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2007年8月19日 (日)

■京都ホテルオークラ「ピトレスク」のエデュク ヴァン


Top京都ホテルオークラのフレンチレストラン「ピトレスク」で、月に一度、ランチ付きのワイン講座、「エデュク ヴァン」が開催されています。毎回ひとつのテーマに基づいて、関西を代表する名ソムリエでいらっしゃる西別當 選さんの軽妙にして大変に勉強になるお話を伺いつつワインをいただき、そしてシェフ玉垣雄一郎さん(2006年11月にご紹介)によるお料理を楽しむという、とても価値あるものです。この「エデュク ヴァン」は人気ですでに5年目になるもので、ちなみに今年の1月~7月までのテーマは以下の通りです。 ●ワインに幸せのカラーを探して ●ワインは香りもセラピーだ! ●ロワールの物語 ●「気泡」のミステリー ●フランスよりも旨い! ●イタリアワインは口説き上手 ●誠実なドイツの魅力。 タイトルからも、楽しさが伝わってきますよね。わたしは今回、8月のテーマ「ブルゴーニュに惚れ直す」の回に参加させていただきました。
1_22_23_24テーブルにはメニューが用意され、いただくワインとお料理を想像していきなりうれしくなります。カトラリーと同等に鉛筆も用意されています。西別當さんがまずざっとブルゴーニュワインについてお話しなさり、コースの間もずっとワインの解説をしてくださいます。にこやかに感じよく場を盛り上げられて、ワインもずっとおいしくいただけるわけです。テクストも用意されており、初心者にもよくわかるとてもきちんとしたものです。
11_412_413141521_222_2最初のワイン、Louis Bouillet Perle de Vigneが注がれます。こちらは発泡性白ワイン、ブルゴーニュのスパークリングワインです。シャンパーニュと言われてもそのまま信じて飲みそうです。細かい気泡で優美な口当たり、いい香り。でもシャンパーニュに較べると実はリーズナブルなのだとか。アミューズに●もち豚のパテ、パイ生地で巻かれたもの。ソースは赤すぐり、色鮮やかでほどよい酸味がパテとよく合っていました。発泡性白ワインのアーモンドやトースト香と、パイ生地の香りが響き合っていました。●次の白ワイン、Meursault  Albert Grivault 2002が注がれて、●安曇川で育った鮎と夏野菜のカネロニ仕立て  トウモロコシのソルベ添えと共にいただきます。とても香りのいいワインです。ただ軽やかなだけでなく、ニュアンスのある深い香り(解説には「アプリコットを思わせる甘い香りや白いキノコのブーケ」)です。非常に美しい味のワインに、鮎を使ったソースや鮎のコンソメゼリーが決まったカネロニ(中に夏野菜がいろいろ仕込まれています)が絶妙に調和していました。きゅうりの涼しい香味ととうもろこしソルベの甘みが味わいを添えて、聡明といった感じのひと皿に仕上がっていたと思います。続いて魚料理、●ビワマスのポワレ 山科茄子の新生姜風味 ポルチーニのエスプーマソースが供されました。この焼き加減が完璧で、(写真で見えるかしらん?)皮目の香ばしいこと、身のふっくら柔らかいこと。生姜風味の茄子、そこにポルチーニってどんな味? とちょっと想像できなかったのですが、不思議にバランスのとれた美味なものでした。いや~おいしかった! ●パンもまたおいしいのです。
31_232_233赤ワイン、Pommard Jarolieres  La Pousse d'Or 1994 が注がれ、肉料理が供されます。●国産牛ホホ肉のエストファード ジロール茸とササゲの煮込み 白いんげん豆のピュレ添え このワインは普通のルビー色ではなく少しオレンジがかっていて、赤い木の実の香り・・・そしてとても熟成した香りを放ちつつ、ピュアな果実味を感じさせてくれました。苦味と渋みも味にニュアンスを与えているのです。ホホ肉のエストファードは低温でじっくり煮込んだもので、どれほどじっくりかというと、「100分グリヤード」よりまだもっと驚く「72時間煮込み」だそうで、1日12時間、6日間じわじわと火を入れたものだとのこと・・・まあ本当に柔らかいです。ナイフも必要ないくらい。お箸を入れただけでほどけるような感じです。香りも旨みも残したままでこんな食感! 白いんげん豆のピュレが優しく旨みを受け止めて、オリーヴやパリパリのバジルがアクセントになり、完成度の高いお皿でした。ワインともとんでもなく調和していて、おいしさのあまり押し黙ってしまいました。すべてを忘れ、「後は野となれ」状態。
41_242_2デセールに、青りんごのクリスタリーヌ ヴェルヴェーヌの香り。爽やかなグラスデセールで締めくくり。りんごの香りが今までのワインの香りと匹敵するくらいに芳しく、最後まで美しいお味。完璧なコースでした。
51_252_2カフェかお茶かを選べてわたしはカモミーユのアンフュージョン。はちみつも添えられます。添えられる小菓子がまた粋でした。
なんともすてきなお昼のひと時、ただお食事に出かけるよりも数段お得で楽しい「エデュク ヴァン」でした。「エデュク ヴァン」は毎月第2水曜日の11:30~、定員はおよそ20名ほど。お値段はひとり11550円です。来月からのテーマは以下の通りです。
●9月12日 ボルドーの人となる 
●10月10日 岩と要塞のコートデュローヌ
●11月14日 熟成の価値とは?
予約は京都ホテルオークラ「ピトレスク」 075-254-2535へ。サイトはこちらです。

2007年8月 19日, dans 京都 フレンチ |