バー・カルバドール |
寺町二条のビルの2階、看板もなく、リンゴのマークだけが扉に描かれている8席のバーです。れんが積みの内装は、以前河原町三条にあった今では伝説のカフェ「リドル」を思わせます。それもそのはず、店主の高山寛之さんはかつて「リドル」が好きで通いに通ったとのこと。このお店は「リドル」のイメージを再現したものなのです。
バーのようなカフェだった「リドル」。今度はそのカフェのようなスタイリッシュなバーが、わたしの京都の滞在場所からごく近くに開店したことを知ったのはオープンから間もない2004年の5月のこと。スツールではなくて、足が床につく椅子(=落ち着きます)に幅広いカウンター、壁面にはお酒のボトルがぎっしりと並べられ、何とも美しい。花活けも洒落ています。わたしはお酒そのものをそんなに大量には飲みませんが、この雰囲気と、どんなカクテルを注文しても味が抜群にいいこと、そして店主の高山さんのセンスのよさ、頭のよさにすっかり魅了されました。「リドル」が2004年1月に突然閉店してしまった悲しみは、このバーのおかげで少しずつ癒えていったのです。
好きなバーは他にも京都に何軒かありますが、「カルバドール」は今ではわたしの日常に織り込まれた特別に大事なお店です。品揃え的にはウイスキーが圧倒的に多いようですが、わたしはフランスもの=コニャックやカルヴァドスなどをベースにしたカクテルを作ってもらうことがほとんどです。季節のフルーツと合わせてもらったり、ショコラ仕立てにしてもらったり。またまったく独自のルセットによるヴァン・ショーもおすすめです。まだまだ冷え込む京都の夜に、天国的な香りに包まれて身体もポカポカになる一杯です。
「バー・カルバドール」 京都市中京区寺町二条の西側にあるビルの2階 水曜休み
2006年4月 4日, dans 京都 バー | lien permanent