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2007年5月12日 (土)

■京都ブライトンホテル 「ヴィ・ザ・ヴィ」


1_2962_2893_2374_188Bandage_rouge_2一昨日、京都ブライトンホテルの「フェリエ」のお子さまランチに大感動した話をしましたが、「まだまだそんなどころじゃあないのよ~」 とわたしは叫びます。4月23日に予告記事を出した、同じく京都ブライトンホテルのフランス料理「ヴィ・ザ・ヴィ」の話をします。「ヴィ・ザ・ヴィ」はフレンチレストランといいながら、たった10席、ホテルのレストランとは思えぬこぢんまりした規模で、テラスレストランの「フェリエ」に併設された小さなお部屋という風情です。「フェリエ」のシェフである滝本将博さんは同時に「ヴィ・ザ・ヴィ」の料理長でもあり、つまりホテルのコーヒーショップの料理・・・朝食から昼も夜も全部料理を見て、同時に3つ星クラスの料理をなさり、さらにルームサーヴィスの責任者でもあり、という超人的な仕事をしておられます。そしてこれら違う種類の仕事を同時に進めることを「苦にならない」とおっしゃいます。それだけでもよくまあ激務をこなされると思うのですが、さらに嬉々として大原の朝市にいらしたり、もっと遠く、福井まで食材を仕入れに出かけられたりと、本当に好きで仕事をしていらっしゃる様子です。どんな仕事でも、本気でやれば絶対に24時間営業になっちゃうもんだと思いますが、(仮に眠っていても気持ちは常に仕事に向かっているし、)それにしても、こんな風に実働で朝から夜中まで頑張られ、人を幸せにする人を、本当にあり得ないすごさだとわたしは尊敬するのです。
わたしはこの頃、骨折人生の真っ只中にいましたが、友達が白い包帯を染めて真っ赤にしてプレゼントしてくれたり、この晩また別の友人がこうして集まって一緒に夕食できたりと、とても恵まれた日々でした。さらに久しぶりにきちんと「ヴィ・ザ・ヴィ」でいただけることがひどくうれしかったのです。昨年の初秋からいったい何度予約をお願いしては「満席」「キャンセル待ち」と言われたことでしょう。10席の垂涎のテーブルに、この晩やっとたどり着けたのです。
11_186アミューズ3種類。手前から椎茸のロワイヤル、卵のショーフロワ、ドンブのかえるのフリット。グラスに入ったフラン状の椎茸の香りのいいこと。卵のショーフロワは滝本さんがパリでの修業先から持って帰られた定番スペシャリテです。なめらかでほのかな甘みがたまらない魅力です。どうぞ一度は食べてみてくださいね。そしてかえるのフリットは外側さくっと、身は淡白なうまみです。以上ふわふわ、トロトロ、さくっと、異なる食感と香りとおいしさで、もうすっかり楽しい気分です。この後どんなお皿が続くのか?
21_10022_86五島列島沖一本釣り桜鯛とアトランティックサーモン 白板昆布  ミルフイユ仕立て  イラン産オセトラ・キャヴィア/赤雲丹/胡瓜のテクスチャー。昆布締めされた桜鯛とサーモンが精緻に層をなしています。細かく刻まれたきゅうりやキャヴィアが食感と香りのアクセントになり、実に美しく、海の香りをそのままいただく繊細美味なお皿です。
31_7432_59クローシュが取られるなり鮮やかな色合いに目の覚める思いです。ランド産 極太白アスパラガス 塚原産朝掘り筍 炭火焼風 鴨のフォアグラ ポアレ 上賀茂産 新玉ねぎ和え。ブナチップで焼かれたものすごく香ばしいアスパラガスと筍。これだけでとんでもなく美味なのだけど、フォアグラがこくを添え、玉ねぎや野生のクレソンの香味がニュアンスを与えています。口の中がめちゃくちゃに幸せになりました。
