■ 「杢兵衛」の昼コース |
■ 先日夜遅くにお邪魔した祇園の「杢兵衛」(もくべえ)さんに、ちゃんとしたお昼時間に伺いました。(^o^)(^o^) 先日なかなかよいなー♪と思って、これは早いこと、きちんといただかねばと思ったのです。こちらのコースは、だいぶ以前にいただいたきりでした。でも代も替わられて今の店主は4代目、寺田慎太郎さんになられています。気概のある人で、話せば和食にまつわるさまざまなことを無限に教えてくださいます。お料理が楽しみではないの♪ お昼の8400円のコースです。
歌を添えて供される先付の品です。風雅です。
こちらも盛りだくさんです。充実感があります。
春らしいお椀。
のびる入りのぽん酢でいただくお造り、とてもよかったです。まぐろも昆布〆の鯛も、ねっとりいい感じで、非常においしいと思いました。
上品な焚き合せ、この季節にいただきたい理想的な組み合わせ。
桜の葉の香りが立ちのぼります。
上品な蒸しもので、ここでまた魚のおいしさを味わって、お料理は終わりです。
豚の角煮がのったご飯です。脂身を取ってから撮ったものです。供された時はもっときれいでした・・・その時撮らずごめんなさいです。<(_ _)><(_ _)> お味噌汁と香の物と共に。白ご飯がとてもおいしくてうれしかったです。
●デセールは、豆腐のブランマンジェ、ラズベリーとグレープフルーツのジュレ、いちご
お薄は、珍しいなあと思ったらスペインの器でした。スープボウルみたいなの。たのし(^o^)(^o^)
とてもお腹いっぱい、良心的ないいコースだったと思います。加藤雅也さんをはじめ、若い料理人の人たちがきびきびと働く様子も気持ちよかったです。とても感じがいいし、京都の食文化を、みんな担ってくれていて頼もしいな~と。
************************************************************
「伊勢物語」の在原業平の歌で
世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし
というあまりにも有名なものがありますが、それに対する返歌が、この歌だということです。
ちればこそ いとどさくらは めでたけれ
うきよになにか ひさしかるべき
散ればこそ いとど桜は めでたけれ 憂き世に何か 久しかるべき
散るからこそ桜はすばらしいのだ。この世に何か、変わることがないものなどあるだろうか?(いいやありはしない。)
(よみ人知らず)
慎太郎さんはごく若い頃から文字を書くことと、先人たちの美しい文字に興味を持たれたとのことです。最も心酔しているのは藤原行成の字ですって。その「関戸本」というのも見せていただき、わたしも書の美しさにうっとりしました。
季節ごと、行事ごと、歌を添えているということで、それが自分へのプレッシャーにもなるということでした。確かに、仕事でやらないことには、何事も身につかないかもしれません。
■ 慎太郎さんは器のことも語ってくださいました。全くブランドは買わないって・・・ブランドだからいいっていうのではなく、名がなくても本当にいいものを見極めてこそ、もののよさがわかるということではないかという考え方。今回はわりとどっしりしっかりした感じの器が多かったですが、薄手の華麗な京焼もお好きだということ。いま使っている器はすべて、4代目を継ぐ以前から自分で買い集めて来られたものということでした。
■ どのお店でも思うことだけど、和食店のお仕事というのは、オペラみたいに、あらゆることを美しく整えて客をもてなす大変なことです。要素が多い・・・それを楽しんでやっている店主の皆さんが京都にはみっちりいて・・・本当にすばらしいし、文化を担ってくださっていることを、ありがたいと思います。これをみんなで通って楽しんで、京都の食全体を盛り上げて行かないといけないー!と、メラメラ思います。わたしは自分では何もできないけれど、よかったよー、みんな食べに行ってねーと騒げるだけ騒ぎます。
「杢兵衛」
************************************************************
(2013-04-19)
2013年4月 19日, dans 京都 和食13前半 | lien permanent