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2008年6月25日 (水)
■祝! 祇園町南側に移転オープンした「啐啄つか本」 |

■先斗町の雑居ビル、5席のカウンターでしみじみ美味な和食を出して人気だった「啐啄つか本」さんが、念願かなって6月4日、移転オープンされました。広くなったとはいっても8席で、基本的にはやはりひとりでできる範囲にとどめておきたいということなのです。2階にに六畳のお部屋があるけれど、それは今はまだ使っていない状態。1階カウンターのお部屋もまだ実は完成しておらず、今後壁に棚を取り付けたりするらしいです。
■祇園の南側、花見小路から1本西の、「竹馬」さんに隣接する場所なのですが、こんな場所でお店を持てたこと、どれだけうれしいでしょう! と思うんだけど、ご主人の塚本英雄さんいわく、「いやまだまだで、そんな気になれません。全く手際悪いし。とにかくちゃんと回るようにならないと」と、大喜びするでもなく淡々と謙虚に、今までと変わらぬトーンなのです。それが偉いなーとわたしは思う。「淡々と」というのはわたしが最も持てなかったカリテなので。(-_-;) それにしてもこの場所に物件を見つける幸運に恵まれても、誰もがお店を開けるわけではないのです。不動産屋さんとか銀行とか、そういう実際的なレヴェルだけじゃなくて、祇園のこの界隈を仕切っている女紅場などの方々の面接を受けるなど、さまざまな祇園の掟という関門を潜り抜けての開店です。
■移転後初めての訪問は、あけ~みと共に。
京都ブライトンホテルが世界に誇る稀代のコンシエルジュ・小山明美です。仕事の現場では澄まして猫なで声出したりしてるんだけど、わたしはこの人と一緒にごはんするのが本当に好き。だってこの人の
悪知恵とかたくらみ 機転とか機知にまつわる話が無類におもしろいんだもん。とてもわたしにはできませーん! なことばかりで。わたしが外観写真を撮ってるタイミングで真っ白な爽やかないでたちで現れたあけ~み、「ふたりで紅白だね~」なんてまるで屈託なく、前の晩も
一緒に食べたというのに、またしゃべりづめにしゃべり、お料理出てくる端から「おいしいおいしい」とえらい勢いでいただいたのでした。以下、諸般の事情でまずはテクストのみのアップです。写真はひと月ほどしたら入れておきます。
(ちなみに前回も、まずテクストで公開した後、ひと月後に写真をくっつけました。)
●冷やし湯葉、中に毛蟹。身体も気持ちもこれで少し落ち着けて。
●冷製で、鱧の南蛮漬(酸味はおだやか)、新れんこん、新玉ねぎ、シュガートマト。酸味の前菜的なお皿で食事らしい気分になれました。
●お椀は賀茂茄子、白ずいき、あわび。あわびはあけ~みのお椀に移動です。お椀の吸地は、今の京都で1,2番か? と思うほどの味わいでした。
●お造りは、鱧の焼霜、まぐろ、うに。鱧の焼霜がとりわけ美味でした。京都では今の時季どんな料理屋さんに行っても鱧を食べられます♪
●穴子焼き寿司。これは定番。塚本さんの料理って感じで、懐かしい味。
●鮎塩焼き、たでを混ぜ込んだ白酢味噌を別添えで。塩味だけでばっちり決まっていますが、ただのたで酢ではなく、白酢味噌添えっていうのが粋でした。
●車海老とぐじの揚げ物、新小芋 夏大根のあんかけ。天ぷらだけで十分美味なのに、みぞれあんがかかっておいしさ倍増、「たまらんねー」と言いつつ。
●すっぽん雑炊。どかーんと土鍋でプレゼンされて、目の前で盛ってくださいました。これはじわじわおいしくて、身体温まって、ほわ~と幸せになりました。
●宮崎マンゴー、枇杷、ブルーベリーとあまおうの自家製コンフィチュール添え。「宮崎マンゴー使うと他は使えない」って。確かに、いいものを知るともう他は目に入らなくなります。「スカーフだって、「H・・・・・」 買ったらもう他買えないよね~」なんて、話はそちらに流れる(-_-;) 女どうしの連綿たるお気楽話。ついでに、Hスカーフ、わたしは致し方なくやむを得ず季節ごと買うんだけど(だって要るもん♪)、一昨年あたりから値上げにつぐ値上げで、消費税入れたら今1枚5万円近いのよ(叫)。
■お料理の値段は、移転後13000円~となりました。
移転後、電話番号も変わっています。
「啐啄つか本」 京都市東山区祇園町南側570-120 電話 075-525-8808
夜のみ 不定休
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■「
フローリストショップ プーゼ」で。香りのいい白い百合、清らかで、限りなくかぐわしいです。百合は1輪2輪ではなくて、このボリュームで活けたいですよね。それから唯一お願いは、どうかお料理屋さんでは百合を飾らないでくださいということです。むかーしあるお寿司やさんで目の前に百合がどかんと活けてあって、むせかえるような香りで食べる気がしなくなったことがあるのです。せっかくご馳走してもらってる時だったのに。「百合のせいで・・・」と、今までたった一度だけ花を恨んだ話です。
■あじさいもこんなにたくさん。梅雨はうっとおしくても、ちゃんと雨季用の美しい花が存在するってすてきです。
2008年6月 25日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年6月24日 (火)

■サイト中で今まで何度かお話ししたことがある河原町荒神口下ルの日本料理「
徳寿(のりひさ)」が、6月1日、リニューアルオープンなさいました。

■1週間ほど前の晩の遅くに伺い、アラカルトでさささといただいたものです。
●ずいき、小芋、にんじん葉の胡麻和え
●かますの二杯酢。

●綾部地鶏の塩焼き
●賀茂茄子の田楽。

●鮎ご飯。塩焼きにした鮎をほぐして混ぜ込んでくださいます。

■お品書きはこんなです。スタバにでも入るような気軽さで訪れることができて注文は単品で自由に。そして味は本格派って、やっぱりすごいことです。京都にはそこら中にばこばこ和食店があるわけです、犬も歩けば棒に当たる的に。その中で、今回内装を整えることで、和食店としてさらに際立つお店になるべく再スタートを切られたわけです。しばらくは夜に集中されるということです。迷うことなく、正統な和食を目指していかれたらいいとわたしは思います。
●お品書きは、ちゃんと値段を入れたものが望まれます。(って言っちゃった。)だって、何がいくらかって、お値段は知りたいじゃない? 接待される側用に値段なし版を用意するのはわかるけれど、まずは値段入りからですよね。

■ヤサカの四つ葉です♪ 四条河原町の交差点でいきなり目の前に! また「7212」・・・多分この車にいちばんよく出会っています。
2008年6月 24日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年6月23日 (月)

■6月3週目の「さヽ木」さんです。すっかり夏仕様になっています。新しい器が使われていたり、アイスクリーム仕立てがあったりと、新鮮さや涼しさを演出する工夫がされていました。
●先附は焼茄子、羅臼のうに。かかっているのはわらび粉で練った、胡麻豆腐の手前状態のもの。

●まずマルドンの塩が出てきて・・・
●舞鶴のとり貝、生きて動いている状態です。いい香り、こんな旨いものあるか? とり貝食べられたら本当に幸せ♪


●房州のかつおの握り。これはものすごく美味でした。
●淡路島のとつかあじの握り
●海老の頭の焼いたの。お寿司屋さん並のテンポでぽんぽん出てきて、高いテンションキープでいい感じです。

●佐々木さんが盛り付けているのは・・・
●美山の鮎を45分焼いたもの。バリバリの食感! いつものように焼きがかなりきつくてわたしはこれ好きです。塩味も明確で、頭から食べて心地いいのよ。新潟の大吟醸「越後流」を飲み終わって、このあたりから純米吟醸酒「出羽桜」を飲んでいます。

●香川の西条のホワイトアスパラガスのアイスクリーム、上に温製アスパラガス。ちょっとフレンチ風、なかなか粋な口直しの一品。
●大分の天然のすっぽんのかき玉。冷たいものの後に、ぽかぽかに温まる滋味豊かなものがきてまた盛り上がります。

●ごぼうご飯。新ごぼうの香りがふわふわと豊か、細いささがきは口当たりも柔らかくて美味。

●デセールはカラメル風味のレアチーズケーキ、山梨の桃、宮崎マンゴー、山形のさくらんぼ。これでもう本当にお腹いっぱい・・・
●ご一緒いただいたのは、左側はわかりますねー、カラダを張って今日もゆく広報たっちゃん=ホテルグランヴィア京都の石田達也さんと、右は、コックコートではなくこのお姿だとすぐにはわからない? ホテルグランヴィア京都の総料理長・佐藤伸二さんなのでした。この肖像画のこと、「遺影もうあるねん」と言った佐々木さんに「位牌はどこ~?」とひっそり言って、笑わせてくれた佐藤さんでした。夏の初めのさヽ木さん、すごーくよかったです。また来月~♪
2008年6月 23日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年6月21日 (土)
■京都を留守にしたりしておりまして、1日飛びました<(_ _)> 暑くなってきた最近の日々に、さささといただいた中華麺とパスタです。こちらは1週間ほど前に伺った
「風枝」の冷やしラーメン800円。たれで食べる冷麺ではなくて、冷たいスープがなみなみと張られているのです。細い麺がするすると口に心地よく、さらっとしたスープもすーっと飲めるのです。澄んだ清涼感があって、爽やかな余韻・・・とてもオリジナルですてきな夏の麺です。

■いわゆる冷麺もちゃんとあって、
●かぜえだ冷麺850円。
●冷やしラーメンはこんな。


■中華麺でまた驚かされたのは
「うさぎ亭」です。
●ざる麺800円。細い中華麺に添えられるのは「なかじん」時代と同じ味のそばつゆ、そしてラー油です。中華麺、そばつゆ、ラー油って・・・すごくユニークです。出かけて食べてみてくださいね♪
●放牧豚とレタスのしゃぶしゃぶ。大層な鍋仕立てではなくてこんなふうにお皿盛りで来ます。ほっとする優しい味です。

■先週の暑かったあるお昼、「トラットリア・ニーノ」です。インタヴューされながらの食事ということもあって、「あるものでいいし~」なんて、軽くお願いしたんだけど、出てきたらサマートリュフがどっさりと\(゜o゜)/
●ポルチーニのタヤリン、サマートリュフと。ポルチーニの香味が麺にしみていて、さらにトリュフのたまらん香り。これは激しくおいしかった! 看板の極細麺手打ちのタヤリン、いつ行ってもまた前のと違うのが登場して、限りないヴァリエーションで楽しませてくれます。
■「オステリア・バスティーユ」で打ち合わせがてらのデジュネです。昼でもパスタが組み込まれるようになって・・・トマトソースのスパゲティです。食べやすい優しいトマトソースに豚のミートボールと茄子が入って旨みじんわり、真っ赤で元気になります。
●そして鴨のコンフィをメインに。週末のデジュネだったのです。何回転もしてお店の中はわんわんと人の熱気熱気! 楽しさであふれていて、本当にリニューアル大成功でしたね~!ばんざい!
2008年6月 21日, dans 京都 中華京都 和食08前半京都 イタリアン08 | lien permanent
2008年6月17日 (火)

■また来られてうれしい「祇園にしむら」さんです。このところハズレのロケハンご飯とかいろいろあったけれど、今日は絶対安心、美味のコースにすべてまかせて、後は野となっちゃおう。
●「あーいつもより短い」なんて言っちゃったのだけど、夏仕様ののれんです。
●いつもの胡麻豆腐で始まります。乾山写しの、涼しげな文様です。なんかかわいらしい。
●鱧とたたきおくらのお椀。これ、感動に打ち震えてしまいました。鱧の、口に入れるなりはらはらと雪のように舞い散るような感じって、一体何が起こったのか?? ただ骨切りしただけとは思えないんだけど、ただ包丁を入れただけど。ただし、細かく細かく「めくる」ように包丁を入れられるということ。そしておくらの方もごく細かくたたいてあって、ただ塩味、片栗粉だけでまとめたものだと。これもねっとりするようでいて、口の中でさらさら~っと散ってゆくような食感です。そして吸い地の、パーフェクトとしか言いようのない澄んだ味・・・これはちょっと比類がないです。「こういうのいただくために京都に来たんだなーわたし」と、自分の人生まで肯定しちゃったり。

●お造りはとろ、鯛、剣先いか。大正後期の永楽というお皿で。鯛の厚みがジャストジャスト、ねっとりと美味です。とろは舌の上でじゅわっと溶けるよう。いかのつるつると食感のいいこと。大根は甘酢漬けです。


●鱧の子の炊いたの。こちらは柔らかな味わいですが、実山椒と三つ葉の香りが効いて粋です。器は、鉛の含有量の多い、アンティークバカラだそうな。横から透かして見たら、確かに青かったです。
●八寸は、
○じゅんさい、
○枝豆、
○干瓢に黄身酢、
○白菜菜、にんじん葉、たいらぎ貝のお浸し、
○丸十。干瓢は、これ稀有な食感だ・・・と驚きつついただいたのですが、ノート見直したら昨年7月にもわたし食べていたわ・・・忘れてちゃいけない(-_-;)
●いつもの鯖寿司。

●鱧、れんこん、みょうがの天ぷら。シャリシャリの野菜に、鱧が初めのお椀とはまったく違ったものになって登場。フレッシュの実山椒をごく細かくたたいたものを混ぜ込んだ塩。この塩が鮮やかに香り立ち、天ぷらは目の醒めるようなくっきりした味わいに。

●たこの薄造りと、上にあわび、そしておだしのジュレ。あわびとたこは、すごくいいものとわかったのだけど、わたしごく少しでよくて・・・ごめんなさい<(_ _)>
●からすみを切ってくださって、これがおいし♪
●焼茄子のあんかけ。万願寺とうがらしが食感のアクセントです。茄子は焼いて皮を剥いて地に浸して味をつけて蒸したもの。いやもう、何て表現したらいいのかしらん。手間のかかった茄子はこの上なく柔らかで、静かにじわじわじわじわと口の中に広がって響くおいしさ。
●そこに、あんがかかっているのだけど、あんは味があるかなきか、茄子を最大限生かすための、かそけき味わいなのです。ほんと、とんでもなくよくできた一品です。

●デセールはメキシカンマンゴー、マスカット、巨峰を、マイセンのお皿に。
●濃い濃い緑茶を食後にざぶざぶと。このお茶、先日来わたしも家で同じものを飲んでいます。

■和食を食べ続けてゆく人生で、わたしのおいしさのひとつのスタンダードとして、どこか勉強のためにも伺うといった気分です。食後にわたしに知識を授けるべく (というか無知にあきれて? (-_-;))・・・ありがたくも「お授業」をしてくださるご主人の西村元秀さん。バカラのアンティーク徳利を見せていただいたり、包丁の入れ方でどれほど魚の味が変わるかの説明をしてくださったり。

さらに、
●献立の構成の中での、それぞれの皿の味だということ。あくまで流れとして完成するように考える。たとえば終盤、お腹が膨れてきているお客さまに供するから、茄子のあんかけはあれほど控えめな味にするといった話。
●大量料理というのは別物。冷蔵庫の味がする料理になってしまうから、お店を広げる気など一切ないといった話。その他いろいろ伺ったこと、メモ帳に走り書きしたのものは、読めるうちに打ち込んでおきます。ありがとう<(_ _)>
2008年6月 17日, dans 京都 和食08前半京都 祇園にしむら | lien permanent
2008年6月14日 (土)

■今日も1日頑張りました。夜「千ひろ」さんと思ったらうれしくて頑張れたわけ。実際は今週半ば、何日か前の晩のことです。はるなちゃん=「トラットリア・ニーノ」マダムの関春奈さんと一緒に、初夏の「千ひろ」さんに行こうねと前から約束していたのです。
●輝くだしのジュレの下に、赤と黄のパプリカ、三度豆、じゅんさい。魚介が生うに、車海老、穴子。華やかできれい、何だかいつもと少し様子が違う先附です。

■酒肴2種類:
○鯛の肝。「立山」を飲みます。
○鯛の西京漬。優しい白味噌風味でふっくら焼けたやわらかな鯛、最高。このあたりから割烹の幸せ満喫状態です。
●鯛のお造り、醤油と塩昆布で。鯛がねっとりとこの上なく美味です。芸術かっていうくらいに。非常によい状態なのだと思います。あえてとろとは合わせずにこれだけで味わってということらしいです。器は樂焼の11代目の「慶入」ですよとご主人の永田さんに教えていただきます。百合の形で、つやつやで、白状するとこれがまさか江戸期のものなんてわたしぱっと見ても(いやよく見ても)全然わからないわけです。こんなことでいいのだろうか? (いいやいいはずはない。) 「和食が好きなら器も勉強しましょうね」といつも永田さんに言われるのです。おっしゃる通りです<(_ _)>「全部これはこれと教えてください」と改めてお願いをします。
●お椀は白甘鯛、貝柱しんじょう。粟麩とよもぎ麩。揚げた生麩は旨みが強くてもちもちと。白甘鯛のふわりとほぐれる感じは優しく、貝柱しんじょうは濃い風味で・・・力強いお椀です。

