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京都ブライトンホテル「
ヴィ・ザ・ヴィ」で10日ほど前にいただいたコースです。お昼(6名以上の予約で貸切営業してくださる)の軽めの構成でジビエをいただくという楽しみに昨年来はまってしまって、今シーズン最後のジビエ食べです。キラキラ☆☆☆華麗なまみさん=永末摩美さん「
永末書店」と、しのちゃん=小寺志乃さん「
ギャラリーグレース」などゴージャスメンバーが揃い、グラスでシャンパーニュをいただきながら始まりました。

●アミューズ、真ん中はポークリエット、土台フィナンシエです。上下ふたつはじゃがいものパリパリタルトレットで、上がにんじんのピュレに胡麻、下がキャベツのクレームにミニトマト、黒トリュフ。

●前菜① ソモンフュメ=サーモンの瞬間燻製、菜の花と。お皿のふちにのっているのはタプナードと、高菜の葉っぱ。

●前菜② 小さなクロケットと泡泡状態のムースが見えます。

●ふぐの白子のパン粉揚げ。外はカリっとしていますが中は熱々のトロトロでこくがあります。塩がほどよく効いて、小さいのにたまらんおいしさ、しゅわしゅわのシャンパーニュがくいくい進みます。トリュフオイル風味のミルクの泡泡が添えられ、上に刻んだ黒トリュフです。

●前菜③ 定番パッサール卵=卵のショーフロワです。

●メイプルシロップの甘さやスパイスやクレームやらが卵と混ざり合って、うっとり幸せな味で、わたしはこれを一度連続で10個食べてみたい。(っていつも言ってる。(-_-;))

●絵のような風情お皿に、丸い2かたまりがありますが、奥が、雉(きじ poule faisane) のガレットです。胸肉に、フォアグラを合わせたもので、上に黒トリュフの千切りと、シャテーニュ(栗)。

●カットしてみたところ。フォアグラが仕込まれています。熟成(まさにフザンダージュ)したきじ肉(とはいえ上品)の旨みにフォアグラが重なって旨旨状態になっており、そこに栗が甘みを与え、黒トリュフが風味を与え、とても贅沢な作りです。

●そして手前の方がピスターシュが香るドディーヌで、こちらはもも肉で作られています。ドディーヌとは?「バロティーヌならわかる?」と言われて、すごく簡単に言うと円筒形のテリーヌでしょ。とざっくり言ってしまって、シェフごめんであった。<(_ _)> 絵のようなお皿でした。黒いソースはトリュフ風味、泡泡ソースはマロンでした。

●根セロリゾット 黒トリュフの香り/ジビエ コンソメ・ポワヴラード。添えられたグラス入りのコンソメが濃い濃いもので、鹿やいのししなど四つ足ジビエからとったコンソメに、胡椒で強いアクセントをつけてあります。うっとりこっくりと美味。

●根セロリを細かいデ(さいの目)に刻んだものをリゾットのように仕立ててあるのです。優しい味で、ひと掬いひと掬いしっとり味わい深く、ずっと食べ続けたいものだと思いました。泡ソースは白も緑も玉ねぎから作られたものです。黒い粒粒はトリュフ。ジビエ尽くしのトリュフ尽くしなわけです。

●これがこの日のメイン、ペルドロー(山うずら)です。ペルドローとフォアグラ キャベツ包み アバのブロシェット フォア入りジュ。上にすっとのせられているのが、腿肉のコンフィ-ポワレです。

●キャベツ包みになった部分を切った断面はこうです。3層になっていて、下からペルドロー胸肉、シャンピニオンのデュクセル、その上に黒トリュフ、そしてフォアグラ。ペルドローの旨みだけではなくフォアグラや黒トリュフの旨みも合わせて、旨み増幅、掛け算のおいしさにしてあります。アバ(内臓)はタイムの枝に刺してあります。旨さが濃くて、力みなぎる料理でした。このキャベツ包み部分を先にいただき、いろいろの素材が響き合う強い旨さを満喫、その後、もも肉コンフィ部分をいただいて、ペルドローのシンプルな、けれど強いおいしさをじっくり味わったのです。

●シャリオで運ばれるフロマージュで盛り上がる瞬間です。ひと通り全部説明してくださいますので、いつも必死で控えます。わたしはここでフロマージュを覚えました。感謝。

●切っていただいたもの。黄色いミモレット18か月(から右回りに)/モンブリアック(ブルー)/エポワス/トルゥ・デュ・クリュ(ブルゴーニュの、マールで洗うウオッシュタイプ)/トム・ド・サヴォワ/サヴール・ド・マキ(羊。コルシカの、マキ=潅木密生地帯 Maquis のイメージで、ローズマリーやキャラウエイやねずの実やとうがらしで風味付けされるフロマージュ。)

●デセールはもちろんショコラですが、上にのってくるグラスがやっぱり黒トリュフ入りでした。少し塩気も効いて、たまらんおいしかったです。

●断面切ったところ。松の実入りです。わたしはこの松の実はあんまり要らんかったけれど、(ごめん<(_ _)>)ショコラ部分はまわりといい、中のねっとりした部分といい、香りも味も完璧なものでした。

●最後に、フレッシュハーブのアンフュージオンをいただき、ごちそうさまでございました。いつも通りに質がよくておいしかった、「ヴィ・ザ・ヴィ」のデジュネでした。とのっち=外村さんをはじめ、細やかで優しいサーヴィスの方々にも御礼申し上げます。
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(2010-02-25掲載)