◎テクストや写真の無断での転用・転載・まる写しは 
ご遠慮いただきますようお願い申し上げます。

◎写真はクリックしていただければ拡大サイズで表示されます。
◎タイトルの前の記号: ■=京都 ●=東京 ★=その他の話題

« ■「リストランテ キメラ」で初ディナー | トップページ | ■「上賀茂秋山」へ女王たちと »

2007年6月20日 (水)

■「啐啄つか本」へフランスかぶれと共に


1_3353_2622_320「来週くらい行こうか?」なんて思い立って出かけることが不可能になってしまった和食2軒を今日、明日と載せます。本来2ヶ月も3ヶ月も先の食事の予約をするなんてこと自体がおかし~い! というのもひとつの意見だけど、オペラと同じです。前もって席を確保して期待してその日を待つっていう、全く別の楽しみなのだから。それにしても後で話題沸騰となるお店との出会いを思い返すと、必ず初回で疑いなく感動しています。一抹の余念もなく、「わーっ、すばらしい!」って絶賛モードになっているのです。わたしは確かに感激しやすい性質ではあるけれど、お店選びに関してはかなり正しく感激していると思っています。で、初回に一抹二抹の「?」があって、後から認識新たに感激するってことは・・・まずないです。
先日のある晩、随分前から予約していた「啐啄つか本」へ、久しぶりに一緒にごはん、フランスかぶれ「ル・プチメック」の西山逸成と。この人は和菓子嫌い、和食も興味ないという人だったのに、「つか本」さんで和食のおいしさを知ってしまったというのです。写真のお料理はコースからの抜粋です。これにご飯やらおしのぎやらがまだ3品ほど付いています。●天然車海老、白と緑のアスパラガス、海老の頭のだしジュレが香りとさわやかな食感を添えます。 ●お椀は揚げた伊勢海老しんじょう、非常に香りよし。 
4_2046_1505_171●小浜の生牡蠣にうに、すだちジュレ。ここで「後は野となれ」、野になりました。 ●鱧はさっと炭火焼にして塩とすだちで。ポン酢よりもシンプルに塩で。鱧は焼くのがいちばんおいしいよ~♪ ●開店してまる4年。非常な人気店となりましたが慢心することなく真摯に料理に取り組む塚本英雄さん。当初から変わることなくひとりですべての仕事をこなしていらっしゃいます。

7_1348_1129_101●賀茂茄子の蒸し煮、白味噌とろんと。そんなに飲んでないのに酔っ払い状態に。●鱧と生海苔の玉子とじ、新ごぼうと新玉ねぎが旨みを添えて・・・圧倒的美味。●宮崎マンゴー、うっとり甘くて陶酔的なおいしさでした。西山逸成は常に仕事のことが頭から離れないのです。和食のカウンターに座ろうが、横でうわごとのようにしゃべり続けるているのです。「サレ、塩漬けの豚、豚足でジャンボンペルシ、カップでデセールやります、350円ですよ、レストランでアシエットデセールやってた子が350円で考えるんですよ。サンドイッチはブリオッシュ使ったらリッチな風味でしょ、デリでも仔羊を。ナヴァランを。いやもちろん食パンだけじゃなくて今までのパンも置きますよ。クロワッサンもね? アンチョビの。」って、ずっとこんな調子だ。まったく料理人の人たちって、ほんと私生活ないだろうよといつも思うのです。(-_-;) わたし自身が、仕事をする以上は24時間営業は当然と覚悟を決めているから、こういう人たちのこともわかる。まして同じく偏愛する京都で共にフランスを偏愛しているのだから、いくらでも話を聞いて楽しいと思えます。しかし目の前の料理は和食だよ~! ・・・でも大丈夫でした。この晩も、変わらずこの人の頭から仕事が離れなかったというのに、コースが進むほどに目の前のおいしさに心を奪われていったみたい。「おいしいですね、うまいですね」ってだんだんにお料理に集中して楽しみました。
西山逸成の新しいお店「ル・プチメック」2号店は、御池衣棚上ルの西側に来月オープン。パンは初の試みとして食パンを何種類も揃え、さらにデリを充実させるとのこと。もともと料理をめざした人ですから、今の今出川智恵光院のブランジュリでもカスクルートの具材まで全部丁寧に作っていて・・・そりゃあ寝るヒマあるわけないわなあという仕事ぶりです。工事は順調に進んでいるとのことです。今の赤い「ル・プチメック」に対して・・・反対色になるみたい。洛中にまたフランス組が進出、がんばれ~~! わたしは無条件にうれしいです。

2007年6月 20日, dans 京都 和食07前半 |