●稀少な琵琶湖のますを焼いたもの。
●湯葉のすり流し。お酒飲むしかない! みたいなますの美味を味わった後で、するっと湯葉のスープをグラスで。予定調和な何品かがすっと出てきて安心するのと、時季の食材で驚かせてくれるのとのバランスがいいから、「千ひろ」さんは飽きず通うリピーターを数多く持っていらっしゃるのだと思います。もちろんどれも素材がよくおいしいからだけど。

●とうもろこしのかき揚げ。
●めひかりの焼いたの。6月いっぱいでまた禁漁になるというめひかりは、ちょっと忘れられないおいしさでした。冬の魚みたいに脂のりのりで強い旨みだったのです。


●お漬物です。メロメロに好きな水茄子、
●ちょっとこっち向けてみたよ♪
●冷たい味噌汁も粋です。まさかのものがこのごろいろいろ冷製になっているけれど、すべての工夫をいいなと思うのです。
●焼きとろの丼で締めです。とろをあえてお造りではなく、造りは鯛の味に集中するように一種盛りにして、最後に登場させたのです。肉のような濃い旨み、海苔とねぎとわさびが香味を添えて、お、おいし。後は野となれな美味でした。
●いつものりんごとオレンジのジュースでごちそうさまでございました<(_ _)>
2008年6月 14日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年6月 8日 (日)
2008年6月 6日 (金)


■6月に入った今週初めの雨の夜、東京から来た旧友のライター・礒崎西施さんとその担当編集者の方と共に、「
じき 宮ざわ」さんへ。日が長いこの時季、19時前でも外は薄暮の風情、雨ながらいい感じです。まずは水出しの新茶(煎茶)が供された後、
●すっぽん煮こごりジュレにうすい豆。グラスに何とも涼しげです。するりと冷たいジュレが流れ込んで心地よく、うすい豆の甘味・香りと非常によい調和です。ついさっきまで家でメラメラ仕事していたのに、このひと品で「割烹できちんと食事」の気持ちになって、いきなり幸せになりました。
●お椀は賀茂茄子とぐじ。おだしはふわりといい香り、こくのある茄子とぐじの旨みがじわじわ迫り来る、たまらん美味なお椀です。みょうがや木の芽の香りも鮮やか。

●定番の焼き胡麻豆腐が熱々で。胡麻豆腐の焼いたのに胡麻クリーム、さらに上から切り胡麻をどばっと。これでもかの胡麻責め、わたし好きだわ♪

●お造りはあまてかれいと時知らずの鮭。醤油と、香りのいい藻塩も添えられます。全部塩で食べちゃった。

●稚鮎焼き。お酢があらかじめかけられています。
●じゅんさい、あわび。わたしはあわびはごく少しでいいんで、これは小さくしていただいたもの。

●村田森さんの器に・・・
●美山の黒豆の湯葉とうに。あんかけです。繊細にして抑制の効いた、とても大人なひと皿だと思います。

●お漬物が3人分盛られてきます。梅干以外すべて自家製ということ。
●全部全部きれいに盛られて来るのに、水茄子はざくっと大きくちぎられているのがいいです。ごく浅漬けで、食感たまらない。いつの間にか夏になっていたんだ\(゜o゜)/

●こんな湯気湯気で出てくるのは・・・
●煮えばなのご飯です! わずか芯を残した、アルデンテ直前みたいな感じを、少量熱々でいただきます。

●三重県のあさりの味噌汁。はまぐりと思ったらあさりだと。大きい!
●そして蒸らしてふっくらしてきたご飯。おいしいおいしい圧倒的においしい♪


●デセールに、台湾マンゴー、山形さくらんぼ。
●もなかは今日はまん丸。中のあんは詰めたて。
●お薄で締めです。以上7350円の夜のコースでした。割烹ですべておまかせしてコースを食べる喜びここにありって感じです。お店は新しいしご主人はお若いのに、料理は落ち着いて、完成度が高いと思います。それにこれで7千円台ってどう考えてもすごい。忙しいと「簡単ご飯」に走りがちだけど、何のために京都に移り住んだのだわたし? やっぱりできる限りきちんとこうした「お料理」を食べようと思ったのでした。
2008年6月 6日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年6月 2日 (月)

■少し久しぶりの「陶然亭」です。先週の後半に、東京から取材にいらした同業ライターの喜多川美穂さんと共にいただいたものです。
●ホワイトアスパラガス(見えないけれど)と一寸豆、胡麻風味の豆腐、後ろに湯葉の炊いたの。胡麻風味の豆腐、とは、胡麻豆腐ではなくて、豆腐を裏ごしして胡麻を加えたもの。いい香り。左側の肉厚そうな葉っぱは、バラフという南アフリカ原産のサボテンの一種。
●お造りは、もんごいか、鱧の洗い、鯛、うに。鱧は細く切られて、落としなんかで食べる時とは全く違う食感。


●ぐじの梅昆布蒸し。ぐじを焼いてから蒸したもの。ぐじを焼いただけで十分に美味なものを、おだしに浸って梅の風味が移っている風雅なものです。昆布の旨み明確なおだしにぐじの旨みも染み出して、ちょっとおいし過ぎ。
●新ごぼうのおかき揚げ。ごぼうがほくほくで熱々、ざくっとおかきを崩してつけた厚めの衣がこの「ほくほく」といいコントラストです。塩気も程よく効いて、ばっちり決まっていました。
●あさり、ずいき、ふきをあん地で。揚げ物の次に優しいお皿です。あさりの旨みと口当たりのいいずいきや香りのいいふき、ずーっと食べ続けていたいような穏やかなおいしさ。

●新玉ねぎの上に田楽味噌、その上に鹿児島牛。肉厚で甘い甘い玉ねぎと味噌、それだけでうんまい!そこに鹿児島牛の焼いたのがのって、すーっと歯の入っていく柔らかさ、ジューシーさ。そこに胡麻の芳香も重ねられ、問答無用! に美味なお皿です。

●ご飯にはおじゃこがたっぷりと。少し甘めの味付けです。
●お漬物。水茄子が夏の到来を感じさせます。


●クレームブリュレはこちらの定番デセールです。この日はみかんが添えられていて・・・
●小ぶりで甘くて味が濃くておいし♪ ・・・
●なのでご主人の渡邉敏朗さんに伺うと、「カラマンダリン」というもので、こうして袋にひとつずつ詰められているとのこと。みかんというよりオレンジという味。後で調べたら、キングマンダリンと温州みかんとを交配したものらしいです。わたしも買ってみよう。以上夜の1万円のコースでした。全体優しい味わいで、でもぐじやら牛肉やら、強い印象を残すお皿がいい具合に配され、最後は爽やかに。流れに任せてコースをいただけば、ところどころ驚きも用意されていて、楽しかった! といつも思わせてくれるお店です。
■食後に「Kugel」を訪れて1杯だけ。魔法のシェイクを久しぶりに拝見。いつもながら本当に大人な西田稔さんです。お昼、あるイタリアンでタイミングよくお目にかかったのです。そのイタリアンの話は明日。
2008年6月 2日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年6月 1日 (日)
■「うさぎ亭」で、とり貝、地鶏、放牧豚、定番ものいろいろ |
■先週のある夜遅く。品書きにとり貝があるのを見て色めきたったわたしに、「今日競り落とした初・舞鶴のとり貝!」と店主の中村さんは得意そうにプレゼンしてくれました。このとり貝、海水から引き上げたら数分でなんとぱかっと殻を開いて、わたし達の目の前で踊りまわったのです。えらい勢いで転げ回って、動画撮っておくべきだった。
■置かれた時、上下ひっくり返っていたら自分でちゃんと心地いい位置に戻るのですって。知らなかった。ひと皿(ひと貝?)が2000円と見てひーと思ったけれど、原価での提供とのこと。いや実は原価は2450円とのこと! ここまで見て聞いて、食べずに帰れようか?(いいや帰れはしません!) というわけで、
●舞鶴産活け とり貝の焼霜造り 2000円をいただいたのでした。甘味旨み、何よりとり貝ならではの格別の香り・・・価値ありました。

●地鶏の香草パン粉焼き1300円。わたしはやっぱり鶏が食べたいの、隙あらば。鶏のおいしさがぐいぐいと感じられて、鶏にはゴメンなんだけど本当に美味そのものです。料理人てすごいなあと思う。人を幸せにする仕事。すべての仕事は人を幸せにするために、前に進むためにあるのだけど、それがダイレクトでいいなあと思う。元の素材作る生産者もだけど。
●サラダ。トマトは「アメーラ」というの。
■先日食べたメロメロネロのホット版です。
●冷たい 熱い暴君ネロ1000円。メニューには載っていませんがお願いしたら作っていただけます。これがまた後を引いて、ぐぐぐと旨いです。この店主はたまたま、まずはお蕎麦に向かったけれど、何しても上手ということです。「なかじん」さん閉められる時は、それは悲嘆の声が多かったものだけれど、わたしは「えーっ!」とは思ったものの実はそんなに悲しくなかったのです。だってまたお料理なさっていかれるに決まってるし、少しスタイル変えられるっていうことなんだと思っていたらその通りでしたから。むしろ近くなってうれしい♪ 人生誰でも変化はいろいろあるから、フレキシブルに、流れのままにいきましょう。わたしも「起こることはすべていいこと」と考えて、はちゃめちゃな人生ながら、まずは幸せに来たから~。
■この日のお品書きはこんなでした。
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■「夜遅さっとごはん」にばかり伺うのはもったいない! というわけでまた出かけた「うさぎ亭」で、この夜は首脳会議です。首脳会議は嘘なんだけど、京都が誇る我らの女王・「
リビング京都」藤田晶子さんに、
京都ブライトンホテルが誇るコンシエルジュ・あけ~み=小山明美というゴージャスメンバーで、8品いただきました。
●三色アスパラガス。北海道の白アスパラガスは生でシャキシャキした食感を楽しみました。ちゃんとプレゼンして「生でもOK、茹でても?」と聞いてくださったのです。
●地鶏の竜田揚げ。これ名作です。前にも掲載。



●大原地玉子のだし巻き
●なすと万願寺の揚げびたし。
●放牧豚のあらびきウインナーパイ。鶏を食べたが豚も食べたい! 一度食べたかったサクサクのフイユテに包まれた豚のパイ・・・これはさすがに白ワイン飲みました。

●放牧豚の黒酢豚、旨みいっぱいの放牧豚に黒酢あんがとろりんとからんで、酸味も鮮烈なのだけど甘味も通奏低音のように。あー、これ、かなりものすごくずば抜けておいしいかも。なんていう、仕事の原稿では許されない表現をしつついただきます。そして締めに、
●冷たい暴君ネロ。もちーっとした麺がそこはかとなく辛く、蒸し鶏が旨みを添えて、白髪ねぎがシャリっと。ちょっと犯罪的な美味。

●あんみつをデセールに。あんこと寒天と白玉、それに黒蜜だけでいただきたくて、酸味のフルーツは別添えにしていただきます。わたしは同系のもの同士で食べたいの。うるさくてごめん。(-_-;) 寒天はマダムの薫さん、小豆は中村さん、白玉はスタッフのサムさん、黒蜜もどなたか、という具合にみんなの分業で手作りされているお手間入りのあんみつです。
●この日はこんなお品書きでした。どれもばっちり美味でした。店主の中村さんにはとにかくめちゃくちゃに働かず身体を大事にして、変わらず薫さんと仲良く頑張ってねと思うのでした。
2008年6月 1日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年5月29日 (木)

■先週後半に伺った5月の「さヽ木」さんです。
●先附:新れんこんをたたいて丸めたものの中に、甘海老、羅臼のうに。海老の頭から取っただしのにこごりで作ったすだち風味のジュレ。

●太刀魚と新じゃがの博多押し。テリーヌ風に仕立てたもの。香川県のホワイトアスパラガスに鹿児島の一寸豆。
●向附のまな板皿が出てきて・・・

●向附:淡路島のかれいを、かれいの肝入りのポン酢で。大分の車海老、勝浦のとろの寿司。

●三河湾のとり貝を踊り食い状態で。マルドンで。これは格別おいしかった♪

●和歌山・すさみ港のかつおの握り。かつおの香りを出すためにすこしシャリ温かめにしたと。
●海老の頭の焼いたのは全部バリバリいただきます。


●お椀代わりに白甘鯛のスープ仕立て、沢煮風。新ごぼう、椎茸、ふき、三つ葉。白甘鯛のやわらかな舌触り、スープのおいしさは格別でした。
●お餅ピッツァの準備にかかっています。釜に入れた後も佐々木さんがつききりで様子を見ている。焼き上げるまで、3分弱くらい。

●餅生地のピッツァ。餅米7割、うるち米3割。この比率で、たれて流れてしまわないお餅生地になるんだそうな。ピッツァといってもにんにくとチーズ使うのはご法度としたそうです。この生地は、ご飯と考えれば何を載せてもいいわけだと。醤油味、梅肉OK、今日はからすみだけど、ほたるいかやへしこを使っていたと。おもゆをソースがわりに塗って、レタスとからすみをダイナミックに載せたものです。切り分けてもからすみが2切れどかーんとのってるの。すごい迫力。お酒飲めよなひと皿であるし、おしのぎっぽくもあるし。


●琵琶湖の鮎を2尾。塩がきいてバリバリと頭から食べて旨い!
●じゅんさい(三田)でさっぱりと。すっと飲めるほどの酢加減。ごく細かいさいの目にしたきゅうり、長いも。わさびと梅肉も少し入って味を引き締めています。
●さっぱりした後にまたコントラストでぐつぐつが来ます。穴子と新たまねぎ、わらび。肉厚の淡路島の玉ねぎがちょっと瞠目のおいしさで、スープはしみじみ深い味。


●ご飯ものは2種類で、まずまぐろの中落ちをづけにしたもの、
●うすい豆のご飯。豆の甘さやわらかさがごはんによくなじむように合って、これは本当においしかった♪ 滋賀県の中主(ちゅうず)の豆。
●お漬物。
●デセールはグラスに、マンゴーと桃、マンゴスティン、ブルーベリー。赤肉メロンのソースと。
■この日もわんわんと満席、ちゃんと「さヽ木」さんらしい盛り上がりで安心、楽しくいただきました。とり貝とお椀代わりのスープがとりわけ美味で、バリバリの鮎が季節の気分でよかった。新登場のお餅ピッツァはこれからどんなヴァリエーションを見せてくれるかしらん? 蟹味噌塗ったりしてもおいしかろ~! 白子のグラタンなんていう冬の料理があるから、その応用ピッツァ版もあるかしらと思ったり。一緒に行った人たちにも喜んでもらえてうれし♪ また来月~!
2008年5月 29日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年5月27日 (火)

■先週の前半と後半に「
山玄茶」に伺いました。まずは前半の夜のお料理(軽い方の11000円)を、「パティスリー オ・グルニエ・ドール」の西原金蔵さん、純子さんと共に。
●長芋かん。うに、穂紫蘇、一寸豆。
●お椀は賀茂茄子、鱧、黄にら、じゅんさい。

●お造りは鯛、いか、車海老、よこわ。梅肉醤油も添えられます。

●太刀魚をのせた飯蒸し。上にしば漬。
●八寸
○鴨ロースねぎ巻き
○シュガートマトにマスカルポーネ
○鯛の真子
○万願寺とうがらしのおひたし
○八幡巻
○玉子しんじょう(クリームチーズ入り)
○穴子ちまき寿司
○(グラスに、)鯛の白子のちり酢
○鱧ときゅうり。

●鮎の塩焼き。
●揚げ物はホワイトアスパラガス、帆立の湯葉包み、鱧。わさび塩とちり酢添え。

●おしのぎに冷麦。梅干入り。
●「インカのめざめ」を揚げたもの。

●茶碗蒸し。焼き茄子、ふかひれ、みょうが油煮。


●しらすをごくやわらかく炊いたの。
●お漬物。
●うすたれの味噌汁。
●炊きたてのご飯にいつもながら大喜び。
●最後はお茶漬けに。


●グレープフルーツとワインのジュレ、さくらんぼは佐藤錦。さくらんぼを食べたら、
●氷に小豆をのせてくださって、かき氷に。
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■週末のお昼(5500円)を、「
ELLE a table」編集者の河合知子さんと、そのお友達と共に。彼女たちは試食と視察のために週末京都を訪れたのです。いいところにお連れしなくちゃいけません!
●茶碗蒸し冷製 中に百合根。上にうに、汲み上げ湯葉、ジュレがけ。穂紫蘇と柚子。
●お椀は賀茂茄子、鱧、じゅんさい、黄にら。

