■ 年始の本、「いけばな 知性で愛でる日本の美」 |
■ 隆甫さんといえば才色兼備、お家柄も知性も美しさもすべて兼ね備え、さらに実際にお目にかかっても実に感じのいい方です。隆甫さんを知る人は満場一致で「すばらしいよねー♪ すてき過ぎてずるいよねー♪」とうっとりするわけです。
■ この本では、日本の伝統のいけばなを、誰にもわかりやすい言葉で解き明かされています。センスではなく理論、「型」だといういけばな、なぜこんなに流派が多いのか、家元制度とはどういうものかというような、いけばなをよく知らない人がまず疑問に思うことも、平明に説明されています。
■ わたしが前半でとりわけ感じ入った部分です。(以下引用、p24です)
いけばなに最高の瞬間はありません。いけあげた瞬間が完成ではなく、盛りだけを愛でるのでもありません。人の命は老若男女を問わず等しくかけがえのないものだと考えた日本人は、花の命を自分自身の命と重ねあわせ、そのすべての瞬間を等しく慈しんできたのです。いけばなは、単なる装飾ではありません。いけばなが表現するのは、命そのものです。
■ 大学(京都大学)で学ばれた日本建築学の論理(左右非対称の美、異なる三要素の調和、白銀比など)といけばなの美の法則は瓜二つだったということです。豊かな知識にも裏打ちされた、いけばな解説=日本文化の魅力の解説となっています。外から京都に憧れて移り住んだわたしには、とりわけ勉強になり、目からうろこな思いをした箇所も多数でした。お花が好きな人、日本の美を愛する人・・・いや、日本に住むならみんな読みましょう♪と言いたい本です。
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(2012-01-02)
2012年1月 2日, dans ★本のご紹介 | lien permanent