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京都ブライトンホテルの「
ヴィ・ザ・ヴィ」です。実はこちらも久しぶり、なんと6か月ぶりです。シェフのたっきー=滝本将博さんが大きなイヴェント続きで忙し過ぎたというのが一番の理由。なんだか遠慮しちゃったし、それに予約しようにもたったの10席はいつも満席状態だったのです。その間もあけ~み=看板コンシエルジュ小山明美とは隣接した「フェリエ」で、「ヴィ・ザ・ヴィ並みだね~、うしし♪」なんて食事もしながら、「はやくヴィ・ザ・ヴィ行こうよ~」と合言葉のように言い続けたのです。わたしたちはできたらイヴェント料理じゃなくて、やっぱりヴィ・ザ・ヴィ料理が食べたかったし。で、やっとこさ12月末になってみんなの都合も合って席を確保。最近仲良しになった方々と5人でテーブルを囲みました。

●アミューズ:ミニフィナンシエに蟹の身とキャヴィア。他に、かぼちゃのクレームと種がのったタルトレット(じゃがいもの生地)。こんなスタイルでアミューズが供されてびっくりします。10月のドイツ(イヴェント地)の後、パリにいらしたことでちょっとスタイル刷新した?

●温かいアミューズ。根セロリをタリアテッレ状にリボン切りにしたものに、泡のオニオンソース。こんなアミューズも初めてです。いつも3点盛りじゃない? 「たまごはないの?」と、気が気じゃなくなってきた\(゜o゜)/

●安心しました。やっと登場、いつもの卵のショーフロア。師匠さま=パッサール卵です。シェリーヴィネガーとメイプルシロップの風味の卵。ほんの2,3口、はかなくも忘れがたい美味です。

●掬い上げるとこんな♪ 甘くて酸味も効いて、とろりんとした食感も卵の濃厚な味わいもたまらんひと時です。「10個くらい食べたいよね」と、あけ~みと同じことを同時に言います。いつも言ってる。

●デリケートな鴨のフォアグラ・クレーム フィグのジュレ 黒トリュフ、菊芋。トリュフたっぷりのコースの始まりです。クレームにしたフォアグラはわずか火が通った状態です。フォアグラの中にフィグ(いちぢく)の刻んだの、上を覆っているのはフィグのジュで作ったジュレです。白い粒粒は菊芋のピュレです。まず見た目が楽しいし、そして繊細なフォアグラクレームは軽やかで、フィグの香味とよく合ってほんとおいしかった。トリュフの魔法のような香りを楽しみつつ、あっという間にお皿を空に・・・

●ジビエで仕上げたコンソメ ポワヴラード ラヴィオリ トリュフオイルの香り。ジビエ(鹿といのしし)からだしを取ったスープはこしょうが明確に効いています。仕上げにアルマニャックで香り付け。ものすごく美味です。ラヴィオリの中身は鹿といのししの挽肉。トリュフオイルもいい香りを添えます。おだしは強くて深くて癖もありそうなのに、これは輝くような味で、ひどく粋。

●五島列島沖 平目のトロンソン 黒トリュフ キャベツのシトロネル風味 ベーコンが香るエキューム。ひらめの大ぶりな切り身を蒸し焼きにしたもので、骨から旨みが出るから大きな骨も入ったままで。こちらもびっしりの刻みトリュフで香り付けされています。ハーブオイルも香りを添えます。泡泡はミルクで、ベーコンの香りが移されています。

●下に敷かれたキャベツとトリュフを重ねたもののスライス。しっかりした味のひらめを受け止めつつ、これのおかげでお皿全体が優しい印象になっています。

●ビュルゴー家のシャラン鴨 干草の香り ココット密閉焼き ヴァニラ風味のかぼちゃのムースリーヌ 蕪のブレゼ 軽いジュ フォアグラの焼いたのも。まずはココットで焼きあがったものがプレゼンされます。干草が焼けた格別に香ばしい香りです。