●八寸。右は葉っぱをはずしたところ。
○すずきの焼いたのにたで酢
○小鮎の揚げたの
○アピオス(栗みたいな食感の芋)の揚げたの
○万願寺とうがらし
○ガラスの中にはきゅうりと大徳寺麩の胡麻和え
○海そうめん、長芋のたたいたのと新生姜おろしたの
○ほうれん草と釜揚げしらす和えたもの
○玉子しんじょう

●れんこん餅。れんこんを擂ってまとめて揚げたもの。青ずいきと三度豆。あんかけ、生姜。
●そして待望の白ご飯♪

●こちらの白ご飯、ずば抜けておいしいと思うのだけど、ご主人の増田さんいわく、「普通に洗って30分おいて炊くだけ」と。でも「愛情を込める」「お客さんが喜ぶようにと思いながら炊く」と。その思いが絶対ご飯をおいしくしているのです。

●うすたれの味噌汁。八丁味噌のうわずみだけ使うから、味噌汁というより味噌風味のお吸い物。
●お漬物。
●ご飯は塩、釜揚げしらすたっぷり(ご飯と同量くらい)と。ご飯のやわらかさとしらすのやわらかさは同じくらいです。ふわふわいい香り。
●最後お茶漬けに。「山玄茶」においては、白ご飯にただひたすら無条件降伏してしまいます。

●オレンジのジュレ。ふるふると口当たりよく、食後にさわやかです。

●さくらんぼをいただいたら、
●氷に練乳をかけてくださって、かき氷として楽しみます。すてきなやり方♪ お昼は夜の軽い方のコースの半額だけど、満足感は変わりません。夜はゆったりできて、お昼は自然光で写真がきれいに撮れてすてきです。すべて味よし、雰囲気おっとり、ご主人優しい、最後の締めのご飯がまたおいしい・・・というわけで、どなたをお連れしても大丈夫でわたしも幸せになれる「山玄茶」さんでした。
2008年5月 27日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年5月21日 (水)
■夜遅にメロメロ、「うさぎ亭」の麺と、「京都ネーゼ」の卵もの |
■「なかじん」さんと合併以降、夜遅にさっと伺うお店としてお世話になっている「
うさぎ亭」です。22:45LOで23:30閉店、近くでおいしいものが食べられるようになって本当にありがたいです。店主の中村一臣さんはとどまることを知らず、1週間行かなかったらもう新しいメニューができているの(-_-;) 先週のある夜遅くに伺ったら、「新しいものが入ってるでしょ。わかる?」って、むふふ♪ な顔をしてお品書きを見せてくださって驚いた。「麺」なんて項目ができているの。麺やめるために「なかじん」たたまれたはずなのに\(゜o゜)/ さすがに自分で製麺はしていないとのことで安堵したのだけど、なんと中華麺がデビューしていました。「冷たい暴君ネロ」といって、太麺がもっちりと、ちょっと今までにない食感です。すべすべもっちり、ピリっと辛くて、やわらかな蒸し鶏との調和も絶妙で・・・やみつきになりました。オリーヴオイルに鷹のつめで、ペペロンチーノというわけです。パリパリのガーリックも効いていて、たまらなーい。やきめし/チャーハンにとどまらず、またこんなことして・・・でもこれからの季節、これはいいです。また食べたい・・・と思うんだけど、伺ったらまた違うもの作ってそう。

■「暴君ネロ」の全体像はこんなです。

■実は「暴君ネロ」に先立っていただいたのはこれ。「あっさり豚麺」、スープ麺です。店内そのままの照明で撮ったもの・・・暗すぎ。
●LEDのライト当てて撮ったものは不自然だ~。写真はどちらも(-_-;)ですが、お味は格別でした。とてもオリジナルで。かつおと昆布のおだしが、魔法の味付けでそこはかとなく中華風になっているのです。



■3色アスパラガスの茹で上げサラダ。白、緑、そして紫アスパラガスです。
●オイルと塩とレモンというシンプルな食べ方でアスパラガスの風味を楽しみます。
●蔵王放牧豚の塩肉じゃが。塩炒めです。豚肉の旨みとホクホクのじゃがいもを熱々で。ビールざばーっと飲んだら合うことでしょう♪ 以上は1日空けて、2日にわたって伺っていただいたものです。一部暗すぎて出せない写真もあるのだけどだいたいひと皿と麺という遅ご飯だったりお夜食だったり。
■デセールは主にマダムの薫さんが作られています。あんみつは「うさぎ亭」開店当初からの看板です。
■レアチーズケーキ、これも薫さんのスペシャリテです。ほのかな酸味で食後にすっすといただくのにいい感じ。

■お品書きはこんなです。毎日「本日 その他のメニュー」部分が書き換えられています。少し品数を減らしたと言いながら、これだけたくさん!
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■こちらも夜遅 24:00LOでありがたい「
京都ネーゼ」。最近知り合った「京都ネーゼ」ファンの方(すてきな美食家♪)と共に、少し前のやみつき卵メニューを再び。
●フレッシュのフヌイユ(フェンエル、ういきょう)をどうぞと供されて・・・実も茎もいい香りで癖になって、いきなり止まらない。
●タレッジオチーズを焼いたもの。これ好きなの♪

●オーストラリア乳飲み仔羊の軽いスモーク。やわらかな肉がスモーク香に包まれて、塩気もほどよくて、ここらですでに後は野となっちゃったかもしれない。
●アジのカルパッチョ。肉の美味の後にすっきりいい感じ。

●ホワイトアスパラガスに山田農園の卵。先日のが忘れられず。
●さらに山田農園の卵のカルボナーラで卵ぜめです。ねっとりとパスタに絡みついて、濃厚に美味。雪のようなパルミジャーノがふわふわと香りを添えます。


●犬になる代わりにパンでお皿のソースをきれいにいただき、
●生ハムのせてもらったサラダでさっぱりと。
●さらに欲深く、パスタをもうひと皿・・・バベッティーニのトマトソース・あさりとひおうぎ貝。トマトものもやっぱりマストかも。

●そして山田農園のクレームブリュレ、今回はフルーツ類はのせないでとお願いをして、ひたすら卵の風味を堪能。とろりねっとりとずるいみたいに美味でした。
2008年5月 21日, dans 京都 和食08前半京都 イタリアン08 | lien permanent
2008年5月16日 (金)

■京都に戻ってきたわたし、閉店間際のビックカメラに駆け込もうかと激しく逡巡するも(だっていま明確に必要なものが3つもあるんですもの~)、東京から戻ったらやっぱり和ものをまず食べるべきでしょう。「和久傳」の経営になる「スバコ」3階のお丼屋さん、簡単に和食気分を味わえる「
はしたて」の鯛にゅうめんが頭にちらついて、新幹線の改札出る前から、頭の中は鯛にゅうめんだったのよ♪ ところが、鯛にゅうめんを注文しようとしていた瞬間に飛び出してきた料理長の木山義朗さんいわく、「先月からコース料理を始めました!」駅ビル内、改札出た先のイートイン的な店で望まれるコースとは? さらにジェイアール京都伊勢丹の上にある「京都和久傳」との差別化をどうするか? これらを考慮して3コースを用意なさったと。・・・ここまで伺って、新しいコースをいただかないで帰れるでしょうか? (いいや帰れはしません♪)4品、6品、8品と3コースある中で、いちばん軽いコース=先附・造り・煮物・ご飯物の、「はしたて4品コース」 2625円をお願いしました。
●先附が、焼き茄子 胡麻クリームとホワイトアスパラガスの揚物。茄子は冷製でひんやりと口に心地よく、アスパラガスのフリットはさくっとした口当たりで、「ちゃんとお料理食べてる~」という気分に。

■お造りは二種盛りで、
●淡路島のうにと舞鶴のあじ、浜防風。なかなか上質なものなのです。ほとんどカフェのような気安さで入れるのに、出てくるものはちゃんと和食です。


●煮物はお椀仕立てで、鱧の揚げたの、冬瓜、新玉ねぎ、おくら。椀だねは大ぶりで、量感があります。そして吸い地のおいしいこと。「煮物」なんて品書きにあったから、たとえば炊き合わせみたいなんが品よくお皿にちょろ、っていう可能性もあるなあと思っていたのに、この大盛りお椀仕立て。充実感がありました。そして、おだしものを食べたかったわたしの気分にもぴったりと合って、俄然幸せに♪
●鯛の胡麻味噌丼。「和久傳」らしい予定調和な一品です。胡麻味噌だれの絡んだ鯛のねっとり旨いこと。ご飯が進みます。最後は味噌をつけながらお茶漬けにしました。幸せな締めくくり。2千円台でコースの気分、カジュアル風情ながら「和久傳」エスプリがきちんと盛り込まれた、よくできたコースでした。

■お品書きはこんなです。コース3種類に一品料理いろいろ。これに、もともとのグランドメニュー=丼や鯛にゅうめんなどがあります。次回新幹線降りたらまた伺って、品数多いコースをいただいてみます。コースは17:00からで、21:30LOです。
2008年5月 16日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年5月 9日 (金)


■4月は行きそびれ、「連休明けなら少しゆっくりするから」とのことで、今週出かけた「千ひろ」さんです。いくつかのお料理は春の名残り、いくつかは早くも夏仕様でした。でも暦はすでに「立夏」を過ぎてるわけよね。いつもお皿の上で季節を知ることになります。
●先付はすっきり、じゅんさい、うに。中にゴールデンキウイ。




●酒肴5品が並び、
○小鮎生姜煮、
○鯛の身白子和え、
○アスパラガス黄身酢がけ、
○ほたるいかのたたいたの、
○まぐろの炊いたの。

●お造りが鯛、とろ。鯛の皮も。いつも通り、塩昆布と醤油とで。


●あぶらめのお椀、粟麩とよもぎ麩。
●甘鯛の酒焼き。お皿赤くてうれし♪ と言ったら、お椀もこれも意図的に赤いもので出してくださったと。<(_ _)>
●おぼろ豆腐に、湯葉のすり流し。ご主人の永田さんにおいては現在「とも和え」がブームのよう。酒肴に、鯛造りを鯛の白子で和えたものがあったし、こちらは豆腐に湯葉だし。


●かき揚げ:
○白海老、
○ふきのとう、こごみ、たらの芽、海老。
●焼き茄子、胡麻入りの生姜醤油で。今月まさかこれをいただけるとは思ってなかったのでした。夏の名物、独自の食感の茄子です。
●酢の物:トマト、きゅうり、わかめ、グレープフルーツ。黄色いお皿が色を補って、色鮮やかなのもいいです。



●豆ご飯は豆をお米と一緒に炊いたもので、ご飯と豆が一体となるのがいいと思います。
●お漬物
●冷たい味噌汁も夏仕様で、中に豆腐とえのきなど。 そして最後、
●ジュースでおしまいです。
2008年5月 9日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年5月 3日 (土)

■絶対に味がぶれない安心のお店として、「祇園にしむら」さん。春になって、まだ伺えていないところも多数だけど、ともあれ「にしむら」さんへと思っていたのです。
●胡麻豆腐。定番のはずなのに胡麻クリームがひどくおいしく思えます。犬になって皿舐めたいのレヴェル。
●お椀が鯛のにゅうめん、錦糸玉子。このおだしの味の精緻なこと。

●鯛ととろの造り きゅうり、甘酢漬けにした大根。
●ここでいつもの鯖寿司なのだけどわたしは持ち帰ることにして包んでいただいて、
●八寸は、冷酒を少しいただきつつ、○一寸豆 ○ほたるいか ○子持ち昆布 ○つぼつぼに、筍の木の芽和え ○舟の器に、貝のだしを地に使った、たいらぎ貝とわさび菜の和えもの。 ひと皿にトータリテのある八寸。ほたるいかがアクセントで強い以外はさわやか、季節らしい彩り、上品。


●焼物は能登の鱒。酢蓮、みょうが、大根おろし、レモン。この鱒が、脂ののり加減が程よくて、じわじわと、後から後から旨みがありました。器、高そう。
●汲み上げ湯葉。中に揚げた生麩、鯛、うに。おだしの香りが絶妙なあん。似たようなものは何度も食べてきたはずなのに、初めてかと思う湯葉やあんの地の精妙なおいしさ。

●筍とふきの炊き合わせ。下には長芋の揚げたもの。これもおだしの香味が精緻を極めています。 筍だけでもはふはふと、やわらかでしっとりと旨かったのだけど、下で待ち構えていた長芋が、今度はほくほくと、本領を発揮して大喜びしているようなおいしさ。


●お漬物、
●白ご飯、
●豆腐と昆布の赤だし。お漬物も自家製です。
●フルーツはマンゴーにいちご、生クリーム。板状の赤ワインジュレ。
■流れに任せて本当に心地いいコースでした。そして今回とりわけ思ったのは、いったい何をどうしたらこうなるの? と思うおだしのおいしさでした。鯛のにゅうめん、湯葉、筍、と3度にわたっておだしものが出たわけですが、どれもこれ以上のものがあるか? と思わせつつ、微妙に、ごくわずかずつ味が違っていて。それぞれ、鯛の香味を引き立てていたり、あん地になっていたり、野菜に合わせるためだったりと用途が違うわけですが、やはり全部違うだしを引いていらっしゃるとのこと。「おいしいにはタネも仕掛けもある」とはっきり西村さんはおっしゃいます。素材の比率を変えたり調理時間を調整したりということなのです。人を感動させる精緻な味を作るにはどれほど手間がかかることか。そしてこの道に「これでよし」という上限はないわけです。西村さんはいつも斜に構えたふりをしてふざけているけれど、裏で実は不断の努力をしていらっしゃることがわかり、話を伺うほどに頭が下がる思いがするのです。
2008年5月 3日, dans 京都 和食08前半京都 祇園にしむら | lien permanent
2008年5月 2日 (金)

■うちからごく近いのにご無沙汰をしていた「じき 宮ざわ」さんへ。(前の記事は12月にあります。)お昼のコースは当初3680円1本でスタートしましたが、今では5250円、7350円と3コースが用意されています。今回は5250円をいただきました。
●紫蘇風味の香煎でほっとして、食前酒もひと口をいただいた後に、
●涼しげなガラスのお皿に、焼き筍、アスパラガス、フルーツトマト、さざえの味噌煮、黄身酢。

●「唐長」の瓢箪文様の唐紙がちょうどカフェカーテンみたいな感じで目隠しになっています。その前にガラスや陶磁器の粋なおちょこが置かれていてきれいな景色を作っています。
●あぶらめの葛たたき、新わかめのお椀。蓋を開けた瞬間、湯気湯気の熱々です。優美な香味、割烹ならではの幸せです。

●造りは三重の天然のひらめを1日寝かしたもの。醤油と塩が添えられますが、圧倒的に塩が合いました。やわらかにひらめの旨みを引き立てるという感じで。塩自体が、舐めてみたらやみつき的においしかったからさらに伺うと・・・この「玉藻塩」は、ホンダワラという海藻とともに炊かれてヨード分が染み込んだ新潟の塩で、茶色いのは海藻の色によるもの。豊かな海の香りがするのです。

●丸穴子の焼霜。下に梅肉醤油、すだちと。皮の方は香ばしくバリバリに炙ってあって身は柔らか。
●看板・胡麻豆腐です。焼いて甘い胡麻だれをかけて胡麻をまたあふれるほどかけた一品、これはまったくオリジナルで、よく考えたと思います。お皿の意匠も見ているだけで陽気になります。

●能登のもずくと天草のうに。最後にさっぱりして、次の盛り上がりへ。
●お漬物が供されたらご飯です。


●客ごと炊いてくださる白ご飯が本当においしいから、これだけでもめちゃくちゃに得点が高いです。使っているのはコシヒカリの改良種であるヒノヒカリ。まず蒸らしきっていないご飯をひと掬いひと口分よそってくださいます。この後、お代わり、お代わり、お代わり・・・と例外的に際限なく食べちゃうのです。お漬物は大好きだけど、ここではただ、白いご飯の香りと味わいと食感を楽しんで一膳また一膳と。主食が、素のままの状態で、ここまでおいしいっていうのを果たしてよその国の料理で味わえるかしらん? パンがそのままで、食べても食べても止まらずおいしいとか。パスタが茹でたてそのままで、つるつる止まらず旨いとか(パスタは主食ではないけれど)。うん、それはそれでありますよね。
●お味噌汁はみょうががたっぷり入っています。シャリシャリとおいし。

●タイのマンゴー「マハチャノク」、味わい濃厚、ねっとり甘い。禁断の味という感じ。白ご飯で幸せが完結していたはずなのに、まだまだ美味続きなわけ。
●もなかは端午の節句ヴァージョン。中のあんは出す直前に詰めてくださるので外側はサクサク。写真なんか撮っている場合じゃなくて、即いただくべきです。そして、この中のあんが格別の香りのよさ、大きなあずきの粒が入っていて食感が楽しくて・・・すごく好きかも。わたし絶対こしあん派というのに、立場が揺らぐではないの(-_-;)(-_-;)

