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2010年5月18日 (火)

■ 朝日カルチャーセンター講座@「ヴィ・ザ・ヴィ」


8朝日カルチャーセンターのわたしの美食訪問講座=「京都美味探訪」(第2木曜の昼開催)の2回目は、京都でフレンチといえばこここそトップクラス、わたしが100%の安心でもって訪れることのできる「ヴィ・ザ・ヴィ」@京都ブライトンホテルにお願いしました。たっきー=シェフの滝本将博さん率いる、わずか10席(貸切ならもう少し可能)の、ホテルとは思えぬプライヴェート感あふれるレストランです。「ホテルのフレンチとはつまらなそうだし、どうかなと思っていた」とおっしゃった受講生の方がいらっしゃいましたが、かつてのわたしが(こんな仕事をしていてすら)そうでしたから、よくわかります~。まあいろいろ言わず、アミューズからいきましょう。
1_42_3●まずは定番、卵のショーフロア、4種類のエピス風味です。卵ひとつでエグゾティックなスパイスの風味と共に酸味、甘味、辛味を味わえるスペシャリテ。ヴィネガーにメイプルシロップにフルールドセル、とろとろのクレームに濃い卵黄とシブレットの彩り・・・味、色みともにコントラストが鮮やかな一品です。わたしはこれ10個食べたい。
3_3●白アスパラガス、帆立貝柱、アルガンオイル。アスパラガスは下茹でせず、生の状態から焼いたということで、シャキシャキ感を残しています。帆立と共に、香ばしいことです。独自の香りのアルガンオイルの泡ソースに、卵黄を使ったふわりとしたソース。
4_3●三重県・尾鷲沖・赤座海老 ヴェルヴェーヌが香るブイヨングラッセ 青豆の軽いヴィシソワーズ風。ガラス皿に冷製のグリーンピースのスープ、目にも涼しげです。きりりと冷えて、豆の香味、そして冴え渡るようなヴェルヴェーヌの香りにうっとりします。
5a_2●真俯瞰だとこんな。キャヴィアが粋な塩気を添えていました。香りを添えたのはフレッシュのきれいなヴェルヴェーヌの葉で、なかなか見られません。特に農家の方に作ってもらっているものだとか。海老の上にちょんちょんとのっているのはセルフイユです。
6●五島列島沖 一本釣り 天然真鯛胡麻風味 もやし、柑橘、ターメリック。しっとり低温で調理された鯛はびっしり胡麻で覆われ香り付けされています。ターメリック=カレー風味の泡ソースが添えられて、強い香味が、けれどふわりと鯛の身にまとわりついて食感も香味も絶妙です。酸味鮮やかな柑橘のコンフィチュール。クルジェットと和えたもやしは食感しっかりでアクセントとなります。
7●メインの肉料理がプレゼンされました。パンタード=ほろほろ鳥です。オーヴンに入れず、返して返して、常にお世話をしつつ、「肉にも気づかれないように火を入れてゆく」スペシャリテ、低温100分グリヤードです。大きな肉だから実際には150分ほどのグリヤードだそうです。これがいったん下げられ、切り分け&盛り付けされます。
82a●しばらくの後、お皿として仕上げられ、供されます。ラカン村産 パンタード 低温100分グリヤード ヴァニラが香るトマトコンフィ、ロケット菜、パセリのジュ。手前がむね肉、向こうがもも肉。紐でくくられたポテトの向こうに少しだけ見えているのが、ソリレスです。ソリレス・・・フランス語で、「sot l' y laisse、=アホはそれを残す」 という意味です。見逃しそうな部分にある、小さな旨い肉♪ パンタードは実にしっとり、繊細な肉質を感じさせつつ、あふれ出るような旨みを感じさせてくれたと思います。適度な塩気で香ばしく、噛めばじゅわじゅわ、じゅわじゅわと旨みが広がりました。この食感でもって、肉を食べる楽しみを満喫させてくれるところは、なかなかないと思うのです。
9●熟成フロマージュ。いつもはシャリオでずらりとプレゼンされるフロマージュですが、今回は各タイプから厳選でこのようなセレクションです。ブルーから時計回りで、ブルー・ドーヴェルニュ、コンテ、クロタン・ドゥ・シャヴィニョル(シェーヴル)、ブリ・ド・モー(白かび)、ギャレ・ドゥ・ラ・ロワール(ウオッシュ)。
10●今回は白&赤ワイン付で、後半、肉とフロマージュは軽やかめの赤、これでいただきました。
11●バリアーニ オリーヴオイルのクレーム・グラッセ。オリーヴオイルの香りを生かしたグラス=アイスクリームですね。フロマージュブランも使われているとのことで、口当たりなめらか、格別の香りです。お皿にパラパラと散っているのは黒オリーヴの粉末です。
12●デセールはミルフイユ。(発音と表記、ミルフィーではありませんよ~!)作りたてをプレゼンされました。フイユタージュバリバリなのが見てわかります。
13●切り分けられたもの。苺 コンフィ ミルフイユ クレームヴァニラ。加熱で甘くまろやかになったいちごとヴァニラ風味のクレームがたっぷり使われて何層にも重ねられ、ナイフ入れるとくずれてきて、どう食べるか思案しながら、でもできるだけ早くいただきます。秒速で味が変わっていくと思うから。何でも出されたら即、いただくのがおいしい食べ方だと思います。ちなみにわたしは食べるのが非常に早いです。写真を撮るので食べ始めは少し遅れるのだけど、それでも食べ終わるのは誰よりも早かったりします。(-_-;) 
14●最後はアンフュージオン=フレッシュハーブティと小菓子。それに、このごろ最後にまた卵なのです。
15●卵の中はショコラのムース。これで〆で、夢のような食事は終わります。
16_5●よくやってくださいましたシェフのたっきー=滝本将博さん。もともと席数も多かったところを今のスタイルにして、ホテルとは思えぬ店作りに成功された人です。素材を慈しむように使って調理によるストレスを与えず、素材が本来持っている以上のおいしさを引き出されると思います。この日は11名で、以上のコースで15000円(税サ込み、白赤ワイン、ミネラルウォーター付)。朝日カルチャーセンター講座のためにスペシャルなデジュネを構成してくださいました。そして受講生の皆さまにも御礼申し上げます。神戸、大阪、箕面、奈良、名古屋などからおいでくださる方々もいらして心から感謝。もう絶対にスペシャルおいしいお料理で次回も楽しんでいただこうと思っています。よろしくお願い申し上げます。<(_ _)>
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(2010-05-18掲載)

2010年5月 18日, dans 京都 ホテル京都 フレンチ 2010~●朝日カルチャーセンター |