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2010年8月16日 (月)

■ 万願寺、モネガスク、カイユ@「ヴィ・ザ・ヴィ」


1■ 今月も来ました京都ブライトンホテル「ヴィ・ザ・ヴィ」です。お昼に組んでいただいた軽めのコースですが、「ヴィ・ザ・ヴィ」のエスプリ満載、モネガスク=トマトのモナコ風やら鮎のクレームなど夏のスペシャリテも組み込まれて、あまりに感動深い、完璧と言ってよいお料理でした。アペリティフにシャンパーニュをいただきました。アミューズが運ばれてきて・・・
2●アミューズがこんな細長いお皿で(これ初めて)、手前からフロマージュブランに夏トリュフの刻んだの/じゃがいものタルトレットに賀茂茄子のピュレ、上に黒オリーヴ粉末/ガラスの丸い器にまくわうりのスープ、刻んだ生ハム(=生ハムメロンのようなイメージ)/フィナンシエに、帆立、うに、トマト/デにしたあわびとキャヴィア(本当のフランス語読みならカヴィアールね)のタルタル。
3●万願寺とうがらしの冷たいスープ。赤万願寺とうがらしのクレーム・グラッセ。これはNHKの「おはよう日本」でシェフの滝本将博さんが京都の万願寺とうがらしの使い方の例としてプレゼンされたものです。冷たさも味も香りも彩りも鮮烈で、非常に美味なものでした。
4●いつものアルページュ卵です。
5●とろみとか温度とか酸味の加減とか甘さとか、これは究極の決まり方です。
6●きました、モネガスク=トマトのモナコ風。今年版は透明なトマトのジュがつくのでこれをちゅーと飲みます。
7●モネガスク、これはどんなにだぶってもいいから可能な期間は必ず出してくださいとお願いしているお皿です。トマトと野菜のおいしさを堪能できるのです。ラタトゥイユから進化したって言いますが、いわゆるラタトゥイユからは飛躍して、とても洗練されたものになっています。
8●撮影しながらちょっとくずしちゃってるのですが、上のトマトコンフィとタプナード部分の下はこうなっています。野菜の香味鮮やかに、塩気も的確に決まり、びしっと冷えているのも心地いいです。使われている野菜は赤と黄色のパプリカ、クルジェット、黄色クルジェット、おくら、ヤングコーン、にんじん、いんげん豆、玉ねぎ、茄子。下に四角い生ハム、その上に、透明なフイルムのように1枚、トマトの透明なジュで作ったプレートです。旨すぎ。(T_T)
9●これも夏のスペシャリテ、鮎のクレームです。ナスタチウムの花と葉で作った泡のクレームの下に、ロワイヤル=茶碗蒸し状の部分があるのですが、この中に鮎を閉じ込めてあります。
10●鮎を閉じ込めてあるといっても、姿のままではありません。焼いて、粉末にされているので形はないけれど、強烈に旨みと香りを感じさせるという具合です。細かくデにしたすいかときゅうりが、ものすごく心地よい香りと食感をかもし出しています。すべてが精緻です。爽やかで、軽やかで、旨みもきちんと感じさせて、しんそこよくできたお皿だと思います。
12●初めの写真のうずらがプレゼンされた後、メインのカイユ=うずらが供されました。わたしの分はシンプル焼きでとお願いしたので10分グリヤード? なわけはないが(笑)、いつもの低温グリヤードで大切丁寧に焼かれたうずらです。小さいものなので、大体60分グリヤードくらいとのことでした。
13●真俯瞰でも撮っておきます。セップやジロール、そして夏トリュフが香味を与えます。ももとむね肉以外にもお尻の肉、ソリレス、手羽元など美味な部位を添えてくださっています。