●お抹茶で締めです。
■清新な気が流れるような空間で丁寧なお料理を提供し、そして礼儀正しい接客をしてくださいます。質のいい5000円のお昼懐石は他にもありますが、その中でもとびきり満足度の高いお店だと思います。
データは
こちらを。オープン時から変わって、木曜が定休になっています。
2008年5月 2日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年4月30日 (水)
■近場でおいしい(2) 「菜心」で初がつお/「うさぎ亭」で筍尽くし |

■1時間だけあるから食べに出かけよう、なんていう時にぱっと思いつくお店のひとつが今や大好き「菜心」さんで、東京から戻った後のある晩にいただいたものです。季節もので、
●高知産初ガツオのタタキ山椒ソースはおすすめ黒板メニューから。フルポーション分のかつおがないとのことでアミューズのように仕立ててくださいました。ひとりだったから、それでちょうどよかったのです。
●鶏の唐揚げが5ピースで550円。わたしは鶏/鳥肉が食べられたらもうほんと幸せ、アラカルトで鶏があれば即、鶏です。ちなみにわたし東京の2週目には4晩連続、違うところで鴨コンフィ食べてたのよ♪

●牛肉とレタスの炒飯840円。熱々パラリ、レタスはシャキシャキ、牛肉の旨みがじんわり、ぱっといただけて温まって。夜遅に安心してこういうものいただける場所があるって本当に幸せだと思う。
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■もっと近いのが
「うさぎ亭」で、「なかじん」さんと合併後はお蕎麦がない以外は前と変わらぬメニュー数です。いやいや、蕎麦なしの分、違うものが加わっているのです。それは後でご紹介するとして、この晩は筍です。筍が好きで好きでしょうがないのです。朝掘り塚原の筍があるとのことで、筍尽くしと決めました。こういう時、たくさんの中から好きに選んでいいアラカルトって最高です。あ、きのう「コースこそ最高」って言ってたのは誰だ~? なんて言わないでね。どっちも本気で言ってるんだから♪ (これを「矛盾」と大マジメにとらえて怒る方は、ご覧にならない方がお身体のためです~。)
●まず若竹煮です。これ割烹の味わい。うちから2分でこの味を夜遅に楽しめるとは。ひれ伏します。
●焼き筍。木の芽をばさっと。香り、食感最高。京都の春最高!
●そして筍の炒飯です。これが新メニュー、これこそ「虚無蕎望なかじん」にはなかった一品です。まかないで作っていらしたものをメニューに載せたら大人気ということで、たまらんおいしかったわ・・・そして、ご主人の中村一臣さんの解説によれば、「これは炒飯だけど、やきめしというのも別にある」。なんだと? 地鶏の「唐揚げ」と「竜田揚げ」が別にあるのは知っていたけれど、炒飯/やきめしとは。また芸の細かいことしている・・・(-_-;)・・・お蕎麦をやめて、お身体楽になられたかと思ったけれど、相も変らずこの凝りよう。仕事が大好きなご様子で、少しも楽になってないみたいです。

■その芸の細かいのを確かめに行かねばなりません。22:45LOですから、早め夕食をしておけばお夜食感覚で「うさぎ亭」に行けちゃうわけ。確かめに乗り込んだわたし、まず
●鶏の竜田揚げにメロメロになりました。むね肉がやわらかで真っ白で、薄くついた衣はサクッと歯ざわりよくて。ごくわずかピリッとした感じがするのは胡椒のほかにカレー粉やらパプリカを使っているからだと。あ"~すごい。ちなみに唐揚げの方はもっとこってりしていて、味も歯ざわりも違うものです。
●そして「やきめし」です。青菜は野沢菜、そして貝柱ゴロゴロ入っています。やきめしはサラダ油と醤油で、「おうちでお母さんが作ってくれるようなもの」をめざしたとのこと。炒飯はこれに対してごま油を使い、ふわふわ卵をご飯にからめ、味は塩で整えるとのこと。「うさぎ亭」の炒飯とやきめし、「なかじん」のお蕎麦に代わる新しい名物です。
2008年4月 30日, dans 京都 中華京都 和食08前半 | lien permanent
2008年4月21日 (月)

■週末しばし戻った京都で、1週間前の4月14日月曜日にオープンしたばかりの割烹
「京料理 藤本」に伺いました。店主の藤本貴士さんは「修伯」吉田修久さんの元で修業を積んで来た人で、吉田さんとは「京料理 まる多」時代からの長いお付き合い。あうんの呼吸で吉田さんを支えてきたのです。1978年7月生まれ、だからまだ29歳。独立を目標に器も買い集めてきたということです。あえて祇園ではなく、洛中(衣棚三条)で、路地のある築100年ほどの家を改装した店舗です。以前は居酒屋さんだったらしく、店内は確かにそんな造り。白木カウンターの割烹風情ではありませんが、イケイケの「修伯」吉田さんだって少しずつ今の形にしてこられたのだから(何百万円とかのひのきのカウンターを入れたのは4年目でした)、「藤本」さんのこれからも見守ってあげましょう。


■いただいたのは夜の10500円(税サ込み)のコースです。
●先付。どこかで見た器ですね? とり貝、ホワイトアスパラ、うに、昆布締めしたひらめと一寸豆、蓮芋、うど、焼きトマト、南瓜。 柚子の皮の炊いたのと土佐酢ジュレ。柚子の香りが全体のトーンを作って、いい感じで食事が始まります。
●お椀は、ほとんど煮物みたい、どかーんと大ボリューム、さらにすっぽんスープ仕立てとハデで、さすが「修伯」出身です。穴子の葛たたき、ふかひれ、筍、下に胡麻豆腐。



●まな板皿で向付です。これでひとり分。多種盛り合わされています。○いさきの炙り、○剣先いか、塚原の筍、淡路のうに。ピンクソルト、木の芽味噌、海苔ペーストがあしらわれています。○とろ、かんぱち、めいたかれい。○小石の中に、たいらぎ貝に酢味噌、菜の花、九条ねぎ、オレンジ。「食べさすぞ!」という藤本さんの意気込みをメラメラ感じさせたお皿です。素材よく、魚をたくさん食べた満足感で包まれました。いいぞー!

●焼物にのどぐろ、塚原の筍の木の芽焼き。
●ぐじのから揚げ甘酢あんかけ。ブロッコリー、丸茄子、三度豆。とにかく魚です。



●筍ご飯をプレゼンする藤本さん。この人懐こい笑顔、みんな「修伯」で見覚えがありますね?
●筍ご飯だけでは淡白だろうとあぶらめのつけ焼きが添えられています。わたしは筍ご飯だけで十分だけど、でもあぶらめのせてお茶漬けしたい人もいるだろう。
●デセールは3種盛り:○ラムレーズンアイスクリーム入り最中、○シャンパーニュのソルベにグレープフルーツジュレ、いちごやキウイ入り、○うぐいす餅。夜はこんな風な提供ですが、昼は7種盛りにして、「修伯」風に選べるようにするのだとか。
●このデセールもお料理も、藤本さんも一緒に作ってきた「修伯」スタイルに、藤本さん風をこれから出していかれると思います。京都にこうしてまた新しい割烹が誕生して、若い主人が頑張っていて、ちゃんと和食文化に新しい風が吹いているというのは、わたしは本当にいいことだと思うのです。みんなで応援してあげましょう!
「京料理 藤本」 京都市中京区衣棚通三条下ル了煩図子町475-10
電話 075-211-9105
12:00~13:30入店、18:00~20:00入店
定休日は未定
昼2900円、5000円、夜5000円、7000円、1万円
2008年4月 21日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年4月 8日 (火)
■掲載誌 2008年5月号「料理通信」、「WaSaBi」 |
■全国100万人の読者の皆さまご覧ください、こちらは鶏スープがベースの担担麺です。洛中どまんなか、柳馬場三条上ルに先月3月3日3時にオープンした「馳走 いなせや」さんの、今回のオープンを記念して考案されたメニューです。濃厚鶏スープに胡麻の旨みが溶け込んでみっちりとうまい・・・インパクトある名作です。元の「いなせや」さんも続けながら、新たに一軒家お屋敷でお店を構えた「馳走 いなせや」さんとは? 発売中の「
料理通信」を(どうぞお買い求めの上)ご覧くださいませ。
■「馳走 いなせや」さん、テーマにぴったりと、「料理通信」の連載ページのために巨匠ハリー中西が選んだのがオープンの3日ほど前。4月6日発売号にはあまりにもギリギリ、厚かましかったけれど「いなせや」店主の高田さんと仲良しの「なかじん」改め「うさぎ亭」
中村一臣さんにお願いしてオープン前から連れて行っていただきお話を伺ったのでした。焼き鳥だけではない新しい「いなせや」さんの魅力・・・「料理通信」にたっぷりあります。お昼は担担麺と親子丼でスタートしましたが、縁高のランチも始められ、これがまたよかったの。お昼からいい鶏肉をいただけて。近日中にアップします。そして深夜また違うお店で鶏を食べた話も。
■「
WaSaBi」5月号では「祇園 さヽ木」の佐々木浩さんに作っていただいた家庭でできる和食ルセットを公開。スタッフの皆さんが毎日順番に作るまかない料理をベースに献立を組み立てていただきました。「そんな簡単でいいの?」と思うものもあれば、「おそうざいといえどもさすが割烹だ!」\(゜o゜)/と思う技もあります。7ルセット、どうぞ「WaSaBi」を(お買い求めの上)ご覧いただきますようお願い申し上げます。
■ひとつだけ料理をお見せします。筍は口当たりやわらかでいい香り、わかめと炊いた若竹煮は春の定番中の定番、黄金の組み合わせです。このお料理を別カットでも撮影、表紙になっています。巨匠の面目躍如ね。わたしも自分の仕事が表紙になった時は本当にうれしいです。どうぞご覧になってくださいませ<(_ _)>
2008年4月 8日, dans ●掲載誌京都 和食08前半 | lien permanent
2008年4月 7日 (月)
■「河久」さんの折り詰め/●「ぎをん か波羅」準備順調です! |
■全国100万人の読者の皆さま、「しばし本サイトは飛びます」なんて言いつつ全然飛ばないのだ。だってこんなすてきな差し入れをいただいたんですもの♪ 「盛大な食事に行けないからこっぱずかしくもカフェめしだ」なんて何日か前に言ってた頃はまだよかった。ついには「家ジミごはん」、さらに進んですでに寝食を忘れ果てていたある晩、「夕食どうしているの? いま割烹で食べてるんだけど、お弁当届けてあげようか?」と友人(女性)より聖母マリアさまのような優しい電話が~。いただいたのがこの「
河久」さんの折り詰めで、彼女たちがお店で食べた手羽先揚げなんかもちょっと入っていて、鶏好きのわたしは大喜びで深く感謝。値段絶対知りたいから教えてもらったら3150円ですって。とてもお値打ちと思いました。「河久」さんらしく、取肴の中にはフライものなんかも入って少し洋エスプリ、最後まで飽きずいただけます。冷めてもおいしい、うちでいただいてもうれしい。「河久」さんは木屋町三条上ルの細い路地の奥にあります。お隣にはすてきなパティスリ「エクスキーズ」もあります。どちらも以前にもアップしていますので、もっと知りたい方はサイト内検索で探してね。(わたし今自分で探すヒマがないの~!)

●真俯瞰だとこんな。
●パッケージはこんな。千鳥文様かわいいです。
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■「ぎをん か波羅」、レセプション出席のお返事を続々いただいています。ありがとうございます。プレスレリースの準備も進んでいます。取材ならこんなこと聞きたいだろうってことを全部書いてありますので(笑)、プレスの皆さま、どうぞどうぞ掲載をお願いいたします<(_ _)> 年中ひいひい原稿を書いているわたしが作るのですから、記事を書くのにめちゃくちゃ楽なレリースのはずです。さらに、内観、外観、料理写真満載の画像CD(コワいがウマい天才ハリー中西撮影)もお付けします。すべてが画期的な「ぎをん か波羅」にどうぞご期待くださいませ<(_ _)>
2008年4月 7日, dans 東京 ぎをん か波羅京都 和食08前半 | lien permanent
2008年4月 3日 (木)

■3月下旬の日々、何だか満足できない食事が続いてしまったのです。「ぎをん か波羅」チームで異口同音に出てきたのは祇園の「
山玄茶」さんのお名前でした。「山玄茶」で、あの端正なお料理を、あの白ご飯を! 3月末のお昼にいただいたものです。
●胡麻豆腐、汲み上げ湯葉、桜なます。
●お椀は蛤しんじょう、わかめ、うぐいす菜など。

●鯛の湯引き、あぶらめの焼霜、いか、鯛の白子。
●鯛の中にうに。

●八寸は、ますの木の芽焼き、長芋を少し甘く炊いたもの、庄内麩、菜種胡麻和え、鯛の小袖寿司、海老のアーモンド揚げ、こごみの天ぷら、○つくしとわけぎ、さざえのてっぱい、○のれそれの玉締(少し火が入っている。山椒風味)、卵焼き。
●桜海老のひろうす、ふきと筍の炊き合わせ。

●夢に見た「山玄茶」の白ご飯です。塩をパラパラかけてくださいます。これが凝った塩では全くなくて、普通の精製塩なのです。



●白ご飯。今やメロメロ、死ぬ前はこれを食べたいかもしれません。
●3杯目をお茶漬けにしていただきました。
●お漬物
●上品な薄たれの味噌汁も。

●「ぎをん か波羅」代表、カズヤさんこと京都セレブ・上田一八さんです。ご家業は京都を代表する湯豆腐屋さんである「
順正」さん。創業者にして茶人であったおじいさまの上田堪一郎さんの血を継ぐ風流人でもあります。そのカズヤさんは何をしているのか?
●白ご飯にお酒を注いだのです! おじいさまがいつもこうしていらしたと。わたしはえーっ!\(゜o゜)/と驚いたのだけど、「お酒はお米から作られますね?」と言われて、ああそうか。親子漬け・・・。それは幸せそうな様子で、どうもたまらんおいしいらしいです。
●デセールは、いちごとマンゴー ワインジュレ寄せ、上にアイスクリーム。
■幸せなお昼でした。幸せという以上に、きちんとした食事で精神の安定を取り戻したのです。こういうお店があると思うだけで気持ちがぱーっと明るくなるような、「山玄茶」さんは今やそんなお店です。
2008年4月 3日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年3月30日 (日)

■全国100万人の読者の皆さま、本日わたしは東京へ向けて移動しております。京都の話題の画像がふつふつと溜まっておりますが、本日少しお休み版でお許しくださいませ。
●「せっかくだから」と京都駅改札内でばーんと張り込んで買ったのは「辻留」さんのお弁当、5250円。\(゜o゜)/びっくりする必要は実はなくて、何度か撮影もさせていただいているものです。けれど撮影でお世話になるばかりではなく、ちゃんと実際に自分で買っていただいてみるべきだというすばらしい考え方ですね~♪ このごろの若い割烹ではかなり充実したお昼をいただけるお値段だから、半端じゃあないのだけど、「お弁当作りにさすが慣れていらっしゃる」と思うのです。たとえば普段、お弁当をし慣れていない割烹に撮影用なんて言って折り詰めをお願いしたりすると、すぐにわかるのですね。そこでいただくお料理はいいけれど、お弁当としては食べにくいとか、おつゆ気が多すぎるとか、こんなんお弁当向きでないとか、無理無理詰めたなとか、新幹線でどうやって広げるねんとか、破綻が見え隠れするわけ。もちろん「頑張ってくれたんだなあ」とほほえましい気持ちでいただくわけですが、老練のお弁当にはやはり安心感があるというのは確かです。

■間隙を縫ってビックカメラへ。用事が終わってしばしの合間、飛び込んだのは22時まで営業の有楽町店です。神さまありがとう、わたしいい国に生まれました。気持ちも浮き立って、髪の毛逆立てて1分を惜しんで仕事してたのはいつのことだ? 目はハート、口はポカン状態で幸せを満喫です。21:30とかそんな時間でもわんわんと賑わっていて、違うなあ東京は♪

■いくつか買い物目標はあるものの、今これ↑に惹かれています。カシオの電子辞書は3年ほど前のモデルを持っているんだけど・・・当然電気製品の3年ものなんて、すでにアンティークですね♪ それにこれ、このたびロベール仏和大辞典が入ったっていうのはすごい。見逃せん。やっぱりカシオから逃れられぬ運命か? 液晶画面も数段きれいになっているし・・・だいたいライターが3年前の電子辞書を使っていていいのだろうか? (いいやいいはずはない♪)致し方ない、止むを得ない・・・ポイントをばーんと使って連れて帰ることになるだろう・・・
■興奮をおさめるお花。京都の自宅用に先日作ってもらった「
フローリストショップ プーゼ」のブーケです。赤というよりちょっとニュアンスカラーで。寺町二条本店の精鋭スタッフのひとり、キョウコちゃんの手になるものです。浦沢美奈さんのエスプリをちゃんと身に付けて、すごく上手に組み合わせてくれました。そして、「フローリストショップ プーゼ」が、すてきなポストカードセットを4月に売り出されます。
こちらがその内容です。なんと
宇宙航空研究開発機構とのコラボレーションという初の企画。これについては改めてお話しいたします。
2008年3月 30日, dans 京都 花★カメラ・電気製品・メカ話京都 和食08前半 | lien permanent
2008年3月20日 (木)

