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2006年5月 9日 (火)

■オ・タン・ペルデュ Au Temps Perdu


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京都・岡崎にある「オ・タン・ペルデュ Au Temps  Perdu」という名の、フランス惣菜店&サロンドテです。レストラン「ベルクール」の経営です。この店名を聞いて、フランス文学好きなら即思い出すのがプルーストです。『失われた時を求めて A la recherche du temps perdu 』。親友のひとりは「よっぽどフランス好きじゃないと、オ・タン・ペルデュなんて店名すぐ覚えられないよ~」と言っていましたが、フランス好きにはちょっとたまらない名前です。話がちょっと飛びますが、違う友人としばらく前に銀座のコリドー街を歩いている時に、「ル・シズィエム・サンスなんて、よっぽどフランス語が好きな人じゃないとすぐに覚えられるわけがない!」って同じようなこと言われて、このお店のことを思い出したものです。
で、「オ・タン・ペルデュ」は、持ち帰りできるサラダやパテやキッシュなどお惣菜がさまざま揃っていて、店内のサロンでもいただけます。ほんと粋です。お味もフランスそのものです。おみやげ用にマドレーヌがあるのがさすがなのですが、一度木箱入りを買って帰って箱を開いたら、どどーっと感動してしまいました。なんと、ハーブティ入りなのです。それも本の中に出てくるティユール(菩提樹)。本当にちゃんと原作を尊重してこの店名をつけられたんですね・・・。すごい。本の中で、作者がマドレーヌをお茶に浸して食べた時に記憶がよみがえる場面、わたしはあまりにも好きな一節なので暗記をしているほどです。
Et tout d'un coup le souvenir m'est apparu. Ce gout c'etait celui de petit morceau de madeleine que le dimanche matin a Combray (parce que ce jour-la je ne sortais pas avant l'heure de la messe), quand j'allais lui dire bonjour dans sa chambre, ma tante Leonie m'offrait apres l'avoir trempe dans son infusion de the ou  de tilleul.
いまガリマール版も出して念のためこの部分を確認しました。アクサンがつけられなくてごめんなさい。叔母さんのレオニーが「マドレーヌをお茶に浸してからくれた」ということを思い出す場面がここで、お茶というのは tilleul(ティユール=菩提樹)のアンフュージョン(ハーブティ)。これを踏まえられた上での、このマドレーヌセットなわけですね。
2_3Boite_en_boisマドレーヌは焼き色も美しく、古典的なお味です。木箱がまたすてきです。コメルシー風マドレーヌと風情ある文字で描かれています。マドレーヌ6個とお茶入りで1000円。店内ではお茶だけの利用も可能で、お茶は500円です。ハッデーな平安神宮の鳥居(大好き!)や美術館からもすぐ近く、樹の美しい青蓮院へもお散歩可能。京都らしい華麗な界隈でフランス風のサロンドテというのがまたとてもシックだと思います。
Boisson_2Exterieur_2オ・タン・ペルデュ」 京都市左京区岡崎円勝寺町64 パークハウス京都岡崎有楽荘1F (仁王門通り神宮道西入ル、南側の白川沿い) 電話075-762-1299 11:00~20:00 月曜休み

2006年5月 9日, dans 京都 サロン・ド・テ |