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2008年3月20日 (木)

■「祇園にしむら」 2008年3月


1a2仕事のロケハンであちこち訪ねて食べ歩く日々です。お庭やしつらいがテーマで、それはそれで新しい発見があって楽しいのだけど、個人的にはひたすら「食べる」に集中したい。つまり絶対間違いなくおいしい割烹へ行きたーい! というわけで昨夏以来のごぶさた、行きたい行きたいと思い続けていた「祇園にしむら」さんへ。まずはお決まりの胡麻豆腐。柚子を散らして、胡麻だれもほのかな酸味がひと皿めにちょうどよくて、「にしむらさんにまた来られたなあ」と安心、幸せな気分に。34aお椀は帆立しんじょう、わかめ、わらび。湯気湯気です。このお椀のおいしさときたら、和食激戦の京都でもそんなに味わえるものではないと思うのです。これはカウンターの他のお客さまとも満場一致。お客さんたち、みんな唸ったのです。しんじょうの口当たりの繊細優美なこと、どうなっているのか? きっと何かテクニックがあるのでしょう・・・56造りは鯛、とろ。280キロのまぐろだそうです。この分厚いこと、こくのあること。そして溶けゆくおいしさ。「まぐろ食べた!」という喜び、いい肉食べに匹敵するというか、「まぐろ食べの喜び」ってあると思う。鯖寿司。定番鯖寿司、まだ千枚漬がのっています。やっぱりきれい。
78あまりに美しい鯖寿司、寄り寄りで。塩加減お酢加減、これ以上もこれ以下もないという、ジャストジャストなもの。厚みもちょうどいい。八寸は、○ほうれん草、わさび菜、せりのお浸し ○赤貝とわけぎのてっぱい ○菜花の胡麻和え、ほたるいか、からすみ、子持ち昆布。春らしい取り合わせ、やっぱり少し日本酒を飲まずにいられません。910鴨ロース(炊きロース)に、水菜とアスパラのサラダ仕立て。鴨のやわらかで優しい口当たり絶妙。焼き物代わりとのこと。鯛の皮の醤油漬け。これはお酒飲みの人にはたまらんおいしさと思います。
1112鯛の昆布締め。これは昆布の香りがびっちりと鯛に移っていて、ねっとりと強烈に美味。天ぷらは白魚、たらの芽、ふきのとう、れんこん。塩で。これも春らしい気分に。1314かに玉。かにも最後です。卵とじで、一見優しそうな風情ですがおだしが旨み強くてクラクラするよう。炊き合わせ。筍、ふき、丸大根、水菜、お揚げ、木の芽。またここでダメ押しみたいにおだしのおいしさを味わえて幸せ、お椀に山盛りの野菜でお料理は締め。1516鮒鮨。ここに至ってまたお酒飲めちゃう。ご飯とお漬物、赤だし。お椀をまずいただいてしまって、1718a19鮒鮨をたたいてもらって、お茶漬け。なんだか犯罪的なおいしさ。デセールは苺にワインジュレ、ヨーグルトソース。最後に、熱湯でざぶざぶ淹れてざぶざぶ飲む玉露。これやみつきにおいしい。お願いしてひと袋売っていただきました。「西村さんのお料理をいただきたい!」と思ったらもういてもたってもいられん状態で、ロケハンの合間を縫って、申し訳ないと思いつつ当日予約でひとりで出かけたのです。期待通りのおいしさ、「やんちゃ坊主」とか「天邪鬼」とか言われてきた人だけど、実は正確無比な料理を作られる方だと思うのです。うれしく思うのはひとり客がいつも他にもいらっしゃることで、この日はわたしを含めて3人。ひとりでも割烹に食べに行きたいっていうのは、料理をめざして行くっていうことだから、「ひとり客のいる/いない」はおいしさを測るひとつのバロメーターにもなると思います。でもひとり客お断りっていうお店もあって、「お相手をしなくちゃと気遣うから」とか、「ひとり客にはヘンな人も中にはいるから」とか、それはそれでわかります。わたし自身は昔から平気でどこでもひとりで出かけてきたので、ほっておいてくれたらひとりで写真撮ったり手帳眺めたり携帯の中身を整理したりして、いくらでも楽しく遊んでいられるのだけど、でも赤い女が目の前でわさわさしててもメーワクですね(-_-;) 「にしむら」さんでは遊ぶヒマもなくどんどん出してくださった上、他のひとり客さんたちとお話もできて楽しかった♪ 「味わう」ために来ていた人たち、食べっぷりよくて、ひと皿ごとに丁寧に感動していて、そんな風に食べることを大事にしている人たちと一緒に時間を共有できてうれしかったのです。
21a22四条でまた四つ葉です♪ けれど・・・またこのナンバー・・・。

2008年3月 20日, dans 京都 和食08前半京都 祇園にしむら |