
■
NHK文化センター 京都教室のわたしの講座・「京都 美味案内」の、第一木曜講座、第5回目は
「木乃婦」さんにお願いしました。大きな館ですから、大勢で訪れてもOKということで、いつもは定員15名のところ、今回特別に30名で開催いたしました。ずいぶん遠方からおいでいただいた方もいらっしゃって、感謝いたしました。いつもの、もうすっかり顔なじみの方々とも、初めての方々ともお話できて、わたしもとてもうれしかったのです。


●タクジ~=高橋拓児さん、こんな風にまめに出てきてくださって、お料理の説明をしてくださいました。ほんと才気煥発でお話も上手な人なのです。

●いちばん初め、わたしから、「3代目若主人、高橋拓児さんでいらっしゃいます」とご紹介したら間髪入れず「3代目バカ主人とちがいますから」と言ってくるし、料理の自在さを述べたら「パクリの天才、高橋パク児と呼ばれています」と返してくるしで、パク児くん、かわいい顔しながら、立派な仕事もしながら、でもこまめに着実に笑いを取っていけるのがまたすてきな才能よね~♪

●こんな感じでいつもの15名定員の講座と違い、ゆったり30名で楽しい食事を共にしました。和室でありながら、椅子で座れたことも、とても快適でした。わたし自身が正座が全くダメな上、事前に受講生の方からも「たたみで、正座するお座敷ですか?」とお問い合わせがあったりして、やっぱり椅子(か、せめて掘りごたつ式)希望者が多いこともわかったのです。

●ここから順番にお料理の写真です。まずは紫蘇香煎で迎えられて、

●八寸です。ひらめ寿司、甘酢生姜、スモークサーモンと酢れんこん、黒豆の蜜煮、なまこおろし和え、鶏の松風。和食の気分に切り替わっていきます。

●お造りが、愛媛の鯛、奄美のまぐろ、天草の甘海老。まぐろがわたしはとりわけおいしいと思いました。とろっと脂っけもうまみもたっぷりだったのです。

●お椀が、貝柱の真丈(しんじょう)、はくれい茸、水菜、柚子。しんじょうには貝柱がたぷり入っていました。ひらひらした「はくれい茸」食感よかったです。

●酢の物として、香住の松葉蟹を自家製の千枚漬でくるりと包んだもの。いくら入りの柑橘ジュレ。花穂紫蘇。千枚漬の酸味と蟹のうまさとがよく調和。けれど大口でやっとほお張れるほどの蟹巻きって感じで、すごい満足感をもたらす、かなりなボリュームのお皿でした。

●名物のお鍋仕立てが、ふかひれと胡麻豆腐です。九条ねぎたっぷり、露生姜。最後にひと盛り上がり。熱々に温まれたと思います。

●ご飯は鯛の釜ご飯。 茗荷と実山椒入り。炊き立てをプレゼンしてくださいました。

●ご飯と共にお漬物、そして留め椀に赤だし。

●デセールに、晩白柚(ばんぺいゆ・大きな柑橘)・・・まるでbanpeilleってフランス語みたいに綴れそうといつも思う(笑)。果肉と、皮をゆがいて焼き色つけたもの。柑橘ジュレにお酒入りジュレを上から。ココナッツミルクのソルベ。
●お値段は8000円で設定してコースをお願いしましたが、いいひらめに鯛に香住の蟹にふかひれにと、高そうな素材を使ってくださって、大変充実していたと思います。「今日は安いもん使ってコース作りました」って拓児さんおっしゃっていたけれど、これは結構嘘ではなく、いいものも、この不況で売れなくて、時によってすごい割引=デフレ状態で売られていたりすると伺いました。買う側は、一瞬はうれしいけれど、苦しい思いをする生産者が当然出てくるわけで、いい循環なはずがありません。早くこの時勢を何とかしないと・・・って、後からまた拓児さんと話したのでした。でもそんな中でも30名も集まってくださったし、拓児さんも名物・ふかひれのお鍋の由来やら黒豆の炊き方やらマジメなことも話してくださって、初めての方にもわかりやすく、そして楽しい講座だったと思います。拓児さんと「木乃婦」スタッフの皆さまに感謝。<(_ _)> そして、おいでくださった受講生の方に、御礼申し上げます。<(_ _)> また次回に~!
************************************************************
「京料理 木乃婦」
電話 075-352-0001
京都市下京区新町通仏光寺下ル西側 岩戸山町416
お昼、夜、友人とふたりでも100人宴会でも折り詰め200個でも、
あらゆる要望に応じてくださいますので、まずは相談してみてください。
************************************************************
(2010-02-06掲載)