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2013年4月19日 (金)

■ 「杢兵衛」の昼コース


■ 先日夜遅くにお邪魔した祇園の「杢兵衛」(もくべえ)さんに、ちゃんとしたお昼時間に伺いました。(^o^)(^o^)  先日なかなかよいなー♪と思って、これは早いこと、きちんといただかねばと思ったのです。こちらのコースは、だいぶ以前にいただいたきりでした。でも代も替わられて今の店主は4代目、寺田慎太郎さんになられています。気概のある人で、話せば和食にまつわるさまざまなことを無限に教えてくださいます。お料理が楽しみではないの♪ お昼の8400円のコースです。
Img_1760 ●生湯葉とうすいえんどう豆のペースト、わさび漬、白子、ほたるいか、生うに、うすいえんどう豆。だしのジュレ
歌を添えて供される先付の品です。風雅です。
Img_1765 ●中はこんな。先付ながらしっかり量もあり、「たっぷり食べさせます!」という気持ちが感じられます。季節の食材がいいバランスで使われて、一品めからおいしい♪
Img_1772 ●八寸 筍木の芽和え/ぐじの紫蘇巻き寿司(すし飯には梅の香り、胡麻入り)/車海老、桜麩、飯蛸、一寸豆、わらび、鯛の子ゼリー寄せ
こちらも盛りだくさんです。充実感があります。
Img_1773 ●お椀 あぶらめの葛たたき、れんこんまんじゅう、板わらび、よめ菜、桜の花塩漬
春らしいお椀。
Img_1778 ●鯛の昆布〆、まぐろ 花びらにんじん、穂紫蘇、紅たでのスプラウト、わさび/醤油、のびるぽん酢
のびる入りのぽん酢でいただくお造り、とてもよかったです。まぐろも昆布〆の鯛も、ねっとりいい感じで、非常においしいと思いました。
Img_1781 ●物集女の筍、わかめ、ふき、湯葉の焚き合せ
上品な焚き合せ、この季節にいただきたい理想的な組み合わせ。
Img_1782 ●まながつおのおかき焼き 桜の香り 粟麩ふき味噌田楽、酢取り茗荷
桜の葉の香りが立ちのぼります。
Img_1784 ●桜の葉を開くとこんな。粉末おかきをまぶしてパリパリに焼いた食感が心地いいです。中はしっとり。手前の粟麩はふき味噌をのせて焼いてあって、こちらも香ばしいです。
Img_1788 ●金目鯛の蒸しもの、あわび、小松菜、花山椒
上品な蒸しもので、ここでまた魚のおいしさを味わって、お料理は終わりです。
Img_1793 ●白ご飯、上に豚角煮、香の物、味噌汁
豚の角煮がのったご飯です。脂身を取ってから撮ったものです。供された時はもっときれいでした・・・その時撮らずごめんなさいです。<(_ _)><(_ _)> お味噌汁と香の物と共に。白ご飯がとてもおいしくてうれしかったです。
●デセールは、豆腐のブランマンジェ、ラズベリーとグレープフルーツのジュレ、いちご
Img_1799 ●桜餅、お薄
お薄は、珍しいなあと思ったらスペインの器でした。スープボウルみたいなの。たのし(^o^)(^o^)
Img_1804 ●桜餅も自家製で、氷餅に覆われてとてもやわらか、いい香りのものでした。
とてもお腹いっぱい、良心的ないいコースだったと思います。加藤雅也さんをはじめ、若い料理人の人たちがきびきびと働く様子も気持ちよかったです。とても感じがいいし、京都の食文化を、みんな担ってくれていて頼もしいな~と。
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Img_1809jpga ■ 勉強家でもある店主の寺田慎太郎さん、先付に添えた歌も、ご自身で書いていらっしゃるということで、水茎の流れる跡もうるわしい書、すばらしいです。
「伊勢物語」の在原業平の歌で
世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし
というあまりにも有名なものがありますが、それに対する返歌が、この歌だということです。
ちればこそ いとどさくらは めでたけれ
うきよになにか ひさしかるべき
散ればこそ いとど桜は めでたけれ 憂き世に何か 久しかるべき
散るからこそ桜はすばらしいのだ。この世に何か、変わることがないものなどあるだろうか?(いいやありはしない。)
(よみ人知らず)
慎太郎さんはごく若い頃から文字を書くことと、先人たちの美しい文字に興味を持たれたとのことです。最も心酔しているのは藤原行成の字ですって。その「関戸本」というのも見せていただき、わたしも書の美しさにうっとりしました。
季節ごと、行事ごと、歌を添えているということで、それが自分へのプレッシャーにもなるということでした。確かに、仕事でやらないことには、何事も身につかないかもしれません。
■ 慎太郎さんは器のことも語ってくださいました。全くブランドは買わないって・・・ブランドだからいいっていうのではなく、名がなくても本当にいいものを見極めてこそ、もののよさがわかるということではないかという考え方。今回はわりとどっしりしっかりした感じの器が多かったですが、薄手の華麗な京焼もお好きだということ。いま使っている器はすべて、4代目を継ぐ以前から自分で買い集めて来られたものということでした。
■ どのお店でも思うことだけど、和食店のお仕事というのは、オペラみたいに、あらゆることを美しく整えて客をもてなす大変なことです。要素が多い・・・それを楽しんでやっている店主の皆さんが京都にはみっちりいて・・・本当にすばらしいし、文化を担ってくださっていることを、ありがたいと思います。これをみんなで通って楽しんで、京都の食全体を盛り上げて行かないといけないー!と、メラメラ思います。わたしは自分では何もできないけれど、よかったよー、みんな食べに行ってねーと騒げるだけ騒ぎます。
杢兵衛
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(2013-04-19)

2013年4月 19日, dans 京都 和食13前半 |