■仕事のロケハンであちこち訪ねて食べ歩く日々です。お庭やしつらいがテーマで、それはそれで新しい発見があって楽しいのだけど、個人的にはひたすら「食べる」に集中したい。つまり絶対間違いなくおいしい割烹へ行きたーい! というわけで昨夏以来のごぶさた、行きたい行きたいと思い続けていた「祇園にしむら」さんへ。
●まずはお決まりの胡麻豆腐。柚子を散らして、胡麻だれもほのかな酸味がひと皿めにちょうどよくて、「にしむらさんにまた来られたなあ」と安心、幸せな気分に。

●お椀は帆立しんじょう、わかめ、わらび。湯気湯気です。このお椀のおいしさときたら、和食激戦の京都でもそんなに味わえるものではないと思うのです。これはカウンターの他のお客さまとも満場一致。お客さんたち、みんな唸ったのです。しんじょうの口当たりの繊細優美なこと、どうなっているのか? きっと何かテクニックがあるのでしょう・・・

●造りは鯛、とろ。280キロのまぐろだそうです。この分厚いこと、こくのあること。そして溶けゆくおいしさ。「まぐろ食べた!」という喜び、いい肉食べに匹敵するというか、「まぐろ食べの喜び」ってあると思う。
●鯖寿司。定番鯖寿司、まだ千枚漬がのっています。やっぱりきれい。

●あまりに美しい鯖寿司、寄り寄りで。塩加減お酢加減、これ以上もこれ以下もないという、ジャストジャストなもの。厚みもちょうどいい。
●八寸は、○ほうれん草、わさび菜、せりのお浸し ○赤貝とわけぎのてっぱい ○菜花の胡麻和え、ほたるいか、からすみ、子持ち昆布。春らしい取り合わせ、やっぱり少し日本酒を飲まずにいられません。

●鴨ロース(炊きロース)に、水菜とアスパラのサラダ仕立て。鴨のやわらかで優しい口当たり絶妙。焼き物代わりとのこと。
●鯛の皮の醤油漬け。これはお酒飲みの人にはたまらんおいしさと思います。

●鯛の昆布締め。これは昆布の香りがびっちりと鯛に移っていて、ねっとりと強烈に美味。
●天ぷらは白魚、たらの芽、ふきのとう、れんこん。塩で。これも春らしい気分に。

●かに玉。かにも最後です。卵とじで、一見優しそうな風情ですがおだしが旨み強くてクラクラするよう。
●炊き合わせ。筍、ふき、丸大根、水菜、お揚げ、木の芽。またここでダメ押しみたいにおだしのおいしさを味わえて幸せ、お椀に山盛りの野菜でお料理は締め。

●鮒鮨。ここに至ってまたお酒飲めちゃう。
●ご飯とお漬物、赤だし。お椀をまずいただいてしまって、


●鮒鮨をたたいてもらって、お茶漬け。なんだか犯罪的なおいしさ。
●デセールは苺にワインジュレ、ヨーグルトソース。
●最後に、熱湯でざぶざぶ淹れてざぶざぶ飲む玉露。これやみつきにおいしい。お願いしてひと袋売っていただきました。
■「西村さんのお料理をいただきたい!」と思ったらもういてもたってもいられん状態で、ロケハンの合間を縫って、申し訳ないと思いつつ当日予約でひとりで出かけたのです。期待通りのおいしさ、「やんちゃ坊主」とか「天邪鬼」とか言われてきた人だけど、実は正確無比な料理を作られる方だと思うのです。うれしく思うのはひとり客がいつも他にもいらっしゃることで、この日はわたしを含めて3人。ひとりでも割烹に食べに行きたいっていうのは、料理をめざして行くっていうことだから、「ひとり客のいる/いない」はおいしさを測るひとつのバロメーターにもなると思います。でもひとり客お断りっていうお店もあって、「お相手をしなくちゃと気遣うから」とか、「ひとり客にはヘンな人も中にはいるから」とか、それはそれでわかります。わたし自身は昔から平気でどこでもひとりで出かけてきたので、ほっておいてくれたらひとりで写真撮ったり手帳眺めたり携帯の中身を整理したりして、いくらでも楽しく遊んでいられるのだけど、でも赤い女が目の前でわさわさしててもメーワクですね(-_-;) 「にしむら」さんでは遊ぶヒマもなくどんどん出してくださった上、他のひとり客さんたちとお話もできて楽しかった♪ 「味わう」ために来ていた人たち、食べっぷりよくて、ひと皿ごとに丁寧に感動していて、そんな風に食べることを大事にしている人たちと一緒に時間を共有できてうれしかったのです。

■四条でまた四つ葉です♪ けれど・・・またこのナンバー・・・。
2008年3月 20日, dans 京都 和食08前半京都 祇園にしむら | lien permanent
2008年3月19日 (水)


■今日も満席だった「祇園さヽ木」さん。優秀な二番手の木田康夫さんが東京のお店に行ってしまわれたからか、佐々木さんがこちらとあちらのまな板間を行ったり来たり、何だかいつもと様子が違う。お料理も何となくいつもと違っていたような。わたしも花粉症つらかったし・・・さらっといきます。
●羅臼のうに。すだちジュレの下には卵のムース。


●いいだこ。3秒炊いて3日間寝かしたとのこと。
●駿河湾の赤座海老がプレゼンされて、
●目の前でハデにさばいて塩。


●ピッツァ釜でわずか火入れされたもの。
●向附の用意に、佐々木さんは両方のまな板を行ったり来たり。
●向附は、○金目鯛 ○太刀魚 ○とり貝からし酢味噌 ○いつものとろ寿司。


●赤身ヅケ。
●お椀代わりにはまぐりのスープ仕立て。
●これと、先月と同じ「あらばしり」を飲みつつ。


●バルバリー鴨の焼いたのに、合わせ味噌ソース。
●切り分けられたもの。
●和歌山の小鮎を揚げたものと、香川のホワイトアスパラガスと一寸豆。


●あんきもソテー、
●下には大根。
●お漬物が出てきたらご飯です。


●麦ご飯を、
●よそっていただいたもの。
●自然薯のとろろ。珍しくジミ?

●岩海苔も添えられました。
●デセールはカスタードアイスクリームがこのところずっとおいしいと思います。東京にプロデュース店を構えられて、しばしばそちらとの行き来をなさっている佐々木さん。ごく近々にわたしも伺うべく東京のお店に予約を入れて帰ってきました。
■そして帰路、雨の祇園で、遠くタクシーの中から斜め前方に四つ葉を発見! 望遠最大で何とか撮ったわ♪ けれど「5695」。うー、「7212」「6301」「5695」・・・これ以外はいないのかああ??
2008年3月 19日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年3月17日 (月)
■「はしたて」で鯛煮麺/もちろんいつもの「菜心」も! |



■4月発売の雑誌の入稿やら次の手配やらロケハンやら東京・西麻布のお店(全国100万人の読者の皆さま覚えてください、
「ぎをん か波羅」です!)のことやらでもう24時間びっちり\(゜o゜)/ 画像もあふれているけれど、気楽な「普段食」のいくつかを。
●先日新幹線を降りたその足で「SUVACOスバコ・ジェイアール伊勢丹」3階の「
はしたて」へ。 ここで鯛煮麺1470円。蛍烏賊と菜種に酢味噌をかけた一品付。おだしいい香り、するすると細い優美な麺をいただいて・・・ごく短時間で「和久傳」のエスプリを味わえます。他に丼やら鍋やらに、酒の肴もいろいろと。テイクアウトもあります。手の届く和食、裾野を広げる和食、慣れ親しむ和食という意味で、駅にこういうお店があるのはやっぱり京都らしくていいと思います。「東京に暮らしていた頃なら、きっと京都を離れる前に後ろ髪引かれる思いでわたしはこれを食べたであろう」。過去を基点としての推測=フランス語で、ややこしかったけれど「前未来」だっけ? (違うかも)。とにかくそんな気持ちでいただいたのでした。

■夜遅ひとりご飯の時にやっぱり「菜心」さんはありがたい。お昼の800円ランチも一度いただきましたが、やっぱり夜がいいです。22時LOで、21時過ぎに伺うことしばしば。ある晩どさっとフォトショップやらアクセスやら、なんだかひとり燃え上がってコンピュータ関係の参考書を買い込んだ後、仕事のロケハンのこともちゃんとコースで食べる割烹のことも考えられず、チャリの進むままにこちらへ。湯気湯気で出てきたプリプリ海老餃子3個460円。ほんとうにプリプリでつやつや、至福。

●鶏の唐揚! これ旨いわ♪ 全体像と激寄りを見てね。何度かいただいています。手でつまんでかぶりついて、口紅も全部取れるけれど、ただこの世はこの鶏の唐揚だけで幸せみたいな気持ち。550円。

●香港風焼きそば900円。辛そうに見えるけれどそうでもないのです。ちゃんと味に深みがあるのです。やみつき系のおいしさ。そんなに人生は難しくない。

●また違う日、少しヨレていた晩におかゆでほっとしました。貝柱のおだしと伺ったけれど、このおかゆだけでもこのお店に出会えてよかったなあと思います。
●青菜の炒めも一緒に。試食続きの後に、なごめた夕食でした。
2008年3月 17日, dans 京都 中華京都 和食08前半 | lien permanent
2008年3月11日 (火)

■「千ひろ」さんの翌日は、こちらも発売中の「
料理通信」に載っていただいている「
御幸町つばき」夜コース。夜はアラカルトあれこれが楽しいお店として今までご紹介してきたと思いますが、今回は12600円の夜のコースをいただきました。夜コースは2度めです。前日からの続きで、あけ~みも一緒に3人で集うはずが彼女は忙し過ぎて来られず、「千ひろ」の永田裕道さんといただいたのでした。
●白魚と浜防風 よもぎあん。白魚はパリッとフリットになっていて塩気もきいています。お得意とろりとあんかけで、すっと口になじみます。
●造りはまぐろ、金目鯛、めいたかれい。

●あぶらめと山菜のお椀で春らしいです。
●長芋、とり貝、菜種、たけのこの黄身酢かけ。これも春を感じさせる佳品。いいとり貝、わたしは目の色変わるくらい好き。


●鹿児島和牛と花わさび。焼き物に和牛がきました。しっとり軟らかな肉でした。確かにアラカルトでもイベリコ豚を焼いたのなんかがありました。
●おしのぎに、きんきんに冷たい極細の白髪素麺。肉の脂分をきれいにする感じ。
●つまみ湯葉、車海老、吉野葛あん。温かい、とろっと優しいお皿でお料理の締め。前夜のコースと偶然にも似ているお皿もあり、けれど同じ春の和食のコースでもお店によって当然食後の心持ちはまったく違うから・・・決して食べ飽きることがありません。わたしこんな和食のコースなら毎日でも大喜びでいただきます。ジャンル的にはフレンチも同様に激しく好きだけど、からだ的に毎日はきついし、やっぱり最も無条件降伏状態で好きなのが和食、京都に魂を奪われてしまったのも和食のせいだし・・・。

●ぐじご飯です。炊き上がったご飯はプレゼン後、ぐじをほぐしてよそってくださいます。客ごと、昼も夜も変わらず、ひとりでも複数でも変わらず。


●お味噌汁
●お漬物 そしてご飯の後は
●宮崎マンゴー。
●最後に草の香り、よもぎ入りのわらび餅でごちそうさまでございました<(_ _)>
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■そして全国100万人の読者の皆さま、わたしはついにやりたかったことを実現したのです。何をしたかっていうと、ビックカメラ京都駅前店の2階改札口からばーんと新幹線に乗るっていうこと! そのためわざわざタクシーをビックカメラの前につけてもらい、うきうきとお買い物気分で・・・ではなく、新幹線の時間があるからバタバタと店内を駆け抜け、この改札、「西洞院口」を利用♪
30番ホームに出たわけだけど、しかしここから新幹線乗り換え改札口までがひどく遠かった。だって考えたら西洞院からほとんど烏丸まで歩くんだもんね、当たり前だ(-_-;) 荷物持って長い長いプラットホームを歩きながら、つくづくわたしはアホかと思ったのでした。
■けれど西洞院→西麻布っていう語呂が気に入ったからまあいいのだ。東京に到着後、まっすぐ向かったのは現在開店準備中、京都の友人たちが開く西麻布のお店です。わたしはお店作りのアドヴァイスと共に広報業務を担当しているのです。そしてバーカウンターで造作の調整の打ち合わせをしている人たちの中に・・・「K6」「Kugel」でおなじみの西田稔さんの顔も見えますね。京都最強チームが作る西麻布のお店とは? 5月半ばオープン、だんだんに全容を明らかにしてゆきます!
■この透ける文様は何でしょう? どうぞ皆さま楽しみにしていてください!
2008年3月 11日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年3月10日 (月)
■3月に入って続けて出かけた和食2軒。まずは「
料理通信」最新号(一昨日紹介記事あり)に出ていただいている「千ひろ」さんへ、取材させていただいた御礼がてら、あけ~みと共に伺いました。いつもなら18000円のコースですが、この晩はそれより少し軽めで。
京都ブライトンホテルのお客さまのご要望がいちばん多いコースをいただいてみるのも大事という聡明なあけ~みの希望です。

●貝柱と菜の花、いちごソース。いちごは、これまで形を残して使っていらしたと思います。わたしはこのヴァージョン初めてです。まったく好みと思うけれど、前の方が好きかもしれません。
●からすみ大根、数の子の粕漬け。いつも5種類並ぶ酒肴が今日は2種類。けれどこのからすみがあればいいのです。

●牡蠣の含め煮(温製)。プリプリの牡蠣にほんのり味がしみていていい感じ。全社生牡蠣禁止令で悲しい思いをしているあけ~み、温製でも牡蠣が食べられて大喜びです。
●お造りはいつも通り、昆布と共に供されます。

●鯛、とろ、たいらぎ貝。とろのねっとりと脂を感じさせること、鯛もまた噛み応えあって旨み強いこと。
●テンポよく出していただくお皿を、わたしたちもえらい勢いでいただいていきます。スピード感なしに食べてもおいしくないということでわたしたちは一致しているのです。

●お椀はれんこんしんじょう、粟麩、よもぎ麩。予定調和の「千ひろ」さんの味。れんこんしんじょうをくずしつつ、馥郁たる香りを楽しみつつ、あっという間にお椀をいただき・・・
●肉好きあけ~みのために永田さんが考えたのは・・・「村沢牛じゃないけどね」なんておっしゃって差し出された皿はまぐろのステーキ風。言われなければ肉と思います・・・。こってりしっかりアブラっぽくて美味~♪ ちなみにわたしは最初からずっと、予定していたより多く、「立山」を飲んでいます。

●おぼろ豆腐、上から湯葉すり流し、一寸豆。アブラっ気がきつかった後はすっきりとお豆腐。すっきりといいつつ、味も香りも濃かったのです。
●そして、なーんでもない様子で出てくる畑菜とお揚げの炊いたん。ぱきっと撮った写真もあるけれど、この湯気湯気の感じのを出します。贅を尽くした、手をかけたお皿がたたみかけるように続いた後に、何でもないこんなひと品が差し挟まれて、ひどく和ませてくれるのです。

●かぶら蒸しの蟹あんかけ。ここでまた強い一品、ゴージャス素材・蟹を使った、けれど優しい蒸し物でお料理は終わり・・・

●締めご飯はお寿司で、鯖寿司と鯛寿司を、わたしは半切れずつ。あけ~みはもっとしっかり食べていました。
●お漬物は自家製です。


●お味噌汁。
●食後にいつものジュース。
●すべてお仕事を終えられて、他のお客さまも帰られて、わたしたちとおしゃべりしつつ、糠漬けの世話をされる永田さん。何ともバランス絶妙な構成、好みも知っていただいてのコースは、ただ任せきって幸せです。そして「また明日ね!」と翌日の約束をして別れたわたしたちでした・・・。
2008年3月 10日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年3月 2日 (日)
2008年3月 1日 (土)


