■12月10日オープン、「じき 宮ざわ」のご紹介 |
■全国100万人の京都好きの読者の皆さま、そして編集者や同業ライターの皆さんにも惜しみなく教えちゃうわよ(大笑い)♪ 12月10日、堺町四条上ル(東側)にオープンした「じき 宮ざわ」は久しぶりのヒットです。次々にできる新店、可能な限り端から出かけていますが、久しぶりに本気でおすすめできる割烹のオープンです。店内は清々しく、お料理は正統派。器もお好きみたい。かわいらしいものがいろいろ出てきて楽しませてくれました。
●蓋を取ると湯気ふわふわのかぶら蒸し、中にぐじです。これがまあ、非の打ちどころのないものでした。ぐじのほくほくな感じ、あんの上品で香りよいこと、かぶらの口当たりのよさ・・・こういうおいしさこそ和食の楽しみ、京都に来てよかった、いまこの瞬間幸せ~♪ と騒ぎたい一品でした。
●聖護院かぶら、海老芋、京菊菜の炊き合わせ。これも湯気湯気熱々状態で供されました。かぶらも海老芋も一生食べていたいほど口当たりよく、あるかなきかのおだしの風味が、それでもちゃーんとしみてて、お、おいひ。こういう精緻な味、本当にすばらしいと思う。こういう味わいにこそ惹かれて、わたし東京暮らしをたたんで京都に来てしまったのです。●まながつおの味噌漬。あと仕事詰まっていたのでお酒飲まずでしたが、これは日本酒が最高に合うはず。ご飯にもいいです~。漬け込んだ味噌は「山利商店」の粒味噌とのことです。
●能登のもずく。極細。酢の物でさっぱりして、●焼き胡麻豆腐はこちらの看板料理にするそう。胡麻豆腐をオーヴン焼きにして熱々にして、はちみつで風味づけしたごまだれをとろりと、そして白胡麻をたっぷりと。スプーンで崩しつつひと口ひと口香りとトロトロの食感を楽しみました。やみつきなおいしさでした。
■以上は夜の基本の7000円のコースでした。連日わたしの夜の予定が詰まってしまっているので、開店2日後、たまたまわたしひとりで貸切状態だったので、お昼に、ちょっと無理をお願いして出していただいたのです。
■「極上」とか「絶品」て言葉、わたし仕事の原稿でもこのサイトでもほとんど使わないのです。そういうハデな言葉をひとつ使っておけば楽ちんだけど、いろいろあれこれ言うのが仕事と思っているし(それでも言葉が足りてないといつも思っている)、簡単に「極上」「絶品」なんて言うべきじゃないと思うから。でも、このお値段で皿に漲る緊張感、最高の状態で食べさせようという気概も感じられて、わたし絶賛モードになったのです。これ「極上」って言えるかもと。(わたしの職業を、ご主人は初めは知らずに作ってくださっていたと思います。)もちろんこれからも2度3度とこちらのお料理をいただいていきます。一度で判断できないはず。とはいうものの、今までの経験からいって、人でもお店でも一度目の印象ってそんなにはずれないから・・・わたしも今後を大いに期待しつつ、まずは自信を持って皆さまにおすすめします。
■ご主人の宮澤政人さんは現在32歳。出張料理専門の「柿傳」でみっちり修業なさって、その後短期間「高台寺和久傳」を経て祇園の寿司割烹(ダイニング?)「間」(←文字違うけれどごめんなさい)にいらしたとのこと。「その最後のお店、ちょっと本来目指しているものと雰囲気が違ったのではない?」なんて伺ってしまったのだけど、そうだったみたい。いったいどこに逸材が隠れているかわからない・・・という例ですね。雰囲気で判断して「まさか」なんて思って、でもそこがすごくいいお料理を出す店と後からわかる、なんてことも時々あります。たとえばまるでカフェ風情の店で本格和食が出てきてびっくりしたりとかね。(祇園に1軒、荒神口に1軒。)素直にただただ日々お料理を謙虚にいただくしかありません。わたしにとって「精進する」ってそれしかない。だいーぶ昔だけど、女性誌の編集者としてクラシックのページをしていた時、執筆をお願いしていた黒田恭一先生に言われたのは、「ただただ聴きなさい、たくさんお聴きなさい、いいものをお聴きなさい」ということでした。その時は考えもしなかったけれど、食専門のライター兼編集者になってしまった今、よくその時の言葉を思い出し、とにかく食体験を積むしかないと思うのです。そして、今のわたしは嘘ではなく、可処分所得のほぼ全部を食べることに使っています。つまり、「食べていくので精一杯」な日々です・・・(-_-;)
「じき 宮ざわ」 京都市中京区堺町通四条上ル八百屋町553-1
電話075-213-1326 12:00~13:30入店、17:30~20:00入店 年内は無休、2008年より水曜休み。昼3500円(+税)、夜7000円(+サ10%)~。
2007年12月 14日, dans 京都 和食07後半 | lien permanent