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2007年6月26日 (火)

■「甘楽 花子(はなご)」でお茶とお菓子


1_3402_3263_265烏丸丸太町交差点、南東角にある「甘楽 花子(はなご)」は「京華堂利保」さんの次男であられる内藤豪剛さんのお店です。あまりにわかりやすい場所にあり前を何度も通りながら、今まで入っていただいてみようとしなかったのは怠慢というものでした。こんなおいしいお菓子を見逃していたなんて、いかんぞ京都偏愛エディター&ライターのわたし。写真のお菓子は何度かに分けていただいたものですが、上左から、香りのいい抹茶がはらはらかかったこし餡入りのお餅「宇治山」、水色のきんとんに葛が包まれているのは「清泉」、そしてピンク色が外側葛で包まれた「水ぼたん」、中のこし餡のなめらかできめ細やかなこと、口の中ですべるように溶けていくのです。製餡から手をかけられ、品格があり銘も美しい生菓子はすべてひとつ347円です。
11_21012_20313_135お茶に合うように作られているお菓子ですから、お菓子のクオリティに合ういいお茶といただくのが正しい味わい方です。店内では抹茶や煎茶とのセットでいただけます(683円)。お抹茶が「和の昔」、香りを保つように淹れる直前までパック状態で供されるお煎茶が「芳泉」、いずれも「一保堂茶舗」のものです。
21_12122_101わたしに「ぜひ一度行ってください」とこのお店を強く薦めたのはなんとブランジュリ「ル・プチメック」西山逸成、京都を代表するフランスかぶれです。だいたいにおいてフレンチの人っておかしいのだ。あんこが嫌い(でも栗のペーストは好き)とか漬物食べない(でも同じ発酵もののフロマージュは好き)とか、わたしの親しいフレンチ関係の人たちはこんな人ばかりで、西山逸成もそのひとり。味がわかるやつなのに、絶対にあんこが嫌い、和菓子は食べないといってきかなかったのに・・・その彼が薦めたのです。これは革命みたいなことだと即訪れて、本当にいいお菓子に出会えました。非常に正統な和菓子の風情でありつつ、ところどころ、オリジナルな工夫を感じさせるのもすてきです。もの静かな様子のご主人ですが、お話しを始められると尽きず、お付き合いの非常な幅の広さもうかがえました。テーブル席を設けたのもお客さまとお話ができるようにしたかったから、とおっしゃるのです。厨房との仕切りもガラス張りでした。お菓子は発送なし、よそに出店もなしで、本当にご主人が作れる分だけの製造販売というお商売ですから、ぜひお店へ。持ち歩きやすい「京の辻餅」といった箱入りのおみやげもあります。
「甘楽 花子(はなご)」 〒604-0861 京都市中京区烏丸丸太町下ル東側 大倉町206 電話075-222-0080 9:00~19:00 不定休 

2007年6月 26日, dans 京都 和菓子 |