■「ケザコ」 2007年9月 |

■東京行きの前に予告した3軒のうちの1軒、「ケザコ」です。わたしは「ケザコ」の、よそにないオリジナリテに今やぞっこんです。フランスになければ東京にもない、京都のステファン・パンテルならではのお料理の楽しさを全国100万人の読者の皆さまにお知らせしたいのです。9月初旬のお昼、せっかくなのでお決まりのデジュネではなく、夜のエスプリも取り入れたおまかせをお願いしました。●鱧焼霜、下に焼き茄子のピュレ、長茄子。真ん中のジュレは鱧の骨を焼いてとっただしで作ったものに、番茶の香りをつけて。カレー風味のオイルでマリネした水茄子に穂紫蘇。ぱっと見て、誰もが「これ和食」と思いますよね。ひと皿に香りがいろいろ・・・番茶、鱧焼霜、カレー、焼き茄子・・・ひと皿めからテンションが高いです。●ぼたん海老の造り、すだちの香りが効いています。鉈豆、青胡桃と。ナスタチウムの花と葉っぱ、さらにヴァニラの風味のオイルが香味を添えて粋です。
●ナスタチウムは彩りを添えるだけでなく、食べられるものです。花も葉も独特の食感と香りです。●鉈豆(なたまめ)は静原のもの。「こんなよ」ってプレゼンしてくれるステファン。熱心に尋ねるのは「トラットリア・ニーノ」の今を時めくシェフ・関俊仁さんです。マダムの春奈さんも一緒に3人で伺ったのです。
●ステファンの定番、フォアグラコンフィ・大根の奈良漬巻き。4種の南国フルーツソースと。「田中長」の奈良漬を食べた時にこれをぱっと思いついたというのです。フォアグラの脂っぽさと奈良漬の発酵した味わいがこんなに合うかというほどよく調和。酸味のソースが彩りと味わいを添えて色っぽいのです。ついでにステファンが好きなのは「田中長」の小茄子のからし漬けとのこと。「ビールと一緒にバクバク食べる♪ ビールのつまみに最高よ♪」と流暢に言いました。
●グラスに、牛テールのコンソメ生姜風味のかき氷に、うに。そこに山芋でとろみを出したヴィシソワーズを注いでくれます。かき氷シャリシャリ、うにねっとり、とろんと口当たりのいい冷たいスープ・・・9月に入ったというのにすごく暑い日でしたから、これは身体にすーっと流れ込んでしみ入るようにさわやかでした。
●そう、ステファンはこんな格好に鮎を揚げちゃったのです。夏のお得意鮎料理、骨はじっくり揚げる。身と内臓はパン粉と牛乳を合わせて、しっとりバター焼きに。下に、じゃがいも、ベーコン、玉ねぎで作ったガレット。緑のソースは松の実、ルッコラ、水菜、からし水菜で。そしてサマートリュフがいい香りです。食感も香りも楽しい名作です。
●仔牛もも肉は中にへしこを巻いてローストしてあります。下に敷いたポレンタは生クリームとバターでなめらかに仕上げています。ジロールのソースと、へしこの骨からとっただしに生クリームを加えたものを泡立てたソース。ジロールと細とうがらし。それにしてもへしこなんて。フランス人が日本の発酵食品をメイン料理のアクセントに使う勇気!
●桃のデセール。生の桃スライスと、白ワイン煮にした桃に、赤い桃(peche de vigne)のジュレ。桃のdeclinaisonですね。ここに貴腐ワインのソルベが高貴な甘みを添えてものすごく成功、レモンコンフィ、バジル細切り、オリーヴオイル。これから桃を見たら一生このデセール思い出します。●ココナッツ入りの一口焼き菓子に、ピスターシュ入りのショコラ。アンフュージョン。どの皿も楽しさと明るさでいっぱい、味はばっちり決まり、ステファンは陽気で笑わせてくれて。これははやります。わたしもここのところ何度も予約が取れない思いをしていて・・・今回は次の予約を入れてきました。ひと月後、秋色の濃いお料理を楽しみに訪れます♪2007年9月 18日, dans 京都 フレンチ | lien permanent





