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2007年9月25日 (火)

■京都ホテルオークラ 「中国料理 桃李」


Tori_2京都ホテルオークラの中国料理「桃李」で、先週の金曜 9月21日から上海花園飯店(オークラガーデンホテル上海)フェアが行われています。上海の5つ星ホテルと称されるオークラガーデンホテル上海(上海花園飯店)の中華料理店「白玉蘭(パイユーラン)」から、弱冠31歳にして厨房長である肖楓(ショウファン)さんを招聘して上海料理を提供するというフェアです。繊細で上品な味わいのお料理をいただけるとのこと・・・お昼にさっそく伺ってみました。
1●大海老(1匹)の炒めXО醤風味 まず大海老でスタートです。プリプリの海老がどーんと一尾、非常に香りよく炒められ、賀茂茄子と合わされています。XO醤で濃いめに味付けされて、インパクトある旨みでうならせます。味の濃い賀茂茄子がしっかりと海老の旨みを受け止めて食感的にもいい調和。京都の食材が中華にまったく違和感なく馴染んでいました。
2●海老の水晶炒め ひと皿めの大海老とは正反対に、今度は真っ白、繊細な味わいを楽しむ海老料理です。こんなに白いから造りにしか見えないのだけど・・・これ、しっかり火が入っているのです。赤くなる部分を取り除き、さらにまだちょっとしたお手間をかけてから炒めるということで、中まで火が入ってお味は薄め、しかし海老の風味は濃厚という、驚きが楽しい一品です。わたしこれ、際限なく食べたいと思いました。
3●肉団子のかにの卵のせスープ上海風 澄んだスープに肉団子と青梗菜というシンプルなものですが、このスープがまずとても美味。鶏や豚肉がベースの基本のスープとのことですが、お団子のおいしさと響き合って優しい味わいです。肉団子は豚と蟹で、ぐいっと噛んだら旨みが広がっておいし~い。赤いのが蟹味噌と蟹の卵で作ったペーストです。こんなおいしいもの、もうどうしましょ~! なんて言ってるうちにぺろりといただいてしまい、だいたいわたし食べるのがえらく早いのですが「早すぎ」と同席者に呆れられ・・・ごめんなさい。写真撮ってメモ取って、それでも大抵誰より早い。右手の骨が折れてて左手で食べている時期でも同様でした。だっておいしいんだもん♪
442●塩漬け卵入り海老と豆腐の煮込み 海老の旨みに柔らかな豆腐がぴたりと添ってたまらない美味です。さらにあひるの卵を塩漬けにしてバラしたものがあんに混ぜ込まれており、ちょっと食感のコントラストとなり、ものすごく風味がいいのです。豆腐はなめらかで京都のお豆腐ならではのおいしさ。繊細優美な中華になっていて、これも胃のスペースを考えないでいいなら、いつまででもいただきたいと思いました。
552●上海風焼きそば 中国醤油とオイスターソースが絡んでやみつきなおいしさです。イカがこんなにたくさん、イカそばか? な感じ。彩り、味わい共に薄めの美しいものが続いた後に、インパクトある焼きそばで締めとなって・・・印象明確、とても満足感のあるお昼となりました。
今回のフェアはコースとアラカルトが用意されています。15000円のコースは昼夜ともに注文可能ですが、ふたり以上で予約を。詳細は以下の通りです。

上海「花園飯店」フェアメニュー 9/21(金)~10/31(水)
(コース)
桃李特製冷菜盛り合わせ
気仙沼産極上ふかのひれの姿煮込み
北京ダックと鱈の香り揚げ
活あわびと季節野菜の炒め
和牛サーロインの中国黒豆味噌炒め
大海老の炒めⅩО醤風味
肉団子のかにの卵のせスープ上海風
干し貝柱入り炒飯
究極の杏仁豆腐
特製月餅
ひとり15,000(17325)円

(アラカルト)
小盆(2~3名用)で、
●大海老(1匹)の炒めXО醤風味  1,500(1,732)円          
●鱈の切り身香り揚げ 2,500(2,887)円
●肉団子のかにの卵のせスープ上海風(1カップ) 2,000(2,310)円    
●活あわびと季節野菜の炒め 6,000(6,930)円
●上海風焼きそば  1,800(2,079)円
●海老の水晶炒め 3,000(3,465)円
●鱈の切り身四川風 3,000(3,465)円
●塩漬け卵入り海老と豆腐の煮込み 3,000(3,465)円
Les_deux料理長の牧 定広(右)さんと、このたび上海から招聘された肖楓さんに食後お目にかかりました。牧さんは祇園の中華料理店を皮切りに、大阪、京都のホテルの中華で着実にキャリアを積んで来られた方です。このたびの上海フェアに当たってはまずご自身で上海に足を運ばれ十分な打ち合わせをなさり、そして肖楓さんがプレゼンなさったお料理に対して、日本人、それも京都での味を考えてアレンジを要求なさったといいます。「塩味も辛さも日本人向けに全体に薄めに?」と伺ったところ、これが反対。むしろ「メリハリをつけること」=味を強くすることを希望したとのこと。これはわたしも少し驚いたのですが、確かにいただいたものがそうでした。豆腐や白い海老の繊細な味わいに対して、ひと皿めの海老や最後の焼きそばは強い味でした。それに「京都は薄味」なわけがないのも周知の事実で、色こそ上品だけれど、おだしの味わいははっきりだとか肉好きだとかラーメンも濃いとか。そういった京都人の味覚の好みもすべて踏まえて中華の味のメリハリも考えておいでなのでしょう。
肖楓さんは日本は初めてとのことでしたが、実は日本に来てみたい中華の料理人はとても多いのだとか。日本人客が多く、いいものを食べ慣れていて舌が肥えている。では日本ではどんな料理を食べられるのか? という興味を自然に持つのだといいます。牧さんも台湾で中華の海鮮料理店にいらして出てきたものが、わさびで食べる日本風の刺身に土鍋で調理されたフカヒレ、そして天ぷらだったので驚いたと。日本の料理も、食べ慣れた日本人も世界的レヴェルだということを、お仕事を通して感じられるとのことでした。
肖楓さんは18歳からオークラガーデンホテル上海にお勤めの生え抜き、31歳です。40人のスタッフの中で、火を使う鍋部門で厨房長というエリートです。とても感じがよくて、牧さんによれば「柔軟に仕事ができて、さすが選ばれて来日したスタッフ」とのこと。明日水曜までいらっしゃいますので、ひと目会いたいという方はどうぞお早めに!
京都ホテルオークラ「桃李」サイトはこちらです。
期間は10月31日まで、フェアの内容はこちらです。

2007年9月 25日, dans 京都 中華 |