●切り分けられて出てきたもの。「シャラン産鴨 canard de challans」ではなく、本当に肉のおいしい、稀少なビュルゴー家の「シャラン鴨 canard challandais」です。干草の香りがまとわりついてたまらんです。ここまで肉質やわらかでしっとり、旨みたっぷりの鴨肉はそんなにないです。これと同じ窒息鴨を使っているお店は他にもあるのだけど、やっぱりお手間とか火の入れ方が全然違うのだと思う。

●お皿の全体。甘いかぼちゃのクレームやらフォアグラなど鴨の引き立て役のはずだけど、それぞれ主張が強いです。蕪も甘み強い。この鴨は今年の鴨料理のベストだったと思う。あけ~みとも、今年一緒に食べた鴨のあれこれを話し合います。大阪「ラ・ベカス」のも、とんでもなくおいしかったよね。など。(毎日食べ歩く中には、ダメ鴨もありました。)いい鴨食べられたから、これを鴨のスタンダードとしてよく覚えておきます。

●料理は終わった・・・と思っていたらまだ出てきて驚いたのが、再度温めてパリパリに焼いたというもも肉のサラダ仕立てでした。食感も香ばしさもコンフィ状です。噛めばじわじわと旨みが広がって、本当に美味でした。

●熟成した農家産 フロマージュ。シャリオで登場、これだけフロマージュを選べます。

●わかりやすく強いのがほしくてロックフォール、ズルズルのはヴァシュランモンドール、そしてこの日のおすすめ、コルス(コルシカ島)の羊フロマージュです。

●この厚切り見てよ。もちろんこれはミモレット好きのあけ~み分です。からすみみたいに見えますね?

●アヴァンアヴァンデセールという感じで登場したのがいちごです。田鶴さんのお正月の幻いちご。普通のいちごの4個分くらい、りんごくらい大きいのです。上賀茂のもの。大口あけてかじるという具合。

●カライブ ショコラキャレ プラリネ エピス。ショコラのアヴァンデセールです。どんなショコラ出してくれるのか? と、何日も前から興味しんしんだったものです。「フランボワーズどっさり添えましょう」と、シェフは事前にわたしが最もダメな組み合わせをありがたくもご提案くださっていたのです。イケズになったね。(-_-;)(-_-;)

●しかし出てきたのはいともシンプルなキャレのショコラでした。ああよかった。食べる前から、これは間違いなくおいしい、これ好きと思います。

●中はこんな。濃い濃い濃いショコラはスパイシーで目が醒めるようでした。ターメリック、クローヴ、カルダモン、コリアンダー、ジンジャーなどのエピス入りとのこと。だから何重にも香ります。これも一生覚えておきます。今年のベストショコラのひとつ。(ベストショコラをあとふたつ挙げちゃうと、「
ル・サルモン・ドール」で先日デセールにあった梨と組み合わせたマルキーズショコラ、それから「
京都ネーゼ」のジェラートとチョコラータカルダ。)

●シャリオでデセールが来ます。シャリオに載せた季節のデセール・フルーツの数々。あとひとつケーキやアイスクリームがずらりと並んだシャリオもあったけど・・・わたしはショコラですでに完璧に満足、他を見る必要がありません。

●せっかくなのでハーブのジュレだけいただきます。アンフュージョンの前にこれで香りを楽しんで・・・

●アンフュージョンと小菓子でおしまい。19時にスタートしてゆっくり食べて、おいとましたのがちょうど24時・・・ほんと楽しみました。1軒でこんなにゆっくりするのはここだけです。わたしにとって京都のフレンチはここの、この人の料理がやっぱりいちばん。よくまあホテルでこのクオリティを維持して進歩を続けるなあと思うのです。さらに学校で教えたり、子供たちに料理教室をしたり、さらにはコンクールに出ていったりと何でもこなされます。そして「ヴィ・ザ・ヴィ」料理教室というのがあるのです! 12月初めに参加したこの料理教室の様子、この後に続きます。↓ここにもうすぐアップ。