14●で、実は本来はこういうメイン料理だったのです。わたし以外のおねえさま方が召し上がったのは、ドンブ産うずら「インペリアル」フリカデル風 腿肉コンフィ フォアグラ、卵、エクルヴィス マレンゴ風ジュ。わたしのお皿よりもっとずっと手のかかったもので、フォアグラが入っているし、甲殻類の旨みも絡んだ贅沢なものです。ごめんね、わたしは「フォアグラ要らんし、シンプルな方がいい」と簡単ヴァージョンを特に所望しちゃったの・・・。
15●わたしのは簡単ヴァージョンだった分、「切り出した後、まだ残ってるよねww」とおかわりを所望したりして、これ2皿め(笑)。だって、ひと皿めがあんまりおいしかったから。ただただ肉の香り、しっとりした食感、深い旨みを味わい尽くしたいという気持ち・・・あまり他の味入れないでいいから。ソースも非常においしいものでした。完璧のぺき子ちゃん状態。ありがとう。
16●肉が終わってやっと安心して(笑)、テーブルの上の野菜飾り眺めつつ、フロマージュを楽しみに待ちます。
17●いつものフロマージュのシャリオです。これ最高。端から全部切ってと言いたい。でも説明をひと通りしていただきます。白カビ、ハード、ウオッシュ、ブルー、山羊・・・とラインナップを教えていただき、書き留めてここでフロマージュの名前を覚えます。勉強、いつもひっし・・・(-_-;)
18●いただいたのが、上からコンテ山盛り、フルムダンベール、フルール・ドゥ・ビエール(マンステールをホップの生花を使った蒸留酒=ビールの花で洗ったウオッシュタイプ)、エポワス、ヌーシャテル、シャロレ。シャロレはブルゴーニュのシェーヴル。今年1月に46番目のAOCに認定されたフロマージュ。とてもこくがあります。熟成するほどにおいしいだろうなと思います。
1920●アヴァンデセールに桃のスープ。 桃の味と香りが液体とジュレ状になっていて、冷たくて、するりと入って、さきほどのフロマージュの余韻の後ちょうどよい感じでした。
21●ピュアカライブショコラのシリンダー仕立て。中にピスターシュのクレームです。下の長方形はひたすらショコラの濃厚ガナッシュで幸せな〆です。トンカ豆のグラスと。
22●フレッシュハーブのアンフュージオン、最後の卵の中身はショコラのムース。
■ この上なく細やかで気の入ったお料理を作ってくださったと思います。腕はいいがホラ吹き癖? このごろお笑い戦法に転向? のシェフたっきーに、いろいろアタマに来ることがあったわたし、(よく読んでくださっている読者は先日来の記事を記憶してくださっているかと。)「落とし前つけたるう~♪」と勢い込んで出かけたけれど、いやもうひと皿めから完璧なおいしさでもって黙らされたような感じでした。(-_-;)(-_-;) いつも限りなく満点に近い料理だけど、とりわけ100に近かったかも。精緻な料理を作る人を限りなく尊敬しますが、実に尊敬レヴェルだったのです。なんかぐやじ~。でもありがとう。フランス料理が好きな方はマストと思って、今サイコー☆☆☆の「ヴィ・ザ・ヴィ」に出かけてください。これ食べ逃したら惜しいです。
■ 一緒に食べたおねえさま方ありがとうございました。京都市東京事務所の岩城千恵子さん、先日琵琶湖のあの美しい花火を大津の別荘のバルコンから見せてくださった方、この人が「ヴィ・ザ・ヴィ」でデジュネをとおっしゃったら、恩返しとして激速でセッティングするではないの~。そして華麗な藤田晶子さん、長年「リビング京都」の顔=女王さまでいらしたのが、お辞めになり今は自由人です。その晶子さんの門出を祝う食事でした。お仕事が変っても、これからもどうか仲よくしてください<(_ _)>
京都ブライトンホテル「ヴィ・ザ・ヴィ」
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(2010-08-16)

2010年8月 16日, dans 京都 ホテル京都 フレンチ 2010~ |