
■発売中の「
料理通信」、「食の道具は美しい」というページで、染色家の吉岡幸雄さんにインタヴューさせていただいています。洛中から車で40分ほどの伏見の広い工房へ伺ったのは、ある盛夏の朝、この世には蝉の声しか聞こえないというような日のことでした。風情あるお宅、蚊取り線香と染料の匂いの中で、長年愛用されてきた器や土鍋を撮影させていただき、お話を伺ったのでした。器との出会いや器へのお気持ち、器に込めらている精神性などをお話いただきました。すべては「用の美」、決して器をしまい込んだり飾るためだけに使うことはないということで、大らかな気持ちで器を愛していらっしゃるのがよくわかりました。大きな声で言えないけれど、京都が好き、食が専門と言いつつ器について何も知らないアホなライターのわたしに、にこやかにそれは丁寧にお話しいただき、感謝の気持ちでいっぱいになりました。仕事だからこそこんな方にお目にかかることができて、本当にありがたいことです。吉岡さんは祇園・新門前通だけでなく、東京・銀座にもお店を出していらっしゃいます。データは吉岡さんの美しいHP「
紫のゆかり」をご覧ください。
■「
WaSaBi」という本が、このごろとてもきれいで頑張っていらっしゃるなと思っておりました。コンスタントに京都の情報も掲載されています。編集長の中原ひでこさんに初めてお目にかかったのは7月半ばのこと。いきなり「わたしヒマです仕事します」と言ったアホアホなライターのわたしに、広い心ですぐに小さなお店紹介をさせてくださいました。本当にありがたく思います。京都の新店を、ということで、「小豆家 うさぎ亭」を掲載させていただきました。開店当初、「うさぎ亭」さんは甘味喫茶でいくのかな? と思っていたのでこの時点ではあんみつの話ばかり書いておりますが、メニューはその後増えて、自家製ケーキやアイスクリームもおいしいし、このごろはランチに非常に力を入れていらっしゃいます。その話はまた改めていたしましょう。この後もまた「WaSaBi」で仕事をさせていただいています。編集者の方がとてもしっかりしていらして仕事がやりやすくて助かっています。
■小学館の「
Domani」の付録・「紅葉色づく宿」中、お料理のおいしい「秋を楽しむ滋味の宿」の中で、料理旅館の「
近又」さんを推薦させていただいています。こちらは食事だけでも伺うことができます。とりわけ巻きたてのほわほわのだし巻きをいただける朝食がわたしは大好きです。ご主人の鵜飼治二さんは志の高い方です。細部にいたるまで手入れをされて、古くからの意匠を大切にしていらっしゃいます。洛中にあってしっとりすてきな旅館です。