41_2742_25三重県・尾鷲沖 赤座海老ロティ ヴァニラが香るココナッツの軽いクレーム 青アスパラガスの穂先 モリーユ茸 アルジャントゥイユ風。 ラングスティーヌのロティで十分すぎるおいしさ、でもココナッツのふわりと軽く甘いソースが粋に合わせられ、アスパラガスはすーっと歯の入る柔らかさ、モリーユはじんわり噛んで味が広がりいい香り。食感、色合い、香り、味と、多くの要素が盛り込まれつつすべてがバランスよく響き合い、ただ美味にクラクラし、他のあらゆることを忘れていました。後は野となれ~!
51_1452_1353_854_455_2ポワティエ産ラプロー 背肉とフォアグラ ベーコン巻きグリヤード 腿肉トマトブレゼ エクルヴィス添え”マレンゴ村のイメージ”。最後のひと皿、強烈な印象を残したメインのお皿です。仔うさぎの淡白美味な味わいをフォアグラと合わせてあります。断面写真も添えます。いつもの低温グリヤード、素材にストレスを与えないようゆっくりゆっくり火を入れられたものです。さらにパリパリ春巻き状の中に腿肉が仕込まれ、同時にエクルヴィス=ざりがにの強い味もひと皿に。これらが全体にトマトの香味できちんとトータリテを持って収まっているのです。非常に手をかけられたお皿です。ここまでに飲んだワイン。わたしはこの時アルコールはダメだったから、いい子にグラスに1杯ずつです。それから、特筆したいことは、ここまでのお料理のすべて、わたしが右手が使えないからナイフを使わないでいいように、全部ひと口大に包丁が入っているのですが、(つまり実はバラバラ状態、)それを感じさせない美麗さでした。心遣いにとても感謝しました。
61_562_563_5熟成した農家産フロマージュ。これだけたくさん用意されています。いただいたのは3種類でしたがどれも非常に状態がよかったです。ずりずりのエポワスがわたしは本当に好きです。他にロックフォールとシェーヴルのチーズをドライフルーツと。
71_372_373_274_275_176_177アヴァンデセールに軽い軽いダコワーズ生地のフレジエ、そしてストローでちゅっと飲める状態のいちごはシナモンやクローヴのエクゾティックな香りがします。同席の、出たがりあけ~み=京都ブライトンホテル・稀代のコンシエルジュ小山明美がちゃっかり写り込んでいます。この宇宙人あけ~みの他に、ふたりのおねえさんが同席しているのです。宇宙人の母代理・企画広報の林惠子さん、リビング京都の編集長にして京都が誇る買い物の女王・藤田晶子さん。女ばかりのテーブルです。シャリオでデセールが運ばれて、わたしはクレーム・カラメルと、ショコラとピスターシュのムースをひと口。ハーブティに、小さなお菓子で非常に充実したコースも終わりです。どの皿もしっかりしたお料理だったのに、後味は軽やかでした。京都だからといって和食にばかりうつつを抜かさず、まじめにまた味わいに来ますと決めたのでした。
Takki_2滝本将博さんが仕事していらっしゃるところ、これは別の日、取材時に撮らせていただいたものです。肉を大切に焼かれる現場を見せていただいたのです。だいたいわたしはこの人があまりにいい方なんで、気安く夜中にカレーそばを食べさせたりみりんを飲ませたりして、(昨年11月頃にあります。ヒマな人は探してね)ふざけておったかもしれん・・・と反省しました。全く群を抜いた方だと改めて思ったのでした <(_ _)>

Visavis「ヴィ・ザ・ヴィ」 京都市上京区新町通中立売 京都ブライトンホテル 電話 075-441-4411 昼は6名以上の予約で営業 夜は17:00~21:30LO 無休 要予約 昼6500円~、夜13000円、15000円(税サ別)


「のぞみ」に乗って京都へ行きましょう!

2007年5月 12日, dans 京都 フレンチ京都 ホテル |