が悪いと6ペンス銀貨(後に銀のチャーム)を入れるようになり、これに当たるとラッキーとされる。(まるでフランスのエピファニーのフェーヴみたいですね。)
●そのチャームの形:馬蹄形、テディベア、ボタン、ベル・・・などなど。
●現実には25日正餐(肉のロースト)の後にクリスマスプディングを食べて3000キロカロリーというのはつらいので、24日か26日に食べることも多い。
●中は、英国のケーキは必ずリッチフルーツケーキと相場が決まっており、これは作ってすぐに食べるものではない。ブランデーなどアルコールを上からかけてかけて染みこませ、マジパンとアイシングでがっちりコーティングをするので、1年くらいかるく持つ。
●他にクリスマスプレゼント、クリスマスツリー、クリスマスカード、ファーザークリスマス(=サンタクロース)のお話。クリスマスカードは英国が発祥の地。
●12月25日は、今でも本当にお店やレストランは休みなので、旅行の際は気をつけて。ホテルのレストランなら開いていると思いがちだが、開いていても予約しておかねば食材が揃わないので食事にありつけないということになる。
●けれど中華料理やインド料理は25日でも大丈夫だったりする。
●以上のようなこと、麻子さんは在英11年にして「やっとわかってきたというところ」であると。
●お菓子を、イギリス人は指でつまんで食べられるものはほとんどそうする。「イギリスではいかなる時もナイフとフォークを必ず使う」と思い込んでいるアメリカ人が、かえって律儀にナイフとフォークを使って、小さなケーキを粉々にしたりしている。
●カップは、ソーサーの上に必ず右側に取っ手が来るように置き、スプーンは取っ手の下い垂直に(タテ位置に)置く。
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■ 書き残すと忘れないで済むので(というか頭の中のメモリを空にするような感じ)、以上備忘録に残しましたが、これらの内容を、麻子さんは実に明瞭に聞き取りやすくお話しされるのです。わたしも見習わなければ! ほっそりきれいでお話上手、いやそれ以前に話す内容をたっぷり持っていらして、頭がいいのにごく自然な感じで・・・憧れを集める方なのです。どんなジャンルであれ、こうして人気を集めて、人々を牽引してそのジャンルの価値自体も高めていく人ってかっちょいいなあ~と思います。お菓子研究家とか料理でも技術でも何でもいいのだけど、そういう人はすてきです。いつも通り充実のセミナーでした。さらにわたしのサイトの読者に方々にもお目にかかれて、うれしかった午前中でした。
「ばらの木」 京都髙島屋2階
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(掲載:2009-10-02)