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2007年9月24日 (月)

■「ヴィ・ザ・ヴィ」 2007年9月


1_2京都ブライトンホテルのフレンチレストラン「ヴィ・ザ・ヴィ」で「パティスリー オ・グルニエ・ドール」の西原金蔵さんご夫妻、企画の林惠子さん、そしていつものあけ~み=稀代のコンシエルジュ・小山明美と共に5人で食事です。この企画は半年くらい前からシェフの滝本将博さんにも知らせずにひそかに進行していたのですが、本当にお忙しい西原さんのスケジュール調整が大変だったり、わたしが7月にダウンして(皆さまに非常にご迷惑をかけて)延期していただいたりして、やっと実現したものなのです。西原さんが製菓長としてミヨネーの「アラン・シャペル」にいらした頃、当時「アラン・パッサール」などフランスで修業中だった、まだ20代だった滝本さんが訪ねたのが始まりということで、おふたりは実は長いお知り合いです。さらに浦安ブライトンホテルに滝本さんがお勤めだった頃に西原さんは浦安住まいでいらしたとか、ところどころ近い時代があったとのこと・・・。
2夜のコース、La magie de l'art  2007 より、アミューズ:白いお皿に、蟹の小さなクロケット、●アラン・パッサール直伝のスペシャリテ、卵のショーフロワ、●グラスにトマトの冷たいスープ、●キュイエールにセップのリゾットをひと口。このひと皿だけでかなりうっとりしましたが、キンゾさんもマダムの純子さんもいらっしゃることだし、あまり騒がず控えめに感動。
3fine lichette de jument de superieure au poivre noir, un jus de vieux vinaigre de modena, parmigiano-reggiano
熊本県産 最上級 雌馬の薄切り 黒胡椒風味 熟成モデナ・ヴィネガーのジュ  パルミジャーノ・レッジャーノ 
雌の馬肉をごく薄切りにしてあり、表面を軽く炙ったもの。薄切りで食感よく口に入れるなり溶けるようで、胡椒やらヴィネガーやらパルミジャーノやらの香りが絶妙に馬肉の甘みを際立てて、繊細でありながらパワフルな旨さにいきなり倒れそうに。
45bouillon de tortue a l'armagnac, sur creme de shitake a la truffe d'automne
滋賀県・湖北産 鼈の軽いブイヨン・スープ 原木椎茸のロワイヤル風  秋トリュフの香り
 椎茸の香り高いロワイヤル(=茶碗蒸し風)に、目の前ですっぽんのスープを注いでくださるのです。椎茸がこんなに香味共に強いか(セップにもポルチーニにも松茸にも負けない)と思い、トリュフやすっぽんだしの味と香りにも魅せられてもうフラフラ状態・・・秋らしい味わいを満喫しました。
6langoustines d'owase roties aux epices en courgette,une tomate confite a l'huile d'argan
三重県・尾鷲沖で水揚げされた 赤座海老  ズッキーニ巻き  エピス風味 丸ごとトマト・コンフィ アルガン・オイルの香り
 赤座海老とズッキーニがこんなによく合うとは。爪の部分はフリットでさくっと。トマトの酸味が効いて粋。ソースは赤いのがトマト、泡がラングスティーヌ、緑がズッキーニ。アルガンオイルが風味を添えて、絶妙なバランス。調和よく品よく、けれど強い印象を残したひと皿です。
7pigeonneau du pay de racan et foie gras en habit vert, brochette avec ses abats et cuisse confite-poele, un jus liee au sang
ラカン村産 仔鳩胸肉とフォアグラ・キノコのアビ・ヴェール アバのブロシェット 腿肉コンフィ-ポアレ ソースオーサン 
仔鳩の、胸肉はフォアグラと共にほうれん草で包まれて、もも肉はコンフィで骨までしゃぶって美味、アバ(内臓)はタイムの枝でブロシェットにされていておしゃれ。セップ茸とかぼちゃのピュレが添えられて皿の中で秋らしい味わいのリズムを作ります。ソースは強い味わい、フレンチを食べているぞ~! と口の中が大喜びしてはしゃぎそう。京都に来て、今さらながらわたしフランス料理が好き・・・この魅力は圧倒的。
89fromages fermiers 熟成した農家産フロマージュ 20種類ほどが常時揃い、食べ頃のいい状態のものがシャリオでサーヴィスされます。これ見るだけでも至福なのだけど、ここまででかなりお腹はいっぱいです。わたしはがいただいたのは、お約束ずりずりエポワス、ブルーはフルム・ダンベール、山羊はサント・モール。全部おいしい、ポルトが合いすぎるほど合います。
10111213ここまでおまかせで合わせていただいたシャンパーニュ~白ワイン~赤ワイン~ポルト。




14_2variation autour des marrons 栗色のヴァリアシオン アヴァン・デセールのはずだけど・・・とてもアヴァンとは思えぬしっかりしたもの。春にいただいたいちごの declinaison デクリネゾンを思い出させる、栗をさまざまな味わいで楽しむデセールです。モンブラン、オペラ、エクレアと栗の香りを堪能しました。
15_3西原さんにデセールをお出しするとなれば、滝本さんたる方でもきっと緊張されたと思うのです。でもキンゾさんはいつも通りにこにこと召し上がってくださって・・・わたしも少し安心。

17_320_2                                                                                                                                  choix de desserts en chariot
シャリオに載せた季節のデセール・フルーツの数々・・・

先の栗のお皿はやっぱり「アヴァン」だったようで、まだシャリオでデセールがあったのです。タルトもムースもずらりと並んで、定番以外は秋色の濃いものがいくつか。わたしはガトーショコラ、ハーブのジュレ、ピスターシュのアイスクリームをいただきました。
21_223食後のハーブティとなって、滝本さんも出ていらして一緒に。フランス時代の話、キンゾさんのお店のことお教室のこと、そして滝本さんが来週出発なさる国際料理コンクール「クレムリンカップ」のことなど尽きることなく伺って深夜に及んだのでした。レヴェルの高いお料理に、キンゾさんと純子さんの楽しいお話たくさん・・・夢のような時間を過ごしました。皆さまに心から感謝。

2007年9月 24日, dans 京都 フレンチ京都 ホテル |