ふうせん堂 閉店 |
開店情報ばかりではなく、こんなこともお伝えすべきではないかと思っての情報です。堀川御池を少し西に行った南側の「ふうせん堂」が閉店してしまいました。こちらのねぎ焼きは本当にすばらしかったのに・・・。 2003年秋、「ふうせん堂、よさそうやで」と京都の巨匠・ハリー中西がもそっと言ったのが始まりでした。京都にお好み焼きやねぎ焼きがおいしい店はあまたあれど、雑誌に紹介するのにふさわしく店内が清潔で、なおかつ本当においしくて、メニュー数も豊富で、大人がゆったり楽しめて、さらにできればメディア既出でないところ・・・という難条件でわたしはお店を探していたのです。赤アルファで朝晩、御池通りを走っている巨匠ハリーはちゃんとチェックしていたのですね。さっそくお店にお邪魔すると、普通のお好み焼き屋さんの風情ながら店内は整然として、鉄板もピカピカに磨き上げられています。よくあることですが、調味料のボトルがベタついて、触った後に自分の手を眺めちゃう、というようなことも全くありません。ねぎ焼き、白焼きそば(塩味)、エリンギ焼きなどなど数品を注文しましたが、どれもが本当においしかった。とりわけねぎ焼きの姿かたちの美しさときたら、芸術品だと思いました。中には熱が入ってしっとり甘く柔らかくなったねぎがぎっしり、上には刻みたてのシャリシャリのねぎがトッピングされて、レモンが飾られています。センスがよくて美的。そしてたった500円のものなのに、実に実においしく食べたら幸せになって、もう誰かれなく激しく勧めずにはいられなくなるようなねぎ焼きでした。もちろんすぐに「週刊文春」で取材の申し込みをさせていただきました。初の雑誌掲載でした。
ご主人がまた、熱血漢という感じのいい方なのです。ねぎ焼き1枚に魂を込めている感じが伝わってきて、値段やジャンルなんて関係がない、「これは高貴な食べものだ」とまでわたしは思っていました。なのに閉店なさると、つい先日ご主人からメールをいただいてしまいました。「病気のために手術が必要で、その後の療養も長引きそうなので、断腸の思いで一旦店を閉めます」と。現在の店頭を拝見したら、写真のような張り紙がされていました。閉店ではなく「休業」とされているのは、また復帰なさりたいという強いご意思だと思います。どうかどうか、手術が無事に終わりますように、そして早いご回復をとお祈りいたします。みんなでお祈りしたらパワー倍増と思うので、どうか一緒にお祈りを!
2006年4月 23日, dans 京都 その他ええ店 | lien permanent