■多忙を極める「祇園さヽ木」の佐々木浩さん、スケジュール的に、「どうしてもこの日しかない!」 ということで、お昼営業のさなかに、わたしたち取材チームは建仁寺の塔頭群を望む2階のお座敷で撮影させていただいたのです。「祇園さヽ木」でコロッケよ♪ お店のお料理ではなくて、「家庭でできるお惣菜」というお題でオリジナルのルセットを紹介するのです! 和食ならでは、割烹ならでは、そしてイケイケ佐々木さんならではのエスプリたっぷりのお惣菜です。「さヽ木」さんの極上だし入りおからコロッケなど全7品、「
WaSaBi」4月発売5月号を、どうぞ皆さま楽しみに待っていてください!
■お昼のお客さまが終わるのを待って1階に下りて、佐々木さんを撮影です。
●チャンプルー(とWaSaBi 編集者・篠田麗加ちゃんに呼ばれていた)ではなくチャンプ君、巨匠改め「神さま」ハリー中西のアシスタントになってまる3年、場数もたくさん踏んで、今やこんな立派な仕事ぶりです。
●お仕事姿の撮影です。盛り上がってもらわなくちゃ! ぱーっと、楽しい気分が写らなくちゃ! 「かっちょいいわ~佐々木さん♪」というわたしに「もうええて。刺すで。はよ撮ってな。」
●この気力漲る様子よ。もうほんとどうしようもないとわたしは思うのです。人というのは(物でも店でもだけど)、持ってるパワーが、気力のありなしがすぐに見えちゃう! ひとりで建仁寺近くの家屋を地べたごと買ってお店にして、ピッツァ釜をクレーンで吊り上げて設置して、開店したら毎晩ぴたっと18:30からわんわんと常に満席で、お料理は華やかで力があっておいしくて。泣く子もぶっ倒れるような驚異的なことをしちゃう人、この気力充実、意気軒昂なさまは、これまた神業=ハリー中西の手によって、あっという間にすべて写真に写されるわけです。

■まかない時間に突入しました。なんだかいい香りがしてたまらなーいと思ったら、いかにもおいしそう! な焼きそばよ♪
●カウンターに皆さんがずらりと並んで食べるの図。手前から佐々木さん、木田さん、小川さん・・・とちゃんと順番になっているのです。いちばん奥にご飯があって、お椀によそわれたご飯はリレー式にこちらへ回ってくるのです。佐々木さんはこの時間をとても大事にしていらして、外で打ち合わせがあってお昼を召し上がっても必ず戻ってきてみんなと一緒にまかないを食べる、と。スタッフが順番に作るまかないで、皆さんの得手不得手など性格もよくわかり、またみんなが自由に話せる貴重な場であるからなのです。わたしたちもカウンター右端に同席させていただき、撮影した「家庭料理」をいただいたのでした。「焼きそばええなあ」と神さまハリーは言ってたけど。(言うと思ったよ。)2月の「祇園さヽ木」のお料理も近日中に・・・<(_ _)>
■夜はあけ~み・
京都ブライトンホテル稀代のコンシエルジュ小山明美と「千ひろ」さんへ。先日「
料理通信」で取材させていただいた御礼がてらの夕食です。こちらも近日中にお料理をお見せいたします。
<(_ _)>
2008年3月 1日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年2月29日 (金)
■花贈り/「小豆家 うさぎ亭」おめでとう!/新マシンと珈琲豆 |
■3月になんなんとするのに2月のお料理の画像がまだまだあふれており、近々に写真50点近く組む長大なのも控えているのですが、日を改めて。なぜか不思議なのだけど、日によって、いつもと同じ作業をしているのに写真が絶望的にうまく配置されないことがあるからです。html画面でいろいろやってみてもダメ。時々ムダに改行を入れたらすっとうまくいったりもするのだけど、意味がないこともある。以前サポートセンターに問い合わせたこともあるのだけど、結局解決してはくれなかった。だいたいわたしのように大量に写真を組むことを想定されていない? 昨日の「山玄茶」も一度にアップするつもりだったのが、前半であまりに四苦八苦したので、前編と後編に分けるということにしたのです。あがくほどに触るほどに写真と写真の間に6写真分くらいのスペースが勝手に空いてしまったり。編集画面で消したはずの写真が、html 画面で見ると消えてなかったりするのですね。何でだ?? だいたいいつでも30分~1時間刻みくらいで予定を立てて人生が回っているのに、10分で組めると思ったものが40分かかっても1記事も組めないことがあります。予定狂います。これは【撮った写真セレクション/画像処理/テクスト打ち込み、データ確認/順番や流れを考えてざっとラフを書く】という、わたしがこのサイトアップのためにやっていることの話ではなくて、純粋にココログ記事編集画面で、アップ用の文と写真を最終的に組む作業のことを言っています。
■久しぶりにひどく手間取ったので、以上熱く述べてしまった・・・(-_-;)。心穏やかになるべく午後の仕事の合間に「
フローリストショップ プーゼ」に向かったのです。お花が店内にあふれ返って夢みたいに美しくて、大丈夫、人生って、ちゃんとバランス取れています。大変な思いをしても、わずらいがあっても、必ず気持ちがなごむように、うれしいことに恵まれてまた生きていけるようにプログラムされているとわたしは思うのです。生きるためにこの世に生まれてきたわけでしょう? だから誰でも、絶対に生き続けられるようになってるのよ初めから。わたしも断崖絶壁から落ちるような思いを何度かしてきた人生だけど、いつも劇的に救ってくれる人が現れて、結果的にはつねに前よりもいい状態に、前よりも幸せになってきました。だから心配しないこと、人生に人生をゆだねること。・・・なんてことを、ほんの瞬間なのだけど、「フローリストショップ プーゼ」でしばしば思うのです。きれいなお花に恵まれて幸せだなあと。だからわたしも大事な人にはお花を贈りたくてしょうがない。
●昨年末に浦沢美奈さんにシャンパーニュ+お花を作っていただいたのがすばらしかったので、今回はお菓子を持ち込んでお誕生日祝いのパニエを作っていただきました。黄色とオレンジでハデめにというお願いです。
■これはいつもの「パリスタイル、真っ赤」です。お贈りしたのは・・・「素料理 虚無蕎望 なかじん」を先日閉店された中村一臣さんと「うさぎ亭」の中村薫さん。
■「
小豆家 うさぎ亭」明日リニューアルオープンです! おめでとう! おふたりで一緒にお店をできるようになってうれしそうです。プレオープンを28,29日となさったので、ごく軽くいただきに伺いました。
■メニューは本当に「なかじん」時代と変わらずですね? 「そばなしのなかじん」さんです。

●温野菜のサラダ へしこのバーニャカウダ、卵をとろりと割りつつ。半年ほど漬けた自家製へしこがソースのベースです。なんともたまらんおいしさ、癖になりそうです。「なかじん」時代と同様パンがつきます。ソースをきれいに掬えるようにという配慮です。いただきましたあっという間に、犬が皿を舐めるみたいにきれいに!


●白魚と菜の花の玉子とじ、
●地鶏の唐揚げ、
●生からすみのお茶漬け。以上アルコール気なしで軽く夕食でした。軽く夕食・・・といいつつ、どれもが本当においしかった!
■いい国、ビックカメラです。
これがやっと入荷したのです。予約していた実質1万円の新コンピュータが。(2月6日の記事にこの件あり。)早く欲しかった! のどから手が5本くらい出ていました。
■大喜び状態なのに、設定する間がない~! 明日朝まで徹夜かわたし?明日は明日で朝から撮影よ♪ 「
カフェ・ヴェルディ」のマラウイを飲んで頑張ります。正確には、「マラウイ・ゲイシャ・ビフュア」、最近販売を再開なさった珈琲豆です。
■読者の皆さまからいただくメールのお返事を。●まず、おひとりずつにご返信できていないことお許しください。しばらく前までは何としても全部お返事しようとしていましたが、今はすでに量的に難しくて・・・<(_ _)>●「室町和久傳」を退社なさった緒方俊郎さんも、●「祇園花霞」を辞められた末友久史さんも、どちらも次に向けてお元気で準備中でいらっしゃいます。以上2件が最近最も多くいただくご質問です<(_ _)> ●「京都和久傳」料理長でいらした筒井さんのご冥福を祈って合掌、●「黒猫堂」高橋由美子さんの急逝にも合掌。お知らせメールをくださった方々に感謝します。
2008年2月 29日, dans 京都 洛中あちこち京都 花京都 和食08前半 | lien permanent
2008年2月28日 (木)
■「山玄茶」 2008年2月10日過ぎと、20日過ぎの夜(後編) |
2008年2月 28日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
■「山玄茶」 2008年2月10日過ぎと、20日過ぎの夜(前編) |


■わたしたちは「
山玄茶」にメロメロになったのです。大人の落ち着き、茶懐石の流れを汲むお店ならではの料理の美しさ、美しいだけでなくお味もよく、さらに白いご飯の圧倒的なおいしさなどなどで。昨年の年末わたしが久しぶりに伺って感動を新たにし、2月初めに3人で伺い完全に魅了されました。(以上はいずれもお昼。)春にオープンする西麻布のお店のスタッフたちを呼び寄せるに当たっていろいろなアレンジをしましたが、「山玄茶」さんをはずさないようにというのがオーナーたちの要望だったのです。そんなわけで、2月の10日過ぎと20日過ぎの夜の「山玄茶」、16500円のコースです。
■まずは前編、2月10日過ぎのある晩です。
●ちょっと「かわいらしいめ」がご主人のお好みです。
●先付は菜種、紅芯大根、たいらぎ貝、蒸しあわび、あわびにこごり、下に黄身酢、生姜酢がけ。
●お椀は湯葉、くえ、聖護院かぶらの吹雪仕立て、うぐいす菜。

●お造りはかわはぎ、いか、車海老の湯引き、三重県のしまあじ。肝醤油、梅肉醤油、土佐醤油と。


●近江牛のミスジの治部煮の寿司。
●太刀魚のしば漬焼き、青み大根に金山寺味噌、能登のもずく。
●八寸 蓋の器から時計まわりに、○わけぎと赤貝のてっぱい ○生麩付け焼き(中にクリームチーズ)、水菜とお揚げのお浸し ○ふぐの白子焼き、○うるい、うど、ほっき貝。
●ご飯のプレゼンでまた盛り上がります。
●オレンジのジュレにいちご・あまおう。●百合根あんの自家製のお菓子「雪餅」。オレンジ部分は干し柿。●お薄で締めです。
2008年2月 28日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年2月26日 (火)
2008年2月25日 (月)


■この2日間、お昼に出かけた和食2軒はいずれも料理長が入れ替わったところです。まずは「
室町和久傳」、1月上旬で退社された緒方俊郎さんの後を継いで料理長になられた森良太さんの、お昼の6300円のコースです。


●お部屋に5人で入れていただき、
●おぶをいただき、青竹のお酒といういつも通りのスタートです。


●つまみ湯葉、たたきわらび、葛あん。熱くて濃い目で、吹雪だったお昼の気分にぴったり合った先付。
●春キャベツと菜種、こごみのごまからし和え。春ですもうすぐ。切り胡麻たっぷりで香りがすごくいい。
●ぐじの造りが、水の流れのように盛られてきれい。


●うど、浜防風のうすい豆スープ。うすい豆の風味が優しくも鮮やかでコース中とりわけ好きだったひと皿。
●まなかつおの幽庵焼き、鷹ケ峯ねぎと。
●車海老の土佐酢ジュレ、下にタピオカ。焼物の後にすっきりとした一品でメリハリを出していらっしゃいます。


●まて貝と丸大根、はまぐりだしの葛あん。あるかなきかのおだし風味のこの大根はすごく「和久傳」ぽい。ほわっと温かく優しく、コースが終盤に向かっていく感じ。
●炙った海苔でぐるりと覆われた、貝柱のお寿司。ご飯はかなり酢も甘みもはっきりしています。関西の寿司飯。うー、これはまったく好き嫌いがはっきりすると思う。好きな人にとってはたまらんおいしいと思います。わたしとしては値段を上げてでも、いつもの夜のように選択肢を増やした方がいいかもと思います。牛肉ご飯おいしい、麺類楽しい、鯛茶漬け幸せ。それを知っている分、選べたらより楽しいだろうなと思いました。

●豆腐、一寸豆、和三盆蜜かけ。すっきりしたデセール。ガラス皿きれい。
●冷たい京番茶で締め。 名古屋店から急遽京都に戻っていらしたという森良太さんは、京都駅の「京都和久傳」時代から緒方さんのもとでみっちり仕事なさってきた方です。緒方さんの頃の料理を感じさせつつ、当然やっぱりどこか違います。また季節が巡ったらお料理をいただきに伺います。
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■「
祇園花霞」、前任者末友久史さんの後を継いで、2月12日から料理長をつとめる西川正芳さんのお料理、お昼の4500円のコースです。
●ひらめの南蛮漬、信長ねぎの焼いたの、車海老、ふき、菜の花、小芋、なまこ。酸味のジュレがけ、さいの目の長芋がシャリっといい食感。おおーっ、やるなあという感じ。
●まだ寒い今うれしいかぶら蒸し。おだしおいしいです。ここで結構メロメロモードに。


●城陽の筍の木の芽焼き。これからどんどんおいしくなる筍、もうすぐ春だ。
●とろりと温かいひと皿、パリパリれんこんチップの下には東寺揚げ(湯葉の揚げたの、中に魚すり身でリッチ)、海老芋、春の山野草(うるい、こごみ、せり、わらび)あんかけ。やさしくて香りよくて充実感あり。



●豆ごはん、おだしの味があるかなきかで豆の風味を邪魔せず、豆はわずか硬めで食感をはっきり感じさせて見事。
●赤だしはシャリシャリとみょうががいい感じ、
●お漬け物もたっぷりと。


●デセールはいちごとキウイ、下にいよかんソルベ、タピオカも。梅風味ジュレがけ。
●かぶせ茶ですっきりと。
●この顔で迎えられて、「あっ!」と思ったわけです。建仁寺横へ移転前の「祇園さヽ木」さんにいらした西川正芳さん、いくつかの料理屋さんを経てしっかりキャリアを積まれて祇園に戻って来られました。この「祇園花霞」、オーナーはいらっしゃるけれど、「全部好きにせい」状態らしくて、気力漲った様子が料理から十分伝わってきました。前任者・末友久史さんが作ったいい評判を大切にしながら、これからこの方の色を出していかれると思います。
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■今日の四つ葉■「祇園花霞」からの帰り道に行き会いました。「5695」・・・前に「遊形サロン・ド・テ」で遭遇したものです。急にこっちに来るんだから、チャリ飛び降りてカメラ取り出して命がけよ
♪
2008年2月 25日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年2月24日 (日)

■もう春かと思うほど暖かだった週末のお昼、「菊乃井」さんの本店に伺いました。春にオープンする西麻布のお店のスタッフを東京から迎えて、5人で会食です。

●ちょうど1年ほど前に造られたこの洋間、見せていただいて以来ここで一度食事ができればと思っていたのです。
2007年2月の記事。楕円形のテーブルは、4人でちょうどよい大きさなのですが、ちょっと無理をお願いして詰めて5人で。

●お酒をひと口、食前にいただき、
●絵馬の形の木のお皿で、如月の八寸。初午と梅花祭を表現しています。○いわしと海老の手綱寿司、○のし梅、○たらの子で作った落雁(中に金時にんじんと百合根)、○梅豆腐、○菜種のからし和え、○わさび菜のお浸し、○白魚の柚子煮、○ふきのとう味噌漬け、○黒豆。

●造りは、しびまぐろ、鯛、車海老。水仙の器はこの時季だけ使われるもので、ご主人の村田吉弘さんが意匠を考えられたものです。
●お椀が供されて・・・

●お椀は、薄氷仕立て。透けるように薄くスライスした聖護院かぶらの下に、丸胡麻豆腐。すっぽんの身入りの胡麻豆腐です。梅花祭にちなんで絵馬形のくわい、梅の形のにんじんと大根、草餅、焼きねぎ。すっぽんスープで本当に温まります。

●まなかつおの南蛮焼き。みじん切りにしたねぎ、生姜、柚子の皮をのせて焼いた、非常にパンチのあるお皿です。編み笠柚子と。
●小ぶりで粋な器が供されて・・・

●海老のひと口スープ。海老の頭で取っただしを昆布だしと合わせたもので、生姜の香りがアクセントになっています。
●京野菜鍋。ほぐした紅ずわい蟹の身がたっぷり入ったスープに、海老芋、かぶら、大根、畑菜、金時にんじん、湯葉。

●うなぎご飯と粕汁。
●デセールに、きんかんのソルベ・いちごのスープ。

●生姜の風味の羊羹に、
●お薄で締めです。 以上お昼の1万円のコースでした。瀟洒なお部屋で、光の入るお昼間にゆったりと食事ができて、贅沢な気分になれました。量もたっぷり、全部いただききれないほど、どのお皿も量感がありました。器の上質なこともさすがの「菊乃井」さんでした。いつもひたすら旨いものを求めて割烹にばかり行きますが、料亭はお料理と、日常とは違うしつらえと時間を味わうところです。サーヴィスも丁寧にしていただきました。若女将の村田紫帆さんもりりしく仕事しておられて、頼もしかったのでした。
2008年2月 24日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年2月21日 (木)

