■久しぶりに訪問した「ケザコ」で、夜の8000円のコースです。
●サーモンのマリネ、山羊のヨーグルトのソース、きゅうりのムース、ナスタチウムの花と葉、加賀太きゅうり。まずぱーっときれいなお皿が来て、「これから食事よ」の気分を盛り上げます。

●ナスタチウムの花はほとんど赤に近いオレンジもあれば・・・一緒に行った「
Leaf」の萩永麻由加ちゃん(今や出世して副編集長です!)のは黄色でした。
●温度差と異なる味わいをひと皿で楽しみます。○トマト、バジル、マスタードの四角いタルトレット(温)の上に、ドライトマトを置き、その上に炙ったまぐろ。○緑のソースが、ルッコラ、水菜、辛子水菜のソース。○グラスに、トマトのソルベ。

●フイユタージュのサクサクな感じ、その上のまぐろの中のレア感、しっかり焼いたドライトマトの鮮烈な酸味と香り・・・すべて完璧のぺき子ちゃんだ。
●トマトのソルベがまた格別でした。冷たくて、ドライトマトとは正反対のトマトの香味が立ち上って、見事過ぎ。

●ステファンのスペシャリテ、定番フォアグラのコンフィ。南国フルーツのソースと。奈良漬で巻いたフォアグラ、これは本当にユニーク。

●焼き茄子の冷たいスープ、激イケです。あぶった鱧、鱧の骨からとっただしのジュレにいり番茶で香り付け、カレーオイルで風味付け、水茄子、紫蘇の花。あぶり風味ばかりで3種類(茄子、鱧、いり番茶)合わせてみたとのこと。
●持ち上げたところなどいろいろ見せたい。ステファンの料理はやたらカット数多く撮ります。だってあちこちから見たいし、きれいから全容を残しておきたいもん。
●しばしば「はよ食べ!」と怒られます。南仏人が「はよ」とか言うのよ。笑うんだけど、当然はよ食べな(-_-;) 上の写真の、ジュレ持ち上げのスプーンにもろカメラが写り込んでいるのはいけないと思います。なのでやり直し。
●魚料理が、すずきのロースト、ブイヤベース風ソース。真っ赤なお皿で出てきました。
●激寄るとこんな。下から、ブイヤベースソース、このソースで煮たじゃがいも、魚介のグラタン、ローストしたトマト、ローストしたすずき、鷹ケ峯唐辛子、ういきょうの花と、上へ上へと積み上げられています。今までのお皿も全部そうですが、これだけハデに味と香りを重ねに重ねて、けれどどれもが破綻なく美味で、飽きさせず、食べ疲れさせないのがすごいです\(゜o゜)/どれもがまったく違う風味を持ち、次の皿への期待を持たせ、そして優しい味わいで・・・さらに洗練度がよりアップしている感じがしました。味が、ばちーーーーーーーーーっと決まっていたのです。
●肉料理は、バームクーヘンを食べて育った幸せな豚。このバームクーヘン豚というのがすごい。「クラブハリエ」のバームクーヘンの、捨ててしまう端を飼料として食べている
蔵尾ポークというのです。知らなかったわわたし\(゜o゜)/

●真空調理法を最大限生かして、繊細な味わいをそのままに全面に出した豚です。きめ細やかでやわらかで、しんじょうみたいな口当たりの豚、火の入れ加減も完璧。そして卵黄とレモンと焦がしバターのソースが絶妙に酸味と風味を添えます。みょうがはシャリシャリと、他と違う超然とした食感を与え、さらにマコモダケが控えています。独自の食感や風味や味わいの大胆な組み合わせの妙にうっとり。やるなあ・・・

●デセールの仕上げを真剣にする様子・・・何かなあと思っていたらこんな。紫色は何に由来しているかというと・・・

●なんと、茄子のコンポートでした。茄子をシロップ煮にして、シロップにはスパイスなどいくつか入っているけれどまあ秘密で、泡泡はパイナップルジュースのムース、黒砂糖のクランブル。茄子はやわらかで味よくしみて、そしてシロップのソルベがきれいな紫です。びっくり。

●小さな焼き菓子とアンフュージョンで締めです。いやもうすごかった。オリジナリテのかたまりで楽しくて、才気に満ちながら、でも決して考え込ませる料理じゃなくて、ぱーっとおいしい。ごぶさたしたことを反省して、あんまりお料理よかったから、わたしやっちゃったわ・・・8月終わりのまだ空席が残っていたある晩の、カウンター全席を借り切りました♪ 大勢で楽しみましょう~!