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2006年6月22日 (木)

■祇園花霞


「祇園花霞」です。今京都で最高のお店の1軒です。お店自体は以前からありましたが、2004年の10月にリニューアルして今の末友久史さんが料理長になられました。オーナーの方は、一品料理がいろいろあってお酒が飲めて、というようなお店をイメージしていらしたようなのですが、末友さんは祇園の一流料亭のご出身。初めは一品も用意するフリをしながらだんだんお得意のコース料理に持って行ってしまったようです。そのコースがまたとてつもなく華やかで起承転結、オペラのような盛り上がりがあり非常に楽しめる。32歳の若い料理長が、こんなに一生懸命に京都の料理の世界を継承し日々新たな試みに挑み客を喜ばせるという姿勢に、わたしはメロメロに感激してしまうのです。お昼4500円のお得さも驚くべきものですが、夜のコースの手の込んだ美しさ、力のみなぎったおいしさも是非とも今味わっていただきたい。今回いただいたのは15000円の夜のコースで、カウンター割烹の料理というよりは、料亭料理がカウンター上に並んだという感じでした。
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●小皿に盛られた先付の皿がずらりと、氷の上にふたり分載せられてきます。あじさいがあしらわれて季節感の演出も見事です。●水無月。胡麻豆腐です。松葉にいわなし。●車海老をキウイソースで ●うすいえんどうのすり流し 生うに、梅肉、おかひじきの天ぷらをあしらいに。●蛸の柔らか煮、ジュレと ●じゅんさいと海藤花(海藻)●海老の頭をパリパリに揚げたもの ●お椀は牡丹のように開いた鱧と白うり、煮梅、実柚子。蝶の形はかぼちゃ。 ●造り:鯛、とろ、あおりいか。あしらいに透明の、おこのりという海藻と。手前のかぶらは大原でこの日の朝仕入れたもの。上の緑色のものはカリカリして非常に香りのいい大根の種。●手打ちとろろ蕎麦 ●はと(黒むつ)山椒焼き、やまぶきと ●山椒鍋。牛ロース肉、筍、クレソン、みょうが、花山椒。しんそこおいしかった! 絶妙な組み合わせ!! ●酒肴3種が青竹に載って、●大原のにんじんと新じゃがの揚げたのに黄身酢 ●飛魚の新海苔親子和え ●青梅甲州煮 ●水茄子など夏らしい漬物が供されて・・・●土鍋でご飯! ●生姜ご飯 ●さつま芋の味噌汁 ●楕円に作ったはちみつゼリーの中にキャラメルとアーモンドのアイスクリーム、わらび餅。
以上のコースにお酒を2種類1合ずついただいて18000円でした。わたしのミニ自慢は、このお店、誰よりも早く雑誌に掲載させていただいたということです。ある日「千ひろ」さんの取材の帰り、まだリニューアル工事中だったところを、何か違う輝きを感じたので勝手に入っていって「いつオープンなさるのですか? どんなお店になるのですか?」と忙しく開店準備をする末友さんにほとんど詰め寄って尋ねた(えらい迷惑やったろう、)というのが始まりです。出身のお店を伺ってこれは確か! と確信し、工事現場から「あまから手帖」編集部に電話をし、その時進行中だった京都特集号にぎりぎり間に合ってページを取っていただいたのでした。それからあれよあれよという間に有名人気店になり、わたしが取材しないでも絶対に有名になったお店だけれど、でもこれはジャーナリストとしてはめちゃくちゃにうれしい例です。ミニ自慢といいつつ、激しく自慢・・・すみません。それ以来時々お邪魔させていただきますが、伺うたびに間違いなく感動させてくれて、一緒に行く人も喜んでくれます。京都は都、京都の料理は絶対大丈夫と確信させてくれる、本当にいいお店です。
「祇園花霞」 京都市東山区祇園町北側279-13(14番路地、「千ひろ」さんの斜め前) 電話075-525-2726 11:30~14:00入店、17:30~22:00入店 不定休。要予約。

2006年6月 22日, dans 京都 和食06前半 |