■先斗町の名店「啐啄つか本」にしばらくぶりに伺いました。4、5日前の雪の舞う寒い晩、遅めスタートで。眠らぬパン職人でフランスかぶれ、「ル・プチメック」の西山逸成と一緒です。
●ぐじと蟹の玉締め。

●ひらめの子と豆の炊物。

●白子と生麩の白味噌汁
●ひらめの造りとあんきも

●塩鯖とまぐろ赤身の寿司
●ふきのとう天ぷらとふき味噌、のどぐろの天ぷら。

●丹波の合鴨と、鴨の脂で炊いた大根。

●うるいと菜の花、浜防風


●お餅の衣で揚げた薯蕷饅頭あんかけ、中に青首鴨のせせり(首)挽肉とぎんなん。
●久しぶりのおろしそば。
●そば湯。
●ル・レクチェ、いちご、和三盆でマリネしたまろやかなグレープフルーツ。
★以上、3月22日に写真を入れたヴァージョンです<(_ _)>
2008年2月 21日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
■「啐啄つか本」 2008年2月 写真なしヴァージョン |
■4、5日前の雪の舞う晩、先斗町の「啐啄つか本」にしばらくぶりに伺いました。眠らぬパン職人にして稀代のフランスかぶれ、「ル・プチメック」の西山逸成と一緒に、遅めのスタートです。
●ぐじと蟹の玉締め。まずは温かい先付から。ぐじと蟹風味のロワイヤル、口当たり優しく、いいスタートです。
●ひらめの子と豆の炊物。プチプチ感を楽しむひらめの子の炊いたのに、やわらかな豆が調和しています。
●白子と生麩の白味噌汁。白味噌の塩梅がいいから伺うと、「山利商店」のものと、もう一種類をブレンドして、サラサラ感と軽やかさを出されたと。
●ひらめの造りとあんきも。ひらめはねぎを巻きつつ。歯に当たった時にちょうど心地いい厚さ。
●塩鯖とまぐろ赤身の寿司。おしのぎにお寿司を握りで。塩鯖はつやつやで塩気ほどよく、忘れ難いおいしさ。
●ふきのとう天ぷらとふき味噌、のどぐろの天ぷら。お皿の上のふきのとうで春のきざしを感じて喜び、のどぐろを天ぷらでというオリジナリテに驚く。ただオリジナルというだけでなく、噛めば表面は軽く衣のカリッとした食感で、中はやわらか熱々で、すごくいい香り。猛烈旨い。
●丹波の合鴨と、鴨の脂で炊いた大根。鴨肉がやわらかく炊けていて旨み強くて、味の染みた大根がまた感涙のおいしさ。
●うるいと菜の花、浜防風。熱いお皿が続いた後に、さっぱりと箸休め的なお皿です。絶妙なバランスです。
●お餅の衣の薯蕷饅頭あんかけ、中に青首鴨のせせり(首)挽肉とぎんなん。今度は熱々でとろとろ、しみじみ美味、後からじわじわ余韻。
●おろしそばは久しぶりです。開店当初、これは看板メニューでした。今はご飯ものもさまざま出されるようになって、むしろおそばの方が少ないみたいです。
●とろっとしたそば湯でおだしを割って全部くいくい飲んでしまう。温まります。
●ル・レクチェ、いちご、和三盆でマリネしたまろやかなグレープフルーツ。
■写真がないと・・・すごくヘンでしょう? やっててもまるで感じが出ないです。画像自体はもちろんたっぷりあって、セレクトもしてあります。けれど、「個人サイトに写真を出すな」と希望されるお客さまがいらっしゃるとのことで、そのご希望を尊重して。「食べる前から料理が全部わかってしまうとつまらないから画像の露出を控えるように」というご希望らしいです。(もし見つけられても、目をそむけて見ないでくださればいいのになあと思うのですが。)で、店主の塚本英雄さんいわく、別に取材を受けるなということではないらしいのです。媒体への露出がいけないのではなく、すぐに画像が世に出るのがいけないらしい。だから、このサイトでも、スクロールしてもこの記事が出てこなくなった時点で、(つまり30記事=およそ1ヶ月分がこの上に積み重なって、すぐに出てこなくなった時点で、)写真を入れてひっそりと再アップしておくことにします。端正なお料理、華麗ではないけれど、見るからにおいしそうなお皿の連続でした。若いのに大人びたシックな料理(まあ年齢ってほとんど関係ないけれど)を作られ、それでいて新鮮さを感じさせるのがすごいです。2003年4月に31歳で独立されて、それからほぼ5年。初めから大人びていたけれど、より洗練度の高い仕事をされていると思います。それも本当ににこやかに、楽しそうに。わたしはこういった京都のよきものをリアルタイムで伝えたくてメラメラとこのサイトをやっているわけですが、いろいろ考え併せて、今回はこんな風です。
2008年2月 21日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年2月18日 (月)
■「はしたて」お弁当~●丸の内ショコラ~西麻布の現場 |

■京都駅・西口改札前に先週13日にオープンした「スバコ・ジェイアール京都伊勢丹」をさささと見て、「
はしたて」=「和久傳」の経営になる丼やお鍋のお店でお弁当を確保して新幹線に飛び乗り東京へ移動。鯛赤飯押し寿司弁当2100円。品書きは写真パネルでプレゼンされていて、「和久傳」さんすごいなあ。このお弁当はちょっとまだ途上にあるものだと思いましたが、次回に期待します。わたし和久傳ファンなんだから。今週末は「室町和久傳」でまたお食事いただきます♪

■有楽町の駅で降りてまっしぐら、「
ラ・メゾン・デュ・ショコラ」へ。袋入りトリュフ、コロラス、オランジェット、プレイエル小分け版、と決めていたのです。平日というのにごった返す店内、スタッフの方を呼びとめるのすら申し訳ないと思うほど。プレイエルは売り切れていたけれど、他はつつがなく入手。袋入りトリュフでも100gで3400円、だから3袋も買えばそれだけで1万円になっちゃうのだけど、でも価値あるから。おいしさと同時にプレスティージュ感も買うのです。「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」をプレゼントする時、やっぱりその「ちょっと贅沢な感じ」もわかってくれる人にあげたいと思うのです。大切な人にしか贈ってないけど♪

●アリバやタマナコなどガナッシュを楽しむショコラに関しては濃い色の新パッケージになるということで、箱がシックで見飽きることがありません。箱を食べるんじゃないけれど、でも見かけは大事よ。人でも物でも。何でも美しくなければいけないとわたしは思う。せめて美しくあろうとしていなければ。
●止まらんコロラスにうっとりコニャックトリュフ・・・食べ尽くしても、わたしはしばし袋を置いておくのです。だって空になってもまだショコラの高貴な香りが残ってるんだもん。

■「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」を出たら・・・すぐ先にビックカメラがあって、外観が見えただけで目がうるうるするほど幸せ、しばしコンピュータの売り場をチェックして、わたしは気が済んだので新幹線に乗って京都に戻ったのでした。
・・・というのはいくらなんでも嘘で、ちゃんと現場視察と打ち合わせという仕事があったのです。
■もうひとつだけ、過ぎたけれど京都ヴァレインタインネタを。14日夕方、「なんだこりゃ~!?」というタイトルで届いた写メール、くださったのはもちろん「なかじん」中村一臣さんです。おびただしい四つ葉タクシーだけではなく、ヴァレンタイン特別仕様車にまで遭遇したとは\(゜o゜)/。。ヤサカ発見に関して天才的な人です。その後、わたしヤサカを選んで乗って(といっても三つ葉よ、)運転手さんに取材してみたら・・・ヴァレインタイン仕様車は13日と14日の2日間のみ走るもので、全8台。朝から行灯も付け替えサイドの三つ葉マークも赤にしてと、結構な作業がなされるとのことでした。運よく乗れたら、四つ葉と同様、赤三つ葉記念カードをくださるんですって。赤三つ葉カードよ♪ ちなみにヤサカに電話をして「どうか四つ葉をまわしてください」とお願いをしたとしても、「それは絶対に応じられません」ですって。東京のセレブだろうと外国の賓客だろうと同様で、あくまで「偶然に乗っていただく」ことを守っていらっしゃるのだそうです。
2008年2月 18日, dans 東京 都内あちこち京都 和食08前半 | lien permanent
2008年2月 8日 (金)
●お椀は筍、焼き穴子、湯葉、椎茸、くわい、菜の花、にんじん。●お造りは、ひらめ、よこわ、たいらぎ貝。

●八寸は○なまこの白和え、○ずわい蟹といくらとうるい、○鯖寿司、○まな鰹の西京焼き、○くわいカステラ。
●筍と鯛の白子蒸し。

●はまぐり雑炊
●グラスデセールは柚子ソルベ、えんどう豆のババロア、いちご。

●自家製のお菓子が供されて
●お薄で〆です。こちらもまた充実感のあるコース、平日昼の遅めの時間に伺いましたがほぼ満席でした。ひどく突出することなく、バランスよく中庸の道を行くお店。祇園で、緊張を強いられることなく京都気分を満たしてくれる優しいお店。幅広い層から、静かに長く愛されるお店だと思います。本当に京都は和食の国、東京でイタリアンが選びきれないほどあるのと同じような感じで、星の数ほど和食店があり、お店ごとあり方が明確に違います。予約を取るために暴動まで起こりそうなどハデなところから、3代前の創業時からこの造作この品書きですという風に時間が止まっているようなお店(使い込まれたカウンターは見事に窪んでいたりする。けれどちゃんと常連客がついている)まで、いろいろさまざま。たくさん訪れれば必ず自分に合う1軒が見つかるし、そうしたら四季を通じてお料理をいただきたくなるし、人生を共にしてくれるような感じの長いお付き合いになるかもしれません。たとえ遠方だとしても、1年に1回か2回でも、覚えていて定期的に来店してくださるお客さんは本当にうれしいと、お店を続けて10年ほどになる方が話していらしたことがあります。いいお店とのお付き合いは人とのお付き合いと同じだから大切に、ていねいに。
■撮影で移動中に、また見ましたヤサカの四つ葉を! ちょうど「なん波」さんを四条側に出てきたところで。でもまた「6301」なのよ。ああ~残る1台が見られない!
2008年2月 8日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年2月 7日 (木)
■今日と明日とで祇園のお昼割烹を2軒お見せします。5分と離れていないこの2軒、お昼はいずれも5500円(正確には「山玄茶」5500円、「祇園なん波」5520円)。いずれもコースで、昼夜共にご主人がみずからお料理していらして(お昼は二番手に任せるというスタイルもあります)、けれどお値段半額ほどで夜とそう変わらない構成が楽しめるから、非常なお得感があるというものです。
●まずは「山玄茶」から。昨年末のあるお昼に久しぶりで伺って以来、わたしはうわ言のように言い続けたのです。「白いご飯がおいしかった、あのご飯は圧倒的だった、忘れられない」と。京都セレブにして美味への探究心旺盛なカズヤさんたちが「では一度そのご飯を」ということになり、白いご飯をめざしてあるお昼祇園に集うことになりました。
●冒頭の写真は4皿目、黄金の皿に盛られた華麗な八寸です。○ますの木の芽焼き、○椎茸の天ぷら、○わかさぎの天ぷら、○セロリとその上に金山寺味噌(年に2回だけ開けられるもの)、○水菜とお揚げの浸し ○菊菜と大徳寺麩 ○あんこう肝チリ酢和え ○節分前で海苔巻き。中に穴子やきゅうり、いくらなど。

●酸味の先付で始まって、うるい、白魚、蒸しあわび、赤貝とにこごり、底に黄身酢。
●お椀はかぶらの吹雪仕立て。雲子、自家製厚揚げ、うぐいす菜。


●造りはひらめ、霜降りにした帆立にうに、しまあじ。
●ここで冒頭の黄金皿の八寸が入り、
●続く炊きものは海老入りのひろうすに海老芋、菜の花あんかけ。
●そしてご飯がプレゼンされ、ご主人の増田さんがサーヴィスもしてくださいます。

●湯気湯気・・・
●つやつやのご飯です。このご飯のために訪れた価値がありました!


●お漬物
●赤だし
●釜揚げしらすをお酒と薄口醤油のみで炊いたふわふわやわらかなもの。

●このあとこのおじゃこでご飯をお茶漬けに。
●デセールは脚付グラスにいちごとあんぽ柿、パパイアのワインジュレ寄せ。
●「うちは居酒屋です。気軽に食べて飲んでわいわいやって楽しんでくださればいいと思っています。料理屋というとお高く止まっているように見える。うちは一流とは違う、0,5流です。器もしつらいも招福楼にはかないませんから。」と謙遜なさるご主人ですが、「けれど料理だけは招福楼に負けません。」と、料理への自信はしっかりと。たくさん割烹がある祇園でも、美しく味が決まったお料理がいただけて、いいもの好きの人にもおすすめできることを再確認したお昼でした。続き「祇園なん波」は明日ご覧に入れます<(_ _)>
2008年2月 7日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年2月 5日 (火)

■お昼に手軽にいただけて、充実感もある和食コースといえば、御幸町三条上ルの「
御幸町つばき」です。ちょっと前にいただいた3890円のコース「こうひ」より、
●先附には祝餅、蟹、生姜、吉野。中にお餅が入っていて、蟹のあんがたっぷりと。生姜も効いていて、身体はポカポカに。

●向附=お造りはぶり、鯛、ひらめ。
●お椀は京野菜の白味噌仕立て。彩り美しくはんなり、本当に京都らしい味わい。

●和え物は紅白人参大根、鮭、土佐酢のジュレ。胡麻がいい香りを添えています。お椀の後にさっぱりと酸味も効いて、いい調和です。
●地鶏とねぎ 春雨あん。また温かなお皿です。地鶏の旨みにあんが絡んで優しいひと皿でお料理は終わり。


●飛子といくらの釜めしが料理長の野口さんからプレゼンされます。客ごと、炊きたて。これに赤だしとお漬物もつきました。わたしの隣で写真を撮っているのは「
WaSaBi」編集長の中原ひでこさん。東京からいらして、打ち合わせがてらのお昼だったのです。
●食後のお菓子は「寒ざらし」。これをいただいた後、「WaSaBi」を創刊以来の長きにわたって常にラックに置いていらっしゃるお店「
カフェ・ヴェルディ」まで移動して、春の号のページについてさらに打ち合わせ。その時いただいたのが1月27日付にあるスパイシー・カフェオレでした。小雪の舞う寒い寒い日だったけれど、思い出しても温かいお料理としばらくぶりに会えてうれしかった中原ひでこさんとのお話・・・なんだかすでにかなり前のことのよう。すべては美味にばしっと決まり、ひどく楽しかったひと時でした。
2008年2月 5日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年2月 3日 (日)

■女3人で集った荒神口の「味 ほんざわ」さんで、ただもうひたすら蟹をお腹いっぱい、アホのようにいただいたのです。蟹だけでほぼ満腹になるまで。「ほんざわ」さんは割烹でもないし居酒屋でもないお料理やさんです。普段に心地よく訪れることができて気張らずいただけるいいお店。けれどとりわけ蟹の季節に価値があると思うのです。店内入るとすぐに間人(たいざ)の蟹が水槽に折り重なっています。目の前でそこから出したのをさばいてもらってシンプルに焼き蟹に。満場一致で「焼き蟹がいちばん好き!」だったから。


●いつもぱーっと華麗な女王、
リビング京都の藤田晶子さんと東京から週末戻っていた惠利千栄さんと共に、小上がりで「食べるぞ」の態勢で食事が始まりました。魚介尽くしです。わたしたちを驚かそうととりわけお椀は黒海老とげんげなんて珍しい素材を使ってくださって、とろりぬめりの食感、わたしは人生で2度目です。

●間人蟹のタグです。14,15年海にいた蟹でした。
●焼きの前に茹で蟹もいただいていたのです。塩けは一切加えていないとのことですが、吸った海水の塩分でほんのり塩けがあります。脱皮したての若い蟹で、殻が柔らかいのです。

●洛西の筍はもう柔らかでいい香り、そして殻ごといただける黒海老も焼いて。
●締めに、蟹の殻でおだしをとって雑炊を作っていただきました。蟹で満腹・・・
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■その前に訪れたのが同時代ギャラリーで開かれた「Kao展」という写真展の最終日の最後の時間。関西を代表するカメラマンの皆さんのグループ展でした。
●「まさか知ってはると思いますが、今日最終日ですよ」と昼頃に電話をくれたのがエディ大村=顔を見せぬこのオレンジの服をお召しになった後姿のカメラマン改め神さまのお弟子さまです。独立前はこの神さまについてどこでも撮影に一緒に来てくれたもんだ、ようしゃべったもんだああ~!
●神さまハリー中西のお弟子さんたち3人。左から現アシスタント・チャンプに、真ん中がエディ、右が優しいシゲさん=鈴木誠一さんです。感じのいい朗らかな人たち・・・師匠さまと違って。なんてわたし言いませんよ♪

