
■京都で3店舗ある「ガスパール」、(他に「ガスパール ザンザン」「ガスパール ド ラ ニュイ」)がついに東京進出です。麻布十番にできた新しいビルの4階に入ったのです。店名はガスパール「京都」ではなくて「ガスパール東京」、正式な表記は GASPARD TOKYO なのです。

■8月上旬のまだアホみたいに暑かったある日、試食に伺いました。着いたらちょうどシェフの内野英明さんが外に出ていらしてわかりやすかった♪ まるごと飲食店の今風のビルです。
■内観はこんなです。まったく京都の「ガスパール」と印象が違います。ずっとシックなのです。高級過ぎず、カジュアルすぎない「上質感」を今回は打ち出しているそうです。そしてお料理も、京都のようなプリフィクスコースではなく、おまかせコースで3種類用意されているのです。「ガスパール」=皿からあふれんばかりの大ボリューム、あるいはあまりに充実の千円デジュネというイメージが定着していますが、全然そうじゃないの。今回いただいたのはカフェまで入れてなんと全14皿!のシェフおまかせコース15750円です。繊細な骨太料理、というコンセプトだそうで、伝統と素朴と洗練を併せ持つお料理であると。以下、「
ELLE a table」の編集者・河合知子ちゃんと共に・・・

●アミューズ:ハムのムースを詰めたグジェールとプチトマトのコンポート。グジェールうま・・・
●エシレのバターがこんなにたっぷりと。(もったいないので引っ込めて~!)

●第1の皿・キャヴィア:キャヴィア、穴子、うにのカリフラワーのムース仕立て、トマトのジュレと。粋な前菜です。

●第2の皿・冷前菜:オマール海老とメロンとミント。赤ピーマン風味のヴィネグレットソース。爽快なお皿です。いきなり印象鮮やかに。
●第3の皿・温前菜:鱧のヴァプール赤ワインソースと九条ねぎのバターソース。上には九条ねぎフリット。

●第4の皿・小さなパイ料理:つぶ貝とエスカルゴのパイ包み ブルゴーニュ風と野菜のピクルス。コルニションとキャロットラペが添えられています。
●第5の皿・フォアグラ料理:大根の奈良漬をまとったフォアグラコンフィとマンゴーのシャーベット。これは建仁寺あたりのお店でよく似たお皿があったような。(内野さんいわく、「おいしかったんでマネしました」と屈託なく。)

●第6の皿・野菜料理:水菜、枝豆、万願寺とうがらしとクスクスのガスパール風ガルグイユ。赤いココットで登場してうれしい♪ 蓋を取ったら野菜たくさんでまたうれし。味わい鮮やかです。

●第7の皿・魚料理:あわびとアンディーヴのキャラメリゼ シェリー酒ヴィネガーソース。
●口直しのグラニテ・グレープフルーツのグラニテ エストラゴン風味。

●第8の皿・肉料理:(2種類から選択可)和牛ほほ肉の赤ワイン煮込み。
●第9の皿・ごはん料理:海老の香りいっぱいのソースアケリケーヌとごはん。口でほどける柔らかな赤ワイン煮の煮込みの後に、カレーみたいにソースと楽しむご飯がひと口。ここまででほどよく満腹です。

●第10の皿・アヴァン・デセール:グレープフルーツのプリン。これは「ガスパール」の定番です。煮出してあって、全体がそこはかとなくグレープフルーツの風味なのです。ヴァニラの粒粒がいいなあと思います。

●第11の皿・デセール:桃のコンポートと白ワインのジュレ ミント風味。
●プティフールとカフェで締めです。
●いやー、全く今までの「ガスパール」のイメージと違う、繊細優美なコースでした。優美なだけじゃなくて、それ以上にきっちり食べさせてくれるんだけど。劇場に行くように、座ってすべておまかせでひたすらおしゃべりをしつつ食事を楽しんで3時間ほど、って感じかしらん。京都や京都の素材をものすごく売り物にするでもなく、フレンチとして勝負してゆきたいという意図がよく伝わってくるコースでした。コースは3コース、野菜のディナーコース8400円/ガスパールディナーコース12600円/シェフおまかせコース15750円とあります。フレンチ好きな方、ぜひ訪れてみてください。
「GASPARD TOKYO」 東京都港区麻布十番3-7-4 麻布六堂 4F
電話 03-3453-6445
レストラン 18:00~22:00LO 月曜休み
ワインバー 22:00~翌2:00 日曜、月曜休み
要予約