●ふだん神さまの顔は簡単には拝めません。ところが~! 見てよこの稀有なる写真を。シゲさんの作品です。神さまこんなに笑えるんだ・・・\(゜o゜)/・・・24人の方のさまざまな作品を拝見しましたがこれが一番強烈なびっくりでした。神さまと同じ服を着て笑わせたシゲさん、本当に偉業ですこれは。<(_ _)>
2008年2月 3日, dans 京都 イヴェント京都 和食08前半 | lien permanent
2008年1月24日 (木)


■今年初めての「祇園さヽ木」さんです。いつも通り、18:30には満席のカウンターに全員着席! のはずなんだけど、出る直前まで打ち合わせが終わらず、あろうことかわたし10分遅れました。いかん。<(_ _)>。激しくお詫びするも、「アンタ今日は一品抜きやで」と怒られたああ\(゜o゜)/。。。
●凍て付く晩に、まずは温かい先付、うにがのったロワイヤルです。やわやわの茶碗蒸し、中はナチュールで何も入っていなくて、上にねっとりとろりのうに、細かくした百合根。しゃりしゃりの食感がアクセントとなって心地いいです。
●ビーフン、パリパリにした自家製からすみはサイコロ状で、塩気と香りがいい感じ。この時点から日本酒「ゆすら」をすーすーと。

●みんなにはあわび。けれどわたしはあわびや蛸のムニムニが好きじゃなくて、ふぐの味噌漬け。これもちょっととんでもなく香味豊かでおいしかった♪

●「魚ばかりだったから」と、ここでお揚げと水菜のさっと煮が出されます。何でもなくかんたーんに見えながら、おだしのおいしさが格別で、うんまーいと唸る仕掛けになっているのです。炙ったお揚げ、香ばしかった・・・ここで料理してもらえるなんて、幸せなお揚げ、お揚げのエリートだと思う。
●唸っているうちに津居山港の蟹がどかーんとハデにプレゼンされます。今日も蟹が食べられるわけね♪ このハデっちいこと、劇場的盛り上がり・・・いつも通りです。



●ハデな蟹さばきショーが繰り広げられます。みんなの注目を浴びつつダイナミックに蟹をバラすの、気分いいだろうなあ。見守る客の方は蟹への期待で最高にうきうき気分だし。
●まずは2分ほどピッツァ釜で火を入れた蟹の脚です。塩だけで十分すぎる美味・・・トロっとやわらかで、うそ~と思うほど甘い甘い甘い。
●こうして身を出して食べやすくしてくださるのです。
●2度目は3分ほどピッツァ釜に入れたもので、しっかり熱が入ったものはさきほどのレア状態とはまた違ったおいしさです。

●そして最後の「ぐつぐつ」は白子のグラタン、これも真冬の楽しみです。昆布だしベースにとろとろの白子ピュレ、ポン酢風味って、禁断のおいしさ・・・犯罪的だ。

●ご飯は筍とふきのご飯。ああ完璧なおいしさ♪ 香り最高、もう春の気分。

●さわやかなデセールに突入、プリン風味のアイスクリームにいちご、でこぽん、ブルーベリーなどがあしらわれています。このアイスクリーム、え? と改まるほどのレヴェルで、パック詰めで売っていたらわたし買い占めるだろう・・・さっきも同じこと言ったかも。
●感じのいい木田さんの笑顔が何よりのデセールね♪

●そして最後に全国100万人の読者の皆さま、どうか見て見て見て! なんと佐々木さんの肖像画が、お玄関入った正面に飾られているのです! 絵はブルガリアの肖像画家によるものだそう。すごいプレゼントです本当に。
●「遺影ちゃうねんよ~、お線香立てんといてよ~!」と言う生の佐々木さん。今日もイケイケ、今もいつも世々に至るまでそのハイテンションでいてね! ハッデーにしててね~!
2008年1月 24日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年1月17日 (木)


■疲れ果て果て状態で珍しく気力なしだった何日か前のある晩、それでも「行くべきところがたくさんある。食べてこそわたしだ。何か食べなきゃ元気が出ない」と立ち上がって思いついた和食が「
祇をん ちんねん」さん。盛大なコースはからだ的に無理だけど、シンプルな焼きものの後に、おうどんいただこうじゃない♪ 「今日は焼きものと鍋ものだけをいただきたいのです」と電話して、たまたま空席があってひとりですべり込ませていただき・・・
●一応先付で、紫うにと汲上げ湯葉。湯葉がねっとりとろりとおいし。東京から通っていた時はこういうのいただいて「おお京都」と思ったものです。
●かぶの炭火焼。2皿目から焼物に突入。甘いかぶらに塩だけ、シチリアの岩塩ガリガリと削ってかけて。
●ブルゴーニュの白ワインをすーすーと。


●「魚食べたい」と言ったのだけど、わたしが欲しかった魚はなかった・・・けれど、その代わりに何があったでしょう!? なんとおお、村沢牛があったのです! 「江里さんほんといいタイミング、今日はこれ誰かに食べて欲しかった」とご主人の増田貴友さん。ロース肉100gを焼いてもらって・・・もう絶句するうまさ、バカうまいっていうか、目つむって集中しちゃうっていうか、一生食べてたいっていうか、とけゆく肉の余韻の中にずっととどまりたいっていうか。ただただ肉のおいしさだけが目の前にあって、他は存在しないというような旨さ。稀少な村沢牛って、京都でコンスタントにいただけるのは祇園の「
びすとろぷらむ」と
京都ブライトンホテルの「
ひもろぎ」のみです。(時々ならいただけるお店が他にいくつかあるようで、何人かの読者の方がメールくださいました。感謝。)


●ねぎの炭火焼をいただき、「まだ焼物食べたい!」と言って、
●厚岸の牡蠣を焼いたのをいただき、海の香りが火を通されてあったかくなったのを満喫。すごい幸せ、ひれ伏し状態。

●すっぽんスープでまずお豆腐を、ということで、ジュレ状態で保存されているすっぽんスープをプレゼンしてもらって・・・たまらず「スプーンでひと掬い!」とふるふるジュレを冷たいままいただき、
●熱いお豆腐をはふはふと。スープがたまらんおいしい。
●湯気湯気のおうどん! もう幸せ、ダマっていただきます。すっぽんスープうどん、ここまで来てよかった。
●見てよこのおいしそうなこと。どーしたらいいの? これ以上おいしいものこの世にあるかしら? 一生これしか食べられなくてもいいかも。(なわけないんだけど。って前も同じ発言したかも。(-_-;) ) とんでもなく美味な焼きものとお鍋と優しい増田さんのもてなしで、しんそこ温まってほっとした夕食でした。どんな気分・体調であれ、ぴったりくるお店があるって・・・京都はやっぱりもうれつ幸せな和食の都です。
2008年1月 17日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年1月16日 (水)

■コースでの提供が圧倒的に多い割烹の中で、「
御幸町つばき」はアラカルトで気楽に食べられる貴重なお店。ほとんどカフェ感覚でひとりで行ける・・・なんて言ったら申し訳ないのだけど、オーナーの小峯充靖さんや料理長の野口大介さん以下スタッフの皆さんは若くて感じがいいし、軽やかな雰囲気で和食を楽しめるお店です。2,3日前のさぶかったある晩、仕事の合間に軽く夕食をと、ひとりですべり込ませていただいて・・・
●先付に白魚のフリット、おつゆ仕立て、葛でとろっと。三つ葉いい香り
。●もろこの唐揚、すだちのジュレ、おろし生姜。パリっと揚がったもろこがとにかく香ばしい。ジュレ仕立てが得意な野口さんらしいひと皿。
●京野菜とふかひれの白味噌鍋。さわらも食べたーいと言ってさわらまで投入していただきました。初めお椀ものを何か、そして野菜のお皿を何か、と思っていたのだけど、そうだこれで一挙に食べられる♪というわけ。あったかくて優しい味、フカヒレの食感たまらずぐいぐい底なしに旨い、からだポカポカになって、幸せ~。頭の中はauくす玉絵文字がびっしり点滅状態。
●つるつるすべすべとフカヒレこの上なくおいし~。野菜もやわらかく煮えたのがゴロゴロ入っていて、冬の濃い甘い、いかにも身体に栄養つきそうな味、うしししし、これひとりで全部食べていいんだと思ったら笑えてきていけません。

●ふぐの白子の焼いたの。揚げても焼いてもどちらでもいいから食べたいと言ったら焼いてくださって、さらにまだ焼きもの食べたくて
、●きんきの焼いたの。この季節、きんきやのどぐろがあると言われて食べずにいられるでしょうか?(いいやいられはしません。)格闘せずすっと食べたくて、尾っぽ側とお願いしたのだけど、脂のりのり、あまりにおいしくて、頭から全部いただくと言わなかったことを激しく後悔。

●からすみと海苔の釜飯。からすみをくずしながらよそってくださって、海苔をばさっと。炊きたてご飯、からすみの香りと塩気、バリバリの海苔。またわたし無条件降伏です。
■おいしいったらないのよ~。和久傳エスプリをしばしば感じさせるし。サラブレッド野口さん♪ 和食はおいしくておしゃれですてき。世界に誇れる。うちから5分でこれ食べられるってすごくない? もう外国には住まないからね。京都は都♪ ばんざい!
・・・以上の3行のフレーズが、ご飯を食べるわたしの頭の中をぐるぐると。
●お漬物と赤だし↓もつきました。
2008年1月 16日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent
2008年1月11日 (金)
■「うさぎ亭」と「なかじん」さんのこと、「フェリエ」の野菜カレー |
■全国100万人の読者の皆さま、前回「しばしお休み」なんて書いたものだから、「サイトはいつ再開?」ってメールやら電話やらいただいてしまいました。ご心配ありがとうございます。入稿やら嵐のアポ入れで多忙だっただけではなく、実はちょいバテでもありました。何日間か、食べる端からお腹こわしたりして、これってわたしにとってわりと致命的\(゜o゜)/。。。機嫌はいいのに具合が悪いということが時々起こっちゃうのは職業病か? だってどう考えても常に食べ過ぎ、栄養過多。よく、「食べたものすべてアップしているのですか?」と聞かれますが、ぜーんぜんそんなことはなくて、これよりもっといろいろ食べてます。

■そして写真はおなじみ「小豆家 うさぎ亭」のお昼、良心のかたまりのランチです。メイン料理(大抵は豚肉で、いろいろなヴァリエーションあり)の他に小鉢があれこれと合わされ、手の込んだ充実のセットです。ソルベはカフェの風味。これをアイスコーヒーに浮かべてもおいしかろう♪
■さてどうしてわたしが今日こちらのお話をするかというと、「虚無蕎望 なかじん」さんのことで読者の方から多数のメールを頂戴しているからです。詳細は
こちらにある通り、健康上の理由で閉店される決意をなさったことを「なかじん」さんはこのお正月、サイト上で発表なさいました。この発表後、読者の方々からわたしのところにいただいたメールが、「すごいショック」「もうあのお蕎麦食べられないの?」「その後どうなさるのですか?」「どうか閉店前に訪れてまたアップしてください」などなど、悲嘆が大きいものばかりだったのです。・・・だからお伝えいたします。お蕎麦はしばらくいただけないと思います。でも、いまひとりで「うさぎ亭」を営む愛妻・薫さんと共に、今後はこの「うさぎ亭」で「なかじん」さん=中村一臣さんのお料理もいただけるようになるのです。長らく中村さんはご自身の体調とお店のあり方、そして薫さんのお店の状態や子育てをしつつ頑張る薫さんの奮闘を考え併せてさまざま思案していらっしゃいました。古川町商店街の「素料理 虚無蕎望 なかじん」も資金を投入してリニューアルオープンなさってまだ1年と少しということもありました。当然存続させていきたかったと思います。けれどお蕎麦に命をかけてきたのに蕎麦アレルギーになりつつある状態、さらに薫さんは実は元から蕎麦アレルギー。 蕎麦はもう無理かもしれない・・・けれど蕎麦なしでなら、一緒にまた料理ができる! 一緒にやれば、お昼が主力の今のお店が、夜の中村さんのお料理でさらに効率よく回る! そういう結論に至られたのです。思い切りがよくて、すばらしいアイデア。薫さんなんかすでにちゃっかり、「お昼の仕込みをおとうさん(=中村さん)に手伝ってもらえるわ~♪」なんてうれしそうにしているのです。ああ~、仲良しでいいなあ。
■以上のこと、わたしもお正月明けに伺ったことですが、「あまりに皆さんの悲嘆が大きいから、お話ししていい?」ってわたし確認したのでした。とりあえずあの「粗碾き蕎麦」がいただけなくなることはわたしもかなり悲しいのですが、でもそれも、いつかまた機会と場を得て中村さんがマイペースでお蕎麦打ちをなさることもあり得ると思うのです。それより何より、単純なわたしは、家からごく近い「うさぎ亭」で春からおふたりの料理が食べられるようになることがうれしくて仕方がありません。「うさぎ亭」は2月末に少しお休みして店内を一部改装をなさるとのこと。何でもご自身でなさる頼もしい中村さん、「中村工務店」なんて薫さんは笑ったりするのです。春には「今週は果たして何台四つ葉のタクシー見たか?」なんてお話をしつつ、「なかじん」料理で夕食ができるようになります♪
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■そしてせっかくだから見せちゃうこのカレー、
京都ブライトンホテルのテラスレストラン「
フェリエ」の野菜カレーです♪ 元日のスペシャルなフレンチボックスに、お赤飯の代わりにカレーを入れていただくというヒンシュクなことをしたわたし、その1週間ほど後に伺った際にはマジメに野菜カレーを注文、大変おいしくいただきました。野菜がたくさん載って、(今回はご飯につんつん突き刺さりヴァージョン、)香味豊かで鮮烈、カレーソースがまた優しくも深い味わいで、わたしにとってやみつきカレーなのです<(_ _)>
2008年1月 11日, dans 京都 ホテル京都 和食08前半 | lien permanent
2008年1月 2日 (水)
■お正月の食卓:おせち2種、佐賀牛、すぐき、ゴースト焼菓子 |
■お正月らしい食卓にお招きいただいたのです。12月31日の晩に。おせち料理2種類を、「作りたてこそおいしい」(ものすごく正しい!)と、毎年31日の晩に開けて食べるのが習慣のお宅です。「えーっ、大晦日に食べちゃうのおお?」と言いながらも、「作りたてを受け取って即食べ」の考え方に激しく賛同、31日夜、数百枚の年賀状もサイトアップも途中で放り出し、大喜びでお邪魔したのでした。

■まず「
木乃婦」さんの2段重。こちらは1段=3万円なので6万円。結構お味しっかり目に、中にはハッデーな取肴も入っていて、しかしどれもがおいしかったです。さすが、慣れた円熟の味わいかしら。(ちなみに、どんなすばらしい割烹でも、そのおせちとか折り詰めがすごくいいとは限らないです。折り詰めはやっぱり折り詰めに慣れたところが上手。)そうそうたる京都の料理人にもファンが多いのがよくわかりました。わたしはこちらの折り詰めを何度かいただいたことはありますが、おせちは初めてだったのです。


●金箔からすみ、ハデでいいわあ~♪ これは「木乃婦」さんのおせちより。3代目のイケてる当主・高橋拓児さんらしいです。
●これはどちらのおせちでもない、丹波の黒豆煮。瓶詰めのもの。つやつやきれい、ふっくらやわらか、優しく甘い。名作!!


●ひと通りおせち食べたところで、佐賀牛のステーキ。非常~~~に、おいし。やわらかで、サシいっぱい入っていたのにあまり脂を感じさせず、でも溶けるように消えていきました。
●にんにくチップまでちゃんと用意されて、たまらん香ばしさ。
●シャンパーニュの後、ブルゴーニュワイン。


●そして参加者のひとりが作って持参した鶏肉のハム。これがやわらかで鶏の香味豊か、塩加減もジャストに決まり、なんともほどよいおいしさ。
●そしてごく薄味のすぐき。これが初めての味わい、驚きのすぐきで心からおいしかった。農家を訪ねて分けてもらってきたとのこと。酸味がきつくなく、ごくマイルド。これも食べても食べても止まらなかった\(゜o゜)/
●チョリソー。ぴりっと辛い、辛いがうまい、止まらない、口の中燃えますううう\(゜o゜)/\(゜o゜)/



●「ゴースト」のお菓子が用意されていました。ショコラものうれし~♪ 生、焼きと何食べてもおいしいです。ショコラのケーキはもちろん、サブレ類のおいしさもずば抜けています。
●「
一保堂茶舗」の大福茶(12月18日付けにもあり)で締め。すべておいしくてすごくたくさんいただいて、「さっとおいとまして年明けるまでにもうひと仕事」なんて思って出かけたのは誰だ~? 楽しすぎて、結局年越しまでしてしまいました<(_ _)>
2008年1月 2日, dans 京都 和食08前